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7月 26 2013

滞納管理費の請求実例①

4:58 PM 管理費滞納

とあるマンションの管理会社さんより管理費の回収に関するご相談がありました。

その滞納されている方(以下,「Aさん」とします。)は,なんと管理組合の理事という立場にありながら,ご相談に来られた時点ですでに半年程度滞納していました。ただし,Aさんからクレームなどは無かったようなので,何らかの不満があって支払っていないということではなさそうだけど,経済的な事情等,なぜ支払ってもらえないのか理由はわからないとのことでした。また,自宅電話はなく,携帯電話の番号もわからないとのことでした。

 

(1)管理会社さんの行動

当事務所にご相談に来られる前に,まずは管理会社さんの方で,Aさんの自宅ポストに督促の手紙を入れたけど返事が無く,次に内容証明で督促状を送付したもののこれについても完全無視の状況でした。ただ,毎朝同じような時間に出かけられており,帰りも同じような時間に戻られるとのことでしたので,病床に伏せているわけではなく,ちゃんとどこかにお勤めされていると思われました。

 

 

(2)当事務所の行動

 

①登記簿の調査

何はともあれ,まず登記簿の調査を行います。というのは,住宅ローンの返済に困り銀行の差し押さえが入っている可能性がありますし,場合によっては消費者金融の担保に入っていることもあるため,ある程度登記簿を見るだけでもその方の経済事情がわかるからです。

 

調べた結果,消費者金融の担保にはなっていませんでしたし,それどころかそもそも購入時点で住宅ローンも組んでいないことがわかりました。また,購入された時期はマンションの建築と同時でした。つまり,新築のマンションを現金(恐らく4000~5000万円程度)で購入されているということですので,少なくとも購入時点ではかなりお金をお持ちの方だったということがわかります。

ところが,数年前にマンション所在地の役所の差し押さえが入っていました。これにより,まず間違いなく固定資産税を滞納していることがわかります。ただ,かなり前に差し押さえが入っているにも関わらず,公売(裁判所で言う競売のようなものです)されていないことからすると,滞納はしているものの少しずつ返済はしているのだろうということが伺えます。

 

以上から,

・マンション購入時点ではかなり現金をお持ちだった。

・数年前から,固定資産税を滞納するくらい支払いには困っているものの,少しずつは納めていけるほどの収入はあると思われる。

・特に理由があって「払わない」ということでは無いようなので,恐らく経済的事情により「払えない」と思われる。

ということがわかります。

 

②内容証明郵便の送付

お話を伺った時点で,管理会社の督促をすべて無視しているということは確信犯的に支払っていないということですので,内容証明郵便を送付しても恐らく無視される可能性の方が高いとは思いましたが,いきなり裁判というわけにもいきませんので内容証明郵便にて督促状を送付しました。人によっては,管理会社等の督促は無視するのに弁護士や司法書士が介入すると,途端に話し合いができることもあるためです。

しかし,残念ながら何の連絡もありませんでした。

 

③法的手続きの選択

この時点で管理組合の方と話し合いを行い,理事会の承認を得たうえで,法的手続きを執ることを決めました。

法的手続きとしては,

 

【通常訴訟】

通常の訴訟手続であり,一般的には2回前後の期日を経て和解や判決に至ります。通常は解決まで3~4ヶ月かかりますが控訴されるとさらに2~3ヶ月かかります。

 

【少額訴訟】

60万円以下の金銭請求に限られますが,基本的には1回の期日で解決できるため迅速な解決が期待できます。ただし,相手が異議を出すことで通常訴訟に移行されることもあります。

 

【支払督促】

裁判所に一方的に請求書を出してもらい,反論がなければ勝訴判決を取ったのと同じ効力の書面を得ることができます。一方的に請求書を送るだけなので出頭する手間もかかりません。ただし,反論があると通常訴訟に移行するため,場合によっては通常訴訟よりも時間がかかります。また,出頭しないということは話し合いもできないということなので,強制的な回収ではなく話し合いで進めたい場合には向いていません。

 

の3つが考えられます。

管理組合としては,判決を取って強制的に回収するというよりは,やはり同じマンションの住民でもあるため,可能な限り話し合いで解決したいとの希望をお持ちでした。

とすると,この時点で支払督促という選択肢は消えます。残る2つについてですが,【通常訴訟】でも【少額訴訟】でも手続的にはあまり変わりませんが,もし話し合いがまとまらなかった場合には早急に次の手続きに進みたいとのことでしたので,【少額訴訟】を選択しました。

また,それと同時に,最終的には強制執行による回収になる可能性がありますので,差し押さえが可能な財産(預金口座や勤務先など)の情報収集を始めました。

 

 

かなり長くなってしまったので,次回続きを書いていきます。


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