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2024年4月

4月 16 2024

株式会社の代表取締役の住所が分からなくなるかも

会社の代表者等の住所は、いわゆる会社の謄本(登記事項証明書)を見れば誰でも知ることができ、プライバシーの観点から問題があるとの声がありました。一方で、会社が機能していない場合に代表取締役の住所が分からないと責任追及をすることができず、住所を表示したままにした方が良いのか、非表示にした方が良いのかでせめぎあいがなされておりました。本日、法務省令において登記事項証明書などに記載されている代表取締役の住所について一部非表示とすることが令和6年10月1日から可能となりました。

→ 代表取締役等住所非表示措置について(法務省サイト)

 

これにより、会社の代表者の住所を容易に調べられなくなる可能性が出てきましたので債権回収においても影響があることから、この点についてまとめます。

 

 

1 対象となる法人及び肩書について

すべての法人が対象となっているのではなく、株式会社(特例有限会社を含む)に限定されております。最近増えてきている合同会社や一般社団法人などは対象外となっております。

また、住所が非表示となる方の肩書は代表取締役に限定されるものではなく、住所が登記されている代表執行役、清算人なども対象となります。

 

2 非表示の対象となる個人情報

上記代表取締役等の住所のうち、市区町村より後の部分に限り非表示となります。したがいまして、「愛知県長久手市」まで、「東京都新宿区」まで、というように住所の一部は今後も必ず表示されます

また、氏名は非表示の対象とはなっていません

 

3 非表示とする場合

会社の設立や役員変更の登記申請と併せて必要書類を提出することでその時に申請する代表者等の住所を非表示とすることができます(過去の代表取締役の住所等は非表示にはなりません。)。また、特に役員変更などの登記申請はなく、非表示の申請だけをするということはできません

非表示とする場合には、通常の登記申請に必要な書類に加えて下記の書類が追加で必要になります。

①登記されている会社の本店宛に郵便物が到着することを証明する郵便局の配達証明書等

②代表者の住所及び氏名が分かる住民票等の公的書類

③実質的支配者(会社の株主等)が分かる書類

なお、上場会社の場合は、上場されていることが分かる書類があれば上記①~③の書類は不要です。

 

4 非表示となった場合の措置

法務局で取得できる登記事項証明書や登記事項要約書、インターネットで取得できる登記情報において、代表者の住所が一部非表示となったものが交付等されます。

ここで重要なのが、あくまで各種証明書の交付等の際に非表示になっているだけで、登記申請をする際には番地等の正確な住所が分かる公的書類を提出したうえで正確な住所を記載して申請し、法務局に備え付けられている登記簿には番地までの正確な住所が登記されています。さらに、非表示とした後に証明書を取得する際に住所有りや住所無しの証明書を選択できるのではなく、常に住所が一部非表示となった証明書が発行されることになります。

法務省のサイトでの注意書きにも記載がありましたが、金融機関で融資を受ける際には代表者の住所が入っていないと代表者が誰であるかの確認ができませんので融資を受けることが難しくなることが予想されます。その他の手続においても、登記事項証明書及び印鑑証明書だけでは会社の代表者であることを厳密に証明することができなくなりますので、追加の書類が必要になることが予想されます。

 

5 会社の代表者の住所を知りたい場合

債権回収としてはむしろここからが本題となります。

これまでは登記情報を取得することで代表者の住所を知ることができましたが、10月以降は容易に調べられない可能性があります。このような事態に備えて、下記のとおり住所を知る方法がいくつかあります。

①会社の本店に会社が実在しないことを証明し、非表示措置を終了させる。

→上記のとおり、登記簿そのものには正確な住所が登記されているため、非表示措置が終了すれば普通に登記事項証明書等を取得することで住所を確認することができます。なお、本店に会社が実在しないことの証明はどの程度のレベルまで必要なのかは現時点では不明です。単に宛先不明で郵便が返ってくればそれで良いのか、現地調査をして電気メーターなどまで確認する必要があるかなど、これらの点は今後の通達で明らかになる予定です。

②登記申請書類を閲覧する。

→上記3②に記載のとおり、非表示措置をする際には必ず住民票等の住所及び氏名が分かる書類を法務局に申請しているため、法務局に保管されている住民票等の書類を閲覧することで正確な住所を確認することができます。ただし、申請書類については正当な理由がなければ閲覧できないため、まったく無関係な人が閲覧することはできません。加えて、登記事項証明書等は全国どこの法務局でも取得できましたし、登記情報であればインターネット環境があればどこでも確認ができましたが、会社の管轄法務局まで行かなければ申請書類の閲覧できませんので遠方の会社の場合はかなりの費用と時間がかかることになります。

 

6 今後について

住所を非表示にできることは今後周知されていきますが、実際には住所を非表示にすることを知らない会社が大多数であろうと思われること、また、上記のとおり登記申請の予定が無い場合に単独で住所の非表示の申請をすることができないため、実際に非表示の会社が相手方になるということは少ないと思われます。ただ、もしそのような会社が相手方になった場合で、会社に書類が届かないとなるとかなりの苦労を強いられるように思われます。


4月 15 2024

【司法書士の債権回収最前線】目次

当ブログ「司法書士の債権回収最前線」の記事一覧表です。

 

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【全手続共通】

法的手続あれこれ(平成25年7月30日)

一番回収できる方法は(平成25年8月21日)

想いよ届け!【書類の送達】(平成25年8月29日)

まずは催告!(平成25年9月6日)

強制執行後の手続(平成25年9月11日)

書類作成のみのご依頼もお受けしております!(平成25年12月17日)

直接お会いすることも大事(平成26年1月10日)

移送申立てという名の時間稼ぎ(平成26年1月17日)

相手に求めることのできる必要経費(平成26年1月21日)

公示送達の訴訟(平成26年2月14日)

内容証明郵便のウソ・ホント(平成26年4月2日)

妻の借金は夫が,夫の借金は妻が支払わなければならないこともある。(平成26年6月20日)

飲み屋のツケ,1年逃げればチャラです→5年にします(平成26年7月4日)

会社が知らないうちに無くなっているかもしれません(平成26年7月23日)

債権回収に関するよくあるご質問(平成26年10月7日)

探偵さんが債権回収詐欺をして逮捕(平成26年10月28日)

登記簿から見る債権回収の調査(平成26年12月5日)

時効の期間が経過した分も絶対に回収できないわけではありません。(平成26年12月17日)

支払の担保となるもの(平成27年3月26日)

子どもの行為が原因となって怪我をした場合の損害賠償請求(平成27年4月9日)

極めて少額な債権回収について(平成27年5月8日)

過料の制裁(平成27年7月17日)

訴訟における住所及び氏名(平成27年9月2日)

第三者の住民票等を取得する(平成27年12月25日)

支払督促で異議が出なかった場合(平成28年2月5日)

期間の計算方法(平成28年3月11日)

養育費不払い,口座を裁判所が特定(平成28年6月6日)

法律上または事実上回収できないケース(平成28年7月8日)

訴訟提起後の対応(平成29年3月3日)

民法改正による債権回収への影響(平成29年4月14日)

動産執行って効果ある?(平成29年6月19日)

訴え提起前の和解(即決和解)について(平成29年6月22日)

少額訴訟債権執行手続をやってみました。(平成29年7月11日)

書類が届かない場合の法的効果や対処など(平成30年1月16日)

差押えが禁止される財産(平成30年3月4日)

付郵便送達と公示送達(平成30年4月25日)

二段の推定(平成30年7月25日)

公示送達が無効に!(平成30年8月8日)

主文に記載されている「訴訟費用」,「仮執行宣言」とは?(平成30年9月4日)

【毎年恒例】会社が知らないうちに無くなっているかもしれません(平成30年10月11日)

給与の差し押さえでもなかなかうまくいかないケース(平成30年10月15日)

欠席判決=勝訴ではない(平成30年10月24日)

分割弁済の完走(平成31年1月8日)

離婚に伴う慰謝料請求(最高裁判決)(平成31年2月19日)

差押の競合(平成31年4月4日)

ハンコについてあれこれ(令和元年5月29日)

少額訴訟について(令和元年8月10日

相手方からの質問(令和元年10月21日)

回収が大変な「売掛金」と「未払い賃料」(令和元年12月26日)

消滅時効に関する改正(令和2年1月16日)

結論としては和解の方が良い(令和2年3月4日)

令和2年4月1日の民法改正について(令和2年4月1日)

強制執行をしても回収できない場合(令和2年7月11日)

財産開示手続の実効性が向上するかも(令和2年10月21日)

複数の債権がある場合に一部弁済があった場合の時効更新(令和2年12月19日)

不動産の強制競売について(令和3年1月4日)

付郵便送達や公示送達における調査(令和3年1月21日)

専門家への報酬を相手方に請求したい(最高裁判決)(令和3年2月3日)

あまり苦労せずに回収できたケース(令和4年7月8日)

財産開示拒否、起訴相当(令和4年8月19日)

不動産以外の担保で保全する(①自動車抵当)(令和4年11月21日)

不動産以外の担保で保全する(②債権譲渡登記)(令和5年1月10日)

株式会社の代表取締役の住所が分からなくなるかも(令和6年4月16日)

 

【個人間トラブル】

保証人になって代わりに返済した場合(平成25年7月22日)

貸金回収のハードル(平成25年8月2日)

住所を特定するも反応なし(平成25年8月6日)

送達できず!(平成25年9月13日)

付郵便の上申書で解決(平成25年9月20日)

借金と詐欺(平成25年9月27日)

財産開示手続実施決定!(平成25年10月2日)

相手が来なければ,まず間違いなく勝訴(平成25年10月18日)

相手方不出頭の判決は味気ない(平成25年11月6日)

何はともあれ原資の確保(平成25年11月14日)

貸したことがわかれば何でもよい(平成25年12月12日)

期限の利益喪失条項(平成26年2月7日)

再び財産開示手続をやってみる(平成26年3月12日)

お金を貸す際の金利の上限(平成26年5月20日)

風俗業界の方への貸金請求(平成27年2月19日)

完璧な借用書(平成27年9月14日)

貸金回収の実例(前編)(平成27年11月6日)

貸金回収の実例(後編)(平成27年11月16日)

貸金請求で良くあるご質問(平成27年11月20日)

時効についての注意点(平成28年10月11日)

男女間の交際に関連する費用の請求(平成28年12月12日)

200円の損害賠償請求(平成28年12月16日)

夜のお仕事の方からの回収(平成30年1月22日)

風俗店勤務の方からの回収(令和2年4月7日)

風俗店勤務の方からの回収②(令和2年9月17日)

勤務先の同僚への請求(令和3年6月3日)

相手が偽名だったケースで全額回収(令和3年8月6日)

SNSの情報から給与を差し押さえて全額回収(令和3年10月22日)

お金を貸すときにやっていただきたいことベスト3(令和4年6月28日)

当事務所の報酬等も含めて全額回収できた事案(令和5年1月4日)

 

【売掛金回収】

東京中央銀行の差押え【半沢直樹】(平成25年8月8日)

140万円超の売掛金請求事件(平成25年10月24日)

売掛金回収の事例(平成28年5月2日)

売掛金の回収事例(平成28年12月14日)

勤務先に立て替えたお金の回収(平成30年2月28日)

施設の利用料等に関する債権回収(令和5年7月14日)

 

【家賃滞納】

家賃の滞納があってもすぐに「出ていけ!」とは言えません(平成25年11月1日)

契約違反による賃貸借契約の解除①(平成25年11月29日)

契約違反による賃貸借契約の解除②(平成25年12月3日)

任意の立ち退きと強制執行(平成26年3月28日)

退去に関するゴミ等の処分費用(平成26年9月2日)

未払い賃料回収のケース(平成27年3月18日)

賃料未払いの場合の解除の基準(平成27年6月16日)

勝手な明渡の強制執行は犯罪・不法行為となります(平成28年4月13日)

建物明渡の強制執行(平成28年5月9日)

明け渡し催告と動産執行(平成28年7月5日)

建物明渡しの実例(平成28年8月4日)

1年がかりの土地建物明渡(平成28年11月29日)

定期建物賃貸借契約(平成29年5月9日)

断行前の明渡し(平成29年11月22日)

楽待(不動産投資新聞)さんからの建物明渡に関する取材(平成30年3月12日)

建物明渡に関する和解で必ず入れておくべき条項(平成30年5月23日)

相続人に対する明渡及び賃料請求(平成30年6月4日)

賃貸借契約における保証人に関する改正(令和元年9月18日)

駐車場代の滞納で不動産を失う…(令和3年5月27日)

未払い賃料を保証人から全額回収。でも今後は注意。(令和3年9月18日)

建物明渡しの実例(断行まで進むも不在で終了)(令和4年1月4日)

断行直前まで行って和解したケース(令和4年3月7日)

家賃を滞納した場合に自動的に明渡したことになる条項の有効性(最高裁判決)(令和4年12月12日)

 

【管理費滞納】

管理費の滞納は早期対応が大原則!(平成25年7月25日)

管理費滞納の請求実例①(平成25年7月26日)

管理費滞納の請求実例②(平成25年7月29日)

滞納管理費回収の実例(平成28年5月10日)

 

【診療報酬】

診療報酬の回収について(平成26年4月9日)

 

【事務所からのお知らせ】

ホームページを公開しました(平成25年7月18日)

よくあるご質問(平成25年10月11日)

免許(資格)更新がないことの代償(平成25年11月18日)

140万円超の債権回収のご相談(平成26年4月15日)

私自身が巻き込まれた中古車トラブル(平成26年11月25日)

140万円超の請求に関する内容証明郵便の送付及び訴状等の作成について(平成27年1月5日)

事務所までの経路(公共交通機関編)

事務所までの経路(自動車編)

大槌町及び南三陸町に行ってまいりました。(平成27年9月8日)

ご相談に関する注意点(平成27年10月20日)

マイナンバーを絡めた詐欺的メール(平成28年1月18日)

弁護士さんとの違い(平成28年4月4日)

私自身が原告になった話(平成30年12月7日)

ご相談について(新型コロナウイルス感染症対策等)(令和2年4月24日)

報酬体系について(令和4年4月27日)

ご相談ができない、または難しい場合について(令和4年10月28日)

ご相談に関する注意点(改訂版)(令和5年9月1日)

ご相談いただいてご依頼いただく割合(令和6年2月20日)

住民票や戸籍謄本等の取得について(令和6年4月11日)


4月 12 2024

住民票や戸籍謄本等の取得について

私ども司法書士を含めたいわゆる「士業」と呼ばれる職業には、第三者の住民票の写しや戸籍謄本等の各種証明書を当該対象者の同意等を得ることなく取得することができます。この点について、誤解されているケースがあり、何度かご質問いただいたことがあるためここでまとめておきたいと思います。

 

1 根拠規定と取得できる士業

住民票と戸籍では根拠となる法律が異なり、住民票の写しについては住民基本台帳法第12条の3第2項及び第3項に、戸籍謄本等については戸籍法第10条の2第3項等にその旨の規定があります。

住民基本台帳法では、いわゆる士業については「特定事務受任者」と呼ばれており、具体的には、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、行政書士(いずれも法人を含む)となります。他にも士業と呼ばれる職業として、公認会計士や不動産鑑定士、中小企業診断士などがありますが、これらの職業については特定事務受任者には入っておりません。

戸籍法では特定事務受任者ではなく、個々の職業毎に明示されておりますが、住民票の特定事務受任者と同じ職業となります。

 

2 取得できる場合

私どもが住民票の写しや戸籍謄本等を取得するためには、専用の請求書である「職務上請求書」という書類に必要事項を記載して役所に請求する必要がありますが、職務上請求書に記載すれば何でも取得できるというものではなく、各士業において業務のご依頼をお受けしており、その業務の遂行に必要な場合にのみ請求できるに過ぎません

私ども司法書士だと、不動産や会社等の登記手続のご依頼をお受けしており、住所の変遷や氏名の変更の証明として住民票の写しや戸籍謄本等を取得することがあります。また、債権回収のご依頼をお受けしており、債務者の現住所の調査のために住民票の写しを取得したり、債務者が亡くなっていてその相続人に請求するために戸籍謄本等を取得するという事もあります。

このように職務上請求書を使用して住民票等を請求するのは、何らかのご依頼をいただいてそのご依頼のために必要な場合に限りますので、住民票の写しや戸籍謄本等の取得のみのご依頼をお受けすることはできないことになっております。

件数として多い訳ではございませんが、住民票の写しや戸籍謄本の請求だけをお願いしたいというお問い合わせをいただくことがあるため、念のためまとめさせていただきました。


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