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2014年12月

12月 26 2014

年末年始の業務案内

当事務所の年内の業務は本日をもって終了となります。今年1年ありがとうございました。 

 

さて,当事務所の年末年始の業務は以下のとおりとなりますので,お知らせいたします。  

 

なお,不定期ではありますが,年末年始も事務所に来ておりますので,メールにてお問い合わせいただいた件については随時回答させていただく予定です。  

 

 

平成26年12月26日 18時まで 通常業務 

 

平成26年12月27日~平成27年1月4日 お休み 

 

平成27年1月5日 9時から 通常業務 

 

 

それでは,皆様良いお年をお過ごしください。

 

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12月 18 2014

時効の期間が経過した分も絶対に回収できないわけではありません。

個人間の金銭トラブルであれば通常は10年,売掛金や賃料などは通常は5年,診療報酬だと3年が経過すると消滅時効により債権は消滅してしまい,相手に請求することができなくなります。

 

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ただ,正確に言えば,消滅時効によって債権が消滅するためには,

時効期間(上記の10年や5年など)が経過すること

債務者の時効の援用民法145条

の2つが必要です。

したがって,時効期間が経過していたとしても,債務者から時効の援用がされていない以上は,とりあえず請求することは可能です

 

 

実は,先日も未払いの賃料について,10年以上延滞されている賃料の回収手続を行いましたが,10年分全額を回収しました。

もし,債務者から時効の援用がされた場合は5年以上前の分は時効によって消滅してしまうため,残りの5年分しか請求することはできませんが,債務者側から時効の援用の意思表示がありませんでしたので,考えて方によっては5年分得したとも言えます(ただ,本来支払ってもらうべきお金をもらっただけなので,得したという表現はおかしいかもしれません)。

 

もっとも,債務者を騙して回収することはできませんので,時効についての質問があった場合は,弁護士や司法書士に相談に行くように回答することになります(基本的にこちらから時効である旨を伝えることはありません)し,明確に時効の主張をされた場合は,時効中断事由が無い限り認めるしかないと思います。

また,時効期間経過後の債権の請求をする場合,個人間のトラブルではあまり関係ありませんが,売掛金や診療報酬等については,レピュテーションリスクも検討しなければなりません。このレピュテーションリスクというのは,「評判リスク」,「風評リスク」と呼ばれるもので,合法・違法という観点ではなく,とある行為を行うことによって生じるマイナス要素の風評が起きるリスクです。

つまり,本来であれば時効期間が経過している場合は,債務者の時効の援用があればすぐに消えてしまうような債権であるため,「あの会社は,時効になってるような債権まで回収するらしいよ・・・」という評判が立ってしまうリスクです。したがって,時効になっていたとしても援用が無ければ請求できますが,何でも請求した方が良いかというとそうではないと思います。

 

ということで,上記の時効完成後の債権を回収したというのはかなり特殊な事例ですので,やはり時効期間が経過している債権についての回収は難しいと考えていただいた方が良いかと思います。

と言いつつも,上記の事件の後にも7年程度延滞していた債権を最近も回収しました・・・。

 

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12月 05 2014

登記簿から見る債権回収の調査

こちらの言い分が法律的に正しく裁判所から勝訴判決をもらったとしても,自動的にお金が回収できるわけではなく,国が「強制執行手続を使って強制的に回収しても構いませんよ。」ということを認めてくれたに過ぎません。言い換えれば,勝訴判決というのは,「強制執行許可状」みたいなものですね。

また,強制的に回収する方法としても,あくまで民事執行法その他の法律に沿った法的な手続を使って強制的に回収できるに過ぎませんので,勝手に相手の家の中に入って手当たり次第もらってくるなんてこともできませんし,強制執行手続を行うに際しても裁判所が財産を探してきてくれる訳ではなく,こちらで不動産や銀行預金口座,勤務先などを特定して手続を進めなければなりません

 

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とすると,債権回収手続を始めるに当たって,法的に勝てるかどうかということと同じくらい,請求する相手方(以下,「債務者」と言います。)に「強制執行手続を使って回収できるような財産がどこにあるのか」ということを事前に把握しておくことは極めて重要な事項となります。

 

とはいえ,昔からの知人等であれば,勤務先などは知っているかもしれませんが,それでもメインバンクがどこだとか,自宅以外に不動産を持っているだとかはなかなか知らないですよね。

そんな場合に,債務者が明らかに賃貸アパートなどに住んでいるということであればあまり意味はありませんが,そうでなければ債務者の自宅,会社であれば会社の本店所在地の不動産登記事項証明書(以下,「登記簿謄本」と言います。)を取得すると結構いろいろな情報が得られることがありますので,今回は登記簿から読み取れる債権回収に使える情報について記載したいと思います。

登記簿謄本は,住民票や戸籍と異なり,手数料さえ支払えば誰でも自由に取得することができます

 

 

不動産の登記簿の構成

登記簿は,大きく分けて「表題部」,「甲区」,「乙区」の3つに分かれています。表題部は,その不動産の物理的現況を表示するもので,所在地や構造,床面積など,物理的な事項の部分であり,あまり債権回収とは関係ありません。残る甲区と乙区の記載事項が重要です。

下の画像は,民亊法務協会が運営する「登記情報提供サービス」の登記簿謄本のサンプル画像です。

 

キャプチャ

(1)甲区

甲区欄には,その不動産の所有権に関する事項が書いてあります。端的に言えば,現在のその不動産の所有者は誰か,ということです。上記の登記簿謄本だと「法務太郎」さんが所有者です。

 

①債務者名義になっている場合

ここに債務者の氏名が書いてあれば,債務者が所有者ということになりますので,強制執行で差し押さえられる可能性が出てきます。また,別の債権者がその不動産が差し押さえている場合は,甲区欄に差し押さえの登記が入りますので,もし,すでに差押えの登記が入ってしまっているのであれば現時点で相当に資金繰りが悪いことが伺えます。

このような単有(単独所有)の場合もありますが,共有(複数名で共同所有)になっていることも結構あります。よくあるのが夫婦の共有ですが,親との共有になっていることもあります。この場合,差し押さえができるのは,あくまで債務者の持分のみとなり,不動産のすべてを差し押さえることはできませんので不動産の全体を強制的に売却することができず,債務者の持分しか売却できません。例えば,債務者が自身の親と1/2ずつ共有しているのであれば,その債務者の持分の1/2しか差し押さえることはできませんし,1/2しか売却できないということです。ただ,それはそれでも構わないと思います。というのは,ケースバイケースではありますが,債務者ではない他の共有者(上記の例だと親)は,ご自身は債務者の債務を支払う義務はないですけど,このまま放っておかれたら債務者の持分が強制的に売却され,赤の他人と共有状態になってしまう可能性が出てきますので,それを避けるために債務者側から支払いを持ちかけられることがあるからです。

間違っても債務者でも保証人でもない親などに請求してはいけません。請求の態様によっては,請求する行為が恐喝になってしまうこともあります。

 

さらに,甲区欄のうち「登記原因」のところも結構大事です。例えば,「平成○年○月○日相続」という原因で登記されていれば,親などが亡くなって不動産を相続したことがわかります。もし,債務者の親の住所などをご存知であれば,その住所の不動産も相続で取得しており差し押さえることができるかもしれません。

また,登記原因が「財産分与」になっていれば離婚していることがわかります。離婚それ自体が債権回収の成否に直接結びつくわけではありませんが,家族がいるほうが家を強制的に売却されることに抵抗がありますので,離婚していると回収にとっては少なくとも有利にはならないと思います。

 

②他人名義の場合

債務者名義の不動産ではなくても差し押さえができることがありますし,差し押さえができなくても別の情報が得られる場合があります。

例えば,債務者にお金を貸し,その債務者は財産は無いが親が不動産を持っていたとします。さらに,その親が亡くなっているものの,不動産の名義は親名義のままである場合,こちらで債務者名義(他の相続人がいれば,他の相続人と債務者の共有名義)に変えたうえで差し押さえることができます。この「債務者名義に変える」ということについて,債務者側の承諾は一切必要ありません代位による相続登記)。

直接債権回収とは関係ありませんが,代位による相続登記の場合は,権利証(登記識別情報)が発行されないので,権利証が無い状態となり所有者側としても結構面倒なことになります。司法書士的には,代位による相続登記をされてしまう前に支払ってほしいところです。

また,土地は第三者名義で建物が債務者名義になっている場合,建物を差し押さえることができるのは当然ですが,土地が第三者ということは恐らく借地であり,債務者は地主さんに対して保証金(敷金)を支払っている可能性があります。建物の建築時期によってはすぐに回収できないかもしれませんが,保証金を差し押さえることも可能です。

 

(2)乙区

乙区には所有権以外の権利に関する登記がなされ,一番多いのは(根)抵当権ですが,賃借権や地上権に加え,あまり聞きなれない地役権なんていうのも登記されていたりします。

不動産を購入される際に多くの方が住宅ローンを組まれて購入されると思いますが,その時にはほぼ必ず乙区に抵当権が設定されます。もし,抵当権が設定されていると,強制執行で売却したとしてもまず抵当権者が取得し,残金を強制執行の申立てをした人等が取得することになりますので,不動産を差し押さえるに当たっては,この「抵当権者がいくら先に持っていくのか」という点はかなり重要です。

例えば,上記の登記簿謄本を例にとると4000万円の抵当権が設定されていますので,不動産の価値が4000万円以下だと差し押さえても意味が無いように思えますが,抵当権の設定日付を確認しなければ最終的な判断はできません。上記の登記簿謄本だと平成20年の設定ですのであまり住宅ローンは減っていないかもしれませんが,もし,抵当権の設定年月日が平成2年だったとすると,すでに24年以上返済を続けているので,残っていたとしても半分程度でしょう。とすると,抵当権者が先に持っていくお金は4000万円ではなく2000万円程度ですので,残る2000万円程度の価値が見込めることになります。

もちろん,返済を滞納しており,多額の住宅ローンが残っている可能性もありますが,そのような場合は甲区欄に差し押さえの登記が入っている可能性が高いので,差し押さえの登記の有無である程度判断することも可能です。

 

また,抵当権関係だと,大企業にお勤めの方の場合,住宅ローンを勤務先が貸してくれることがあり,勤務先名義の抵当権が付いていることがあります。とすると,不動産を差し押さえるのではなく,給与の差し押さえも可能になってきます。

さらに,すでに住宅ローンを組まれている方はご存知かと思いますが,住宅ローンの引き落とし口座を給与の振込口座に設定すると,金利の優遇を受けられることがあります。

→ 三菱東京UFJ銀行

→ 三井住友銀行

→ みずほ銀行

とすると,抵当権を見ればどこの銀行から借りているのかはわかりますので,債務者の住所の近くにある住宅ローンの銀行の支店の口座を差し押さえることで回収できるかもしれません

 

さらにさらに,ご自身で商売をしている場合は,根抵当権が設定されていることがあります。これは,商売などで何度も銀行から融資を受ける場合に設定するものです。とすると,自宅以外の不動産を持っている場合に,その別の不動産も担保に入っていることがあります。この別の不動産の存在については,普通に登記簿謄本を請求しただけではわからないため,必ず「共同担保目録付」で登記簿謄本を請求する必要があります。もし,別の不動産も担保に入っている場合はこの共同担保目録を見ればわかります。

 

抵当権以外の登記だと,最近はなかなか見ませんが,賃借権設定登記が入っていることもあります(特に店舗などの事業用の借地権)。これにより,その不動産を貸していることがわかりますので,その賃借人が支払う賃料を差し押さえることもできそうです。

 

 

上記はすべて例に過ぎませんので,実際に登記簿を取れば解決するかというとそうではありません。しかし,登記簿は誰でも取得することができ,ネットであれば不動産1つ当たり337円というかなり低い費用で調査ができます。例え空振りに終わったとしても337円ですから,一度調べてみる価値はありますよね。

→ 登記情報提供サービス

ちなみに,ネットではなく書面としての登記簿謄本が欲しい場合は,お近くの法務局にて,1通あたり600円で取得することも可能です(どこの法務局でも全国各地の登記簿謄本が取得できます)。

→ 法務局

 

以上,登記簿から見る債権回収の調査でした。

 

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