8月 12 2025
夏季休業(お盆休み)のお知らせ
当事務所では、下記の期間について夏季休業とさせていただきます。夏季休業期間にお問い合わせいただきましたメール等につきましては、夏季休業後に順次回答させていただきます。
8月12日18時まで 通常業務
8月13日から8月17日まで 夏季休業
8月18日9時から 通常業務
以上、よろしくお願いいたします。
8月 12 2025
当事務所では、下記の期間について夏季休業とさせていただきます。夏季休業期間にお問い合わせいただきましたメール等につきましては、夏季休業後に順次回答させていただきます。
8月12日18時まで 通常業務
8月13日から8月17日まで 夏季休業
8月18日9時から 通常業務
以上、よろしくお願いいたします。
4月 21 2025
近年、海外をアジトにした振り込め詐欺が問題となっており、最近も愛知県の男子高校生がミャンマーに連れ去られて掛け子をさせられていたというニュースもありました。
振り込め詐欺の手口は日々巧妙化しておりイタチごっこが続いておりますが、先日私にも電話があり30分程度犯人と会話をましたので、1つの参考事例としてその時のことをまとめたいと思います。
平日の夕方に私の携帯電話宛に非通知で電話がありました。電話を掛けてきたのは声の感じから40代~50代くらいの男性で、大阪府警の刑事とのことでした。
刑事という職業に信ぴょう性を持たせるためか、丁寧語でありながらも少し横柄な態度でした。
また、相手方はこちらの住所、氏名、電話番号を把握しておりましたが、私の自宅ではなく事務所の住所を把握していましたので、恐らく事務所用品をネット通販で購入したときの情報が漏洩したのだろうと思います。それ以外の、クレジットカードや銀行預金などの情報は一切知られていませんでした。
さらに、電話に少し遅延を感じましたので恐らく海外からIP電話で掛けているのだと思います。
・モリケイタという男性が主犯の振り込め詐欺グループが捕まった。
・大阪府警が担当しているので大阪府警まで来てほしいがそれは難しいと思うので電話で取り調べを行う。
・「自称刑事」は担当部署が異なるので、今から別の部署の担当者に転送で変わるからその者と話をしてくれ。その際に、事件番号「令和7わ69号」を伝えてくれれば分かる。
・転送後の人も同じ40代~50代の男性であり、刑事とのことでした。
・犯人グループが使用していた口座が私のPayPay銀行の口座であり、総額500万円のお金の出入りがある。
・犯人グループと面識が無かったとしても口座が使われている以上、共犯になる。しかも500万円という多額なので見過ごせない。
・この話を家族を含めて誰にも伝えてはいけないし、もし伝えた場合は秘密漏示罪になる。
・モリケイタと話をしたかどうかは遠隔でスマホを調べることができるが、その機能はLINEを使って確認するので、今から言うところにLINEでアクセスしてほしい。
ここまでで30分程度かかっており、私にその後の予定もあったため以降は話は無理だと伝えて電話を切りました。
過去にあったニュースなどを踏まえると恐らく下記のような流れになると思われます。あくまで推測であるため、実際にそのような展開になったかどうかは分かりません。
・LINE電話を掛けてくる。
・私名義の逮捕状が出ていると伝え、逮捕状っぽい画像を見せられる。
・示談金などを支払えば今であれば逮捕を免れることができる。
・私が同意すれば、振込先を伝えられ、そこに送金するよう指示を受ける。
そもそも電話がかかってきて大阪府警と名乗られた時点で私はおかしいと気付いているのでそこからすべて録音をしているのですが、制度上おかしなことを言っている、または言ってくるであろうことが多いので、その点をまとめます。
(1)警察が非通知で電話を掛けてくることはまずない。少なくとも私宛の警察からの電話が非通知だったことは一度もありません。
(2)電話で取り調べを受けることなどありえない。
(3)私が口座を売ったのであればそれは犯罪ですが、万が一、知らぬ間に悪用されていたのであれば共犯にはなりません。
(4)この話を第三者に話しても犯罪になることはありません。秘密漏示罪が適用されるのは、「医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人の職にあった者並びに宗教、祈祷とう若しくは祭祀しの職にある者又はこれらの職にあった者」に限定されていますし、それも業務上知りえた秘密を正当な理由なく漏示した場合です(刑法133条)。自身が嫌疑を掛けられていることを誰にも相談できないとなったら、弁護士さんに自身の弁護を依頼することもできなくなってしまいます。
(5)事件番号は恐らく刑事訴訟の事件番号を真似たものかと思いますが、警察内の事件番号などを被疑者が覚えて誰かに伝えるということは通常あり得ないと思います。
(6)指名手配であれば別ですが、逮捕状が出ていることを被疑者側に伝えるということはあまり無いと思います。事前に伝えたら逃げられるかもしれないですよね。
(7)示談がまとまれば逮捕や起訴を免れるということはあり得ることですが、民事不介入ですので示談そのものに警察が介入することはあり得ませんし、振込先を警察が指定するということもあり得ません。
+295から始まり0110で終わる番号から何度も電話がかかってきているようです。+から始まる番号は国際電話になりますが、この番号は存在しないようですので、機械的な何かで振り込め詐欺集団が偽装しているものと思われます。私は、すべて理解したうえで電話に出て話をしておりますが、電話に出るメリットは何も無いと思いますので、同じような話をされた場合にはすぐに電話を切りましょう。
以上、振り込め詐欺グループからの電話でした。
1月 15 2025
当ブログ「司法書士の債権回収最前線」の記事一覧表です。
書類作成のみのご依頼もお受けしております!(平成25年12月17日)
妻の借金は夫が,夫の借金は妻が支払わなければならないこともある。(平成26年6月20日)
飲み屋のツケ,1年逃げればチャラです→5年にします(平成26年7月4日)
会社が知らないうちに無くなっているかもしれません(平成26年7月23日)
時効の期間が経過した分も絶対に回収できないわけではありません。(平成26年12月17日)
子どもの行為が原因となって怪我をした場合の損害賠償請求(平成27年4月9日)
訴え提起前の和解(即決和解)について(平成29年6月22日)
少額訴訟債権執行手続をやってみました。(平成29年7月11日)
書類が届かない場合の法的効果や対処など(平成30年1月16日)
主文に記載されている「訴訟費用」,「仮執行宣言」とは?(平成30年9月4日)
【毎年恒例】会社が知らないうちに無くなっているかもしれません(平成30年10月11日)
給与の差し押さえでもなかなかうまくいかないケース(平成30年10月15日)
回収が大変な「売掛金」と「未払い賃料」(令和元年12月26日)
複数の債権がある場合に一部弁済があった場合の時効更新(令和2年12月19日)
専門家への報酬を相手方に請求したい(最高裁判決)(令和3年2月3日)
不動産以外の担保で保全する(①自動車抵当)(令和4年11月21日)
不動産以外の担保で保全する(②債権譲渡登記)(令和5年1月10日)
株式会社の代表取締役の住所が分からなくなるかも(令和6年4月16日)
相手が来なければ,まず間違いなく勝訴(平成25年10月18日)
SNSの情報から給与を差し押さえて全額回収(令和3年10月22日)
お金を貸すときにやっていただきたいことベスト3(令和4年6月28日)
当事務所の報酬等も含めて全額回収できた事案(令和5年1月4日)
家賃の滞納があってもすぐに「出ていけ!」とは言えません(平成25年11月1日)
勝手な明渡の強制執行は犯罪・不法行為となります(平成28年4月13日)
楽待(不動産投資新聞)さんからの建物明渡に関する取材(平成30年3月12日)
建物明渡に関する和解で必ず入れておくべき条項(平成30年5月23日)
未払い賃料を保証人から全額回収。でも今後は注意。(令和3年9月18日)
建物明渡しの実例(断行まで進むも不在で終了)(令和4年1月4日)
家賃を滞納した場合に自動的に明渡したことになる条項の有効性(最高裁判決)(令和4年12月12日)
私自身が巻き込まれた中古車トラブル(平成26年11月25日)
140万円超の請求に関する内容証明郵便の送付及び訴状等の作成について(平成27年1月5日)
大槌町及び南三陸町に行ってまいりました。(平成27年9月8日)
ご相談について(新型コロナウイルス感染症対策等)(令和2年4月24日)
12月 27 2024
本日をもって今年の業務がすべて終了となります。本年もご依頼いただきましてありがとうございました。
年末年始の業務時間は下記のとおりとなり、令和6年12月27日18時以降にご連絡いただきましたメールについては、令和7年1月6日9時以降に順次返信させていただきます。
令和6年12月27日(金)18時まで 通常営業
令和6年12月28日(土)~令和7年1月5日(日) 冬期休業
令和7年1月6日(月)9時から 通常営業
以上、よろしくお願いいたします。
8月 07 2024
当事務所では、下記の期間について夏季休業とさせていただきます。夏季休業期間にお問い合わせいただきましたメール等につきましては、夏季休業後に順次回答させていただきます。
8月9日18時まで 通常業務
8月10日から8月15日まで 夏季休業
8月16日9時から 通常業務
以上、よろしくお願いいたします。
4月 12 2024
私ども司法書士を含めたいわゆる「士業」と呼ばれる職業には、第三者の住民票の写しや戸籍謄本等の各種証明書を当該対象者の同意等を得ることなく取得することができます。この点について、誤解されているケースがあり、何度かご質問いただいたことがあるためここでまとめておきたいと思います。
住民票と戸籍では根拠となる法律が異なり、住民票の写しについては住民基本台帳法第12条の3第2項及び第3項に、戸籍謄本等については戸籍法第10条の2第3項等にその旨の規定があります。
住民基本台帳法では、いわゆる士業については「特定事務受任者」と呼ばれており、具体的には、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、行政書士(いずれも法人を含む)となります。他にも士業と呼ばれる職業として、公認会計士や不動産鑑定士、中小企業診断士などがありますが、これらの職業については特定事務受任者には入っておりません。
戸籍法では特定事務受任者ではなく、個々の職業毎に明示されておりますが、住民票の特定事務受任者と同じ職業となります。
私どもが住民票の写しや戸籍謄本等を取得するためには、専用の請求書である「職務上請求書」という書類に必要事項を記載して役所に請求する必要がありますが、職務上請求書に記載すれば何でも取得できるというものではなく、各士業において業務のご依頼をお受けしており、その業務の遂行に必要な場合にのみ請求できるに過ぎません。
私ども司法書士だと、不動産や会社等の登記手続のご依頼をお受けしており、住所の変遷や氏名の変更の証明として住民票の写しや戸籍謄本等を取得することがあります。また、債権回収のご依頼をお受けしており、債務者の現住所の調査のために住民票の写しを取得したり、債務者が亡くなっていてその相続人に請求するために戸籍謄本等を取得するという事もあります。
このように職務上請求書を使用して住民票等を請求するのは、何らかのご依頼をいただいてそのご依頼のために必要な場合に限りますので、住民票の写しや戸籍謄本等の取得のみのご依頼をお受けすることはできないことになっております。
件数として多い訳ではございませんが、住民票の写しや戸籍謄本の請求だけをお願いしたいというお問い合わせをいただくことがあるため、念のためまとめさせていただきました。
12月 28 2023
本日をもって今年の業務がすべて終了となります。今年もたくさんご依頼いただきましてありがとうございました。
年末年始の業務時間は下記のとおりとなり、12月29日以降にご連絡いただきましたメールについては、1月4日以降に順次返信させていただきます。
令和5年12月28日(木)18時まで 通常営業
令和5年12月29日(金)~令和6年1月3日(水) 冬期休業
令和6年1月4日(木)9時から 通常営業
以上、よろしくお願いいたします。
9月 01 2023
1 ご相談に関する費用等
ご相談に関しては相談料等の費用をいただくことはございません。また,ご相談の時間や回数の制限はございません。ただし,ご相談の後に別の予定が入ってしまっている場合は時間を区切らせていただく場合がございます。
2 電話によるご相談
お電話によるご相談については,申し訳ございませんが原則としてお受けすることができません。以前は,その場で簡単に結論が出るようなことであれば回答させていただくこともございましたが,債権回収については証拠の有無が大きなカギを握っており,かつ,ちょっとした聞き間違いなどで結論が正反対になることがありますので,結果として誤った回答をしてしまわないよう電話でのご相談は基本的にはお断りさせていただいております。もっとも、ごく一般的かつ誰が回答しても同じ回答になるような内容であれば回答させていただくこともあります。
また、司法書士は、ご相談者からご相談をいただく前に、すでに紛争の相手方からご相談をお受けし、信頼関係を形成していた場合にはご相談やご依頼をお受けすることができないとされていることから、具体的なご相談に入る場合はご本人確認が必要となるためです(司法書士倫理第61条)。
3 メールによるご相談
当事務所サイトのお問い合わせフォームよりご相談いただくことが可能です。ただし,電話によるご相談と同様に,証拠を拝見して回答しているわけではないため,あくまで一般論的な回答に留まってしまいます。また、上記と同様に司法書士倫理上、具体的なご相談に入る場合はご本人確認が必要となりますので、より正確な回答をご希望される場合は,関係書類をお持ちいただき,直接ご相談いただいた方が良いかと思います。
4 回答させていただく内容
ご相談にお越しいただき,その際にご説明いただいた内容やお持ちいただいた関係書類を基に,
①法的に相談者さんまたは相手方の言い分が認められるか(認められる可能性が高いか低いか)
②手続としてどのような方法があるか
③手続をした場合に回収できるか(回収できる可能性が高いか低いか)
などについて,私の考えを回答させていただきます。しかし,アドバイスをさせていただくだけであり,何らかの手続を執ることを勧めることはございません。
5 回答できないご相談
①対応業務以外の債権回収のご相談
当事務所では、個人間の金銭トラブル(お金の貸し借り)、未払い賃料の回収や明渡しなど、債権回収業務に関しては特定の業務に限定しております。こちらの業務以外の債権回収業務(交通事故の損害賠償請求、離婚に伴う慰謝料請求、契約不適合等による損害賠償請求、売買契約に基づくトラブルなど)に関してはご相談をお受けすることはできません。過去に当事務所の本ブログにおいて中古車関係のトラブルの記事を上げているため、中古車トラブルに関するご相談をいただくことがありますが、中古車トラブルについてのご相談はお受けしておりません。
②司法書士及び行政書士の業務外のご相談
他士業(弁護士,弁理士,税理士等)の独占業務となっている業務についてのご相談については,法令違反となってしまいますので回答することができません。特に多いのが税金関係のご質問となり、制度としての一般的な回答(相続時清算課税制度、基礎控除など)であれば可能ですが、「課税されるのか」、「どの程度税金がかかるのか」など個別具体的なご相談は回答することができません。
③違法行為または公序良俗違反により無効となる恐れのある契約等に関するご相談
例えば、ギャンブルの勝ち金の請求、利息制限法や出資法に違反した高利貸金の請求、水商売・風俗産業の方の売掛金についてのご相談はお受けしておりません。水商売・風俗産業の方の売掛金については必ずしも違法や公序良俗違反となるものではありませんが、その売掛金の発生自体が第三者からでは不透明な部分が多いため一切お受けしておりません。
④具体的な手続に関するご相談
例えば,具体的な内容証明郵便の書き方や送付方法,訴状や準備書面等の裁判手続に関する書類の内容や作成方法については回答することができません。また,ご自身で作成された各種書類の添削なども行うことはできません。というのは,上記のような書類を作成して報酬をいただくことが当事務所の業務であるためです。
以上がご相談に関する注意点となりますので、これらを前提にご相談いただけますと幸いです。
8月 07 2023
当事務所では、下記の期間について夏季休業とさせていただきます。休業期間にお問い合わせいただきましたメール等につきましては、休業後に順次回答させていただきます。
8月7日18時まで 通常業務
8月8日から8月15日まで 夏季休業
8月16日から 通常業務
以上、よろしくお願いいたします。
1月 10 2023
前回、自動車を担保に取る自動車抵当について記載いたしました。
今回は、自動車のように動くどころか目には見えない「債権」、さらにはまだ発生すらしていない将来債権について担保に取る手続きについてまとめたいと思います。
なお、今回は債務者(譲渡人)が事業等を行っている法人であることが前提となりますので、基本的には法人に対する貸金請求や売掛金の回収のお話しとなり、個人間の金銭トラブルや建物の明渡等に関しては、無関係な内容となります。
お金を貸した場合、お金を貸主は借主に対して、「お金を返してください」という権利があり、これを債権といいます。
また、不動産の売買契約を締結した場合、不動産の売主は買主に対して「代金を支払ってください」という権利があり、逆に買主は売主に対して「不動産を引き渡してください」という権利があります。これも債権です。
さらに、特定の会社同士が基本契約を締結した上で継続的に取引をしている場合があります。例えば、問屋と小売店などにおいては、大元となる基本契約を締結し、その都度仕入れる際に個別契約をしているということがあります。また、医療法人だと、診療報酬のうち健康保険等が負担する分を国保連などに定期的に請求しています。そうすると、将来にわたって定期的に債権が発生することが見込めることもあり、現在は発生していないけど将来発生する予定の債権のことを将来債権と言います。
返済期限を貸した日から1年後、利息を年10%として100万円を貸主であるAさんが借主であるBさんに貸したとします。Aさんは1年後にはBさんから110万円を返してもらえる債権を持っているといえます。
しかし、半年後にAさんが急遽お金が必要になり、110万円を返してほしいとBさんに言ったとしても、Bさんとしては1年間は返済しなくても良いことになっていますので、Aさんからの要求を拒絶することができます(これを「期限の利益」といいます。)。
そこで、Aさんは第三者であるCさんに対してBさんに対する債権を売却(譲渡)し、お金を回収することにしました。この場合、AさんはCさんに対して例えば103万円で売却することで、利息は予定より少ししかもらえないけど、すぐに現金を手にすることができますし、Cさんとしても半年待つだけで7万円増えてBさんから返してもらえますのでAさんとCさん双方にメリットがある内容になっています。
ところで、上記のとおり債権というものは目には見えませんので、やろうと思えばAさんは同じ債権をまったく無関係のDさんに譲渡することもできてしまいます。もし、AさんがDさんにも債権を譲渡し、Dさんの方が先にBさんから回収してしまったらCさんは損をしてしまいます。
そこで、法律上は、確定日付のある通知(一般的には内容証明郵便)にて、AさんがBさんに対して「私のBさんに対する100万円の債権はCさんに譲渡したので、半年後の返済期限にはCさんに返済してください。」という債権譲渡通知をすれば、第三者であるDさんに対抗できることになっています。
Aさんからの債権譲渡通知がBさんに届けば、その後にBさんにDさんから返済の請求があったとしても、Bさんとしては「いや、Cさんに対する債権譲渡の通知を受け取っているのでDさんには支払えませんよ。」と支払いを拒絶するでしょうし、万が一BさんがDさんに返済してしまったとしても、Cさんは改めて自分に返済するようBさんに請求することもできます。
このように債権譲渡をする場合には、通常は確定日付のある債権譲渡通知を行うことになります。
上記のようにAさんがCさんに債権譲渡をしてしまうと、その時点で債権はCさんに移ってしまいますし、債権譲渡をされた通知がBさんに行きますので、BさんとしてはAさんが資金繰りに困っているのかもしれないという疑念を抱く可能性があります。
単発の貸金債権であれば問題にならないかもしれませんが、Aさんが問屋、Bさんが小売店、Cさんが貸金業者だったとすると、Cさんへの債権譲渡通知を受領したBさんは今後Aさんとの取引を止めて、別の問屋さんと取引を始めてしまうかもしれません。
そのような場合に有効なのが債権譲渡登記です。
債権譲渡登記は、AさんがBさんに対する債権についてCさんに譲渡した旨の登記をすることで内容証明郵便で通知した場合などと同様に第三者への対抗力を持ちますが、Bさんに通知等が行くわけではないので、Bさんは債権譲渡登記がされたことは知りません(調べようと思えば調べられます。)。
AさんがCさんからお金を借りる際に、Bさんに対する将来発生する売掛金をCさんを譲受人として債権譲渡登記をしておき、特にAさんがCさんへの返済を滞納等をしない限りは、これまでどおりAさんがBさんに対して売掛金の請求をして受領できる契約をしておきます。こうしておくことで、特にトラブルが無いようであれば、外見上は債権譲渡していることは誰にも知られず、AさんとBさんも普通に取引を継続すれば良いことになります。
そして、万が一Aさんが滞納等をした場合は、Cさんは債権譲渡登記がされたことが分かる登記事項証明書をBさんに提示することで、以降はCさんはBさんから回収することができます。
なかなか分かりにくいため、頻繁に見ることは少ないと思いますが、担保に取れる不動産がなく保証人もいないが、安定的な取引先があるという場合には、債権譲渡登記をして担保しておくということも1つの手段になるのではないでしょうか。
なお、前回の自動車抵当も債権譲渡登記も当事務所で扱っておりますので、お気軽にご相談ください。
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