2月 14 2014
公示送達の訴訟
今週,立て続けに公示送達で進められた裁判がありました。
※公示送達についてはこちら
通常の送達と異なり,公示送達は相手に書類が届きませんので現実的には相手は裁判が行われていることすら知らない可能性が高いです。とすると,当然ながら相手はまず間違いなく来ることはありませんし,反論の書面を出してくることもありません。
本来,訴訟となった場合,相手はこちらの主張について何も反論をしないと,すべての言い分を認めたことになってしまい自動的にこちらの勝訴となります(民事訴訟法159条1項・擬制自白)。
さらに,相手が認めた事実については証拠は必要ありませんので,相手が何も反論してこないのであれば証拠を用意する必要もありません(ただ,実際には提訴の時点で証拠を出していることがほとんどですが・・・)。
ところが,これには例外があります。それが上記公示送達の場合です(民事訴訟法159条3項)。というのは,擬制自白は「反論できる機会があったのにそれをしない」という前提がありますが,公示送達はそもそも相手は訴えられていることすら知らない可能性が極めて高いので「反論できる機会があった」とは言えないからです。
ということで,今週行われた公示送達については,しっかり証拠を提出していますし,それどころか本人尋問が行われた事件もありました。
もっとも,相手が反論をすることはありませんので,ほぼ負けることは無いと思います。
通常,裁判が結審してから1~2か月先に判決になりますが,公示送達の事件に関しては判決が出るのも早く,1~2週間で判決となります。
とはいえ,最終目的は判決を取ることではなく,債権回収を図ることですので,まだまだ手続きは始まったばかりです。
そういえば,いつも裁判は混んでいて傍聴席に入っても座る席が無かったり,予定時間になっても前の事件が押していて予定を過ぎてから裁判が始まるということが多々あったのですが,今日は傍聴席には誰もおらずガラガラでした。さすがにこの大雪で来られないという人が多かったのでしょうか。謎です。