愛知・名古屋・岐阜・三重の方の債権回収・未払い家賃・売掛金・立ち退きに関するご相談ならはなみずき司法書士事務所

お問い合わせ

お気軽にご相談ください。(相談無料)電話番号0561-61-1514 ファックス番号0561-61-1535

トップページ » ブログ

ブログ

9月 18 2019

賃貸借契約における保証人に関する改正

先日,平成28年から建物明渡及び賃料請求の手続を進めていた件について,無事全額回収して終了いたしました。

 

 

この判決文に記載のある「被告ら」となっているのは,賃借人と保証人の双方を含んだ表現であり,約92万円を支払う内容になっていますが,実際には遅延損害金なども含めて保証人から150万円近く回収しております。

このように,現状では賃貸借契約についての保証人となってしまうと,契約から生じる様々な債務について際限なく負担しなければならないことになっております。大家さんとしてはその方が回収可能性が高まるので良いのですが,実はこのような保証契約に関して法律の改正が予定されております。

今日はこの点について,まとめたいと思います。

 

現在の規定

 

現在の保証に関する条文は,以下のとおりとなっております(一部抜粋)。

 

【民法446条】

保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。
保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない

【民法447条】

保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。
保証人は、その保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定することができる。

 

つまり,保証契約は書面でする必要があり,利息や違約金,損害賠償債務なども丸っと負担することになっています。

 

したがって,上記の判決にあるように,滞納している家賃に加えて,明渡しまでに発生する賃料相当損害金についても保証人についての支払い命令が出ています。こうすることで,例え賃借人が逃げてしまっても保証人から回収する道が残されています。もちろん,保証人にも逃げられてしまった場合には,なかなか回収は難しくなります。

 

改正の内容

 

実は民法の改正は近時たくさん行われており,つい先日も相続に関する改正がなされたばかりです。

→ 令和元年7月1日からの相続法改正の施行について

 

そして,今回は債権法と呼ばれる分野の改正法が令和2年4月1日から施行されることになっております。この改正法は保証だけでなく,瑕疵担保責任から契約不適合責任などたくさん改正があるのですが,今回は賃貸借契約に関する保証の部分だけ記載いたします。

 

1 上限の定めのない根保証契約は無効!

根保証とは,一定の取引から生じるすべての債務について保証するというものです。一番分かりやすいのは上記のとおり賃貸借契約から生じる保証契約であり,滞納した賃料だけではなく,建物の原状回復費用や損害賠償債務なども保証することになるので,保証人としては保証契約をした時点ではどれくらいの金額を保証しているのか確定しません

 

一方,例えば住宅ローンの保証人となった場合,最大でも借りた金額+利息等となりますので,ある程度保証する金額が確定します。このような通常の保証契約は今回の改正の対象には含まれておりません。

 

これまでと同様に,上限金額を決めないで根保証契約をした場合には根保証契約自体が無効になります。つまり,保証人が存在しない状態になるということになりますので大問題です。

 

ということで,根保証契約を締結する場合は,具体的な上限金額を決めなければなりません。

例えば,「100万円を限度に保証する。」,「月額家賃の10か月分(総額100万円)を限度に保証する。」などと定める必要があります。なお,法律上上限額に関して定めはありませんが,仮に「月額家賃の1万年分」などと定めてしまうと,事実上上限がないので無効になってしまう可能性があります。当然ながら裁判例などはありませんので具体的な金額は難しいのですが,最大でも月額家賃の2~3年分程度くらいにしておいた方が良いかと思います。

 

2 上限を超えた場合は保証が及ばない

当たり前の規定となりますが,極度額を超える金額については保証人に請求することはできません。上記の例で言うと,仮に120万円の滞納家賃があったとしても,20万円については保証人に請求できないということになります。

 

3 特別な事情による保証契約の終了

現行法においては,保証人が死亡した場合,保証人の相続人が保証債務を相続することになります。本件とは直接関係ありませんが,過去に当事務所では,ご自身は一度も借金をしたこともないし,誰かの保証人にもなったことがないのに自己破産の手続を進めたことがあります。これは,ご自身の父親が保証人になっており,その父親が亡くなったことから,保証債務を相続したことによるものです。

 

話を戻し,このように「保証人の死亡」というものは保証契約の終了事由にはなっておりませんし,金額を確定する事由にもなっておりません。

しかし改正法においては,保証人が死亡した場合,保証債務を相続することは変わりがないものの,保証する金額が死亡時点で確定することになっています

例えば,保証人が死亡した時に,賃借人に3か月分の家賃の滞納があった場合は,保証人の相続人は3か月分の滞納家賃は支払う必要がありますが,それ以降の分については支払う義務がありません。

 

また,上記については,保証人の死亡のみならず賃借人の死亡にも該当します。つまり,賃借人が死亡した時に3か月分の滞納があった場合,それ以降の家賃については保証人は支払い義務を負いません。なお,勘違いしそうになりますが,賃借人が死亡した場合,賃借人の相続人が賃借権を相続することになりますので,原則として賃貸借契約はそのまま継続することになります。もっとも,上記のとおり,保証契約は賃借人の死亡時点で保証額が確定することになりますので,別途保証人の追加を求められることになると思われます。

 

4 賃借人の情報提供義務

事業用(店舗や事務所等)の賃貸借契約に限定されますが,賃借人は保証人に対して財産の状況や他の債務の有無などについて情報提供する義務があります。

もし,正確な情報提供をせずに保証人が保証契約を締結した場合は,保証契約を取り消される可能性があります。したがって,大家さんとしては,保証契約書の中に,「債務者が保証人に対して適切な情報提供を行い,保証人は当該情報提供に納得した上で保証契約を締結した」というような文言を入れておくべきだと思います。

なお,保証人が会社(例えば,家賃保証会社など)の場合には適用されません

 

5 経過措置

上記の改正法は,施行日(令和2年4月1日)時点で有効な契約については,従前のままとなります。したがって,現在契約中のものについて契約書を作り直す必要はありません。しかし,一般的には契約は数年に一度更新の時期を向かえますので,その時に上記のような改正法を踏まえた契約書に変更しておかないと,保証契約が無効になるなど大変なことになってしまう恐れがありますので注意が必要です。

 

 【司法書士の債権回収最前線】目次はこちら


8月 29 2019

【司法書士の債権回収最前線】目次

当ブログ「司法書士の債権回収最前線」の記事一覧表です。

 

tabi_matome

 

【全手続共通】

法的手続あれこれ(平成25年7月30日)

一番回収できる方法は(平成25年8月21日)

想いよ届け!【書類の送達】(平成25年8月29日)

まずは催告!(平成25年9月6日)

強制執行後の手続(平成25年9月11日)

書類作成のみのご依頼もお受けしております!(平成25年12月17日)

直接お会いすることも大事(平成26年1月10日)

移送申立てという名の時間稼ぎ(平成26年1月17日)

相手に求めることのできる必要経費(平成26年1月21日)

公示送達の訴訟(平成26年2月14日)

内容証明郵便のウソ・ホント(平成26年4月2日)

妻の借金は夫が,夫の借金は妻が支払わなければならないこともある。(平成26年6月20日)

飲み屋のツケ,1年逃げればチャラです→5年にします(平成26年7月4日)

会社が知らないうちに無くなっているかもしれません(平成26年7月23日)

債権回収に関するよくあるご質問(平成26年10月7日)

探偵さんが債権回収詐欺をして逮捕(平成26年10月28日)

登記簿から見る債権回収の調査(平成26年12月5日)

時効の期間が経過した分も絶対に回収できないわけではありません。(平成26年12月17日)

支払の担保となるもの(平成27年3月26日)

子どもの行為が原因となって怪我をした場合の損害賠償請求(平成27年4月9日)

極めて少額な債権回収について(平成27年5月8日)

過料の制裁(平成27年7月17日)

訴訟における住所及び氏名(平成27年9月2日)

第三者の住民票等を取得する(平成27年12月25日)

支払督促で異議が出なかった場合(平成28年2月5日)

期間の計算方法(平成28年3月11日)

養育費不払い,口座を裁判所が特定(平成28年6月6日)

法律上または事実上回収できないケース(平成28年7月8日)

訴訟提起後の対応(平成29年3月3日)

民法改正による債権回収への影響(平成29年4月14日)

動産執行って効果ある?(平成29年6月19日)

訴え提起前の和解(即決和解)について(平成29年6月22日)

少額訴訟債権執行手続をやってみました。(平成29年7月11日)

書類が届かない場合の法的効果や対処など(平成30年1月16日)

差押えが禁止される財産(平成30年3月4日)

付郵便送達と公示送達(平成30年4月25日)

二段の推定(平成30年7月25日)

公示送達が無効に!(平成30年8月8日)

主文に記載されている「訴訟費用」,「仮執行宣言」とは?(平成30年9月4日)

【毎年恒例】会社が知らないうちに無くなっているかもしれません(平成30年10月11日)

給与の差し押さえでもなかなかうまくいかないケース(平成30年10月15日)

欠席判決=勝訴ではない(平成30年10月24日)

分割弁済の完走(平成31年1月8日)

離婚に伴う慰謝料請求(最高裁判決)(平成31年2月19日)

差押の競合(平成31年4月4日)

ハンコについてあれこれ(令和元年5月29日)

少額訴訟について(令和元年8月10日

 

【個人間トラブル】

保証人になって代わりに返済した場合(平成25年7月22日)

貸金回収のハードル(平成25年8月2日)

住所を特定するも反応なし(平成25年8月6日)

送達できず!(平成25年9月13日)

付郵便の上申書で解決(平成25年9月20日)

借金と詐欺(平成25年9月27日)

財産開示手続実施決定!(平成25年10月2日)

相手が来なければ,まず間違いなく勝訴(平成25年10月18日)

相手方不出頭の判決は味気ない(平成25年11月6日)

何はともあれ原資の確保(平成25年11月14日)

貸したことがわかれば何でもよい(平成25年12月12日)

期限の利益喪失条項(平成26年2月7日)

再び財産開示手続をやってみる(平成26年3月12日)

お金を貸す際の金利の上限(平成26年5月20日)

風俗業界の方への貸金請求(平成27年2月19日)

完璧な借用書(平成27年9月14日)

貸金回収の実例(前編)(平成27年11月6日)

貸金回収の実例(後編)(平成27年11月16日)

貸金請求で良くあるご質問(平成27年11月20日)

時効についての注意点(平成28年10月11日)

男女間の交際に関連する費用の請求(平成28年12月12日)

200円の損害賠償請求(平成28年12月16日)

夜のお仕事の方からの回収(平成30年1月22日)

 

 

【売掛金回収】

東京中央銀行の差押え【半沢直樹】(平成25年8月8日)

140万円超の売掛金請求事件(平成25年10月24日)

売掛金回収の事例(平成28年5月2日)

売掛金の回収事例(平成28年12月14日)

勤務先に立て替えたお金の回収(平成30年2月28日)

 

【家賃滞納】

家賃の滞納があってもすぐに「出ていけ!」とは言えません(平成25年11月1日)

契約違反による賃貸借契約の解除①(平成25年11月29日)

契約違反による賃貸借契約の解除②(平成25年12月3日)

任意の立ち退きと強制執行(平成26年3月28日)

退去に関するゴミ等の処分費用(平成26年9月2日)

未払い賃料回収のケース(平成27年3月18日)

賃料未払いの場合の解除の基準(平成27年6月16日)

勝手な明渡の強制執行は犯罪・不法行為となります(平成28年4月13日)

建物明渡の強制執行(平成28年5月9日)

明け渡し催告と動産執行(平成28年7月5日)

建物明渡しの実例(平成28年8月4日)

1年がかりの土地建物明渡(平成28年11月29日)

定期建物賃貸借契約(平成29年5月9日)

断行前の明渡し(平成29年11月22日)

楽待(不動産投資新聞)さんからの建物明渡に関する取材(平成30年3月12日)

建物明渡に関する和解で必ず入れておくべき条項(平成30年5月23日)

相続人に対する明渡及び賃料請求(平成30年6月4日)

賃貸借契約における保証人に関する改正(令和元年9月18日)

 

【管理費滞納】

管理費の滞納は早期対応が大原則!(平成25年7月25日)

管理費滞納の請求実例①(平成25年7月26日)

管理費滞納の請求実例②(平成25年7月29日)

滞納管理費回収の実例(平成28年5月10日)

 

【診療報酬】

診療報酬の回収について(平成26年4月9日)

 

【事務所からのお知らせ】

ホームページを公開しました(平成25年7月18日)

よくあるご質問(平成25年10月11日)

免許(資格)更新がないことの代償(平成25年11月18日)

140万円超の債権回収のご相談(平成26年4月15日)

私自身が巻き込まれた中古車トラブル(平成26年11月25日)

140万円超の請求に関する内容証明郵便の送付及び訴状等の作成について(平成27年1月5日)

事務所までの経路(公共交通機関編)

事務所までの経路(自動車編)

大槌町及び南三陸町に行ってまいりました。(平成27年9月8日)

ご相談に関する注意点(平成27年10月20日)

マイナンバーを絡めた詐欺的メール(平成28年1月18日)

弁護士さんとの違い(平成28年4月4日)

私自身が原告になった話(平成30年12月7日)


8月 10 2019

少額訴訟について

数年前までは少額訴訟は,デメリットの方が大きいと思っており,少額訴訟が使える事件でも通常の訴訟で進めていたのですが,最近は少額訴訟を選ぶことも多くなってきました。

ということで,今回は少額訴訟についてまとめてみたいと思います。

auction_hammer

 

少額訴訟とは

 

少額訴訟については民事訴訟法366条以下に規定されており,簡易裁判所の訴訟手続における特則となります。少額訴訟を提起するためには,次の2つの条件を満たしている必要があります。

 

(1)60万円以下の金銭請求であること

金銭請求でなければなりませんので,一番分かりやすいのは貸金請求になるかと思いますし,未払い賃料の請求や請負代金の請求なども金銭請求になります。しかし,賃料の未払いに基づいて明渡を求めることはできませんし,物の引き渡し(例えば「車を引き渡せ」)などは通常の訴訟にて行う必要があります。

 

(2)同じ裁判所では1年に10回まで

個人が利用することを想定した手続であるため,1年間に10回までしか少額訴訟はできません。もっとも,1年に10回以上行うのはサラ金等の貸金業者くらいかと思いますので,個人の方にはあまり関係がありません。また,あくまで同じ裁判所での上限が10回というだけですので,別の裁判所に管轄があるのであれば,10回以上少額訴訟を提起することは可能です。

 

少額訴訟の特徴(メリットやデメリットも含む)

少額訴訟を選ぶに際してメリットやデメリットがありますし,また少額訴訟特有のものもありますので,この点についてまとめてみます。

ピンク色がどちらかというと原告にとってメリットであり,紫色がどちらかというと原告にとってデメリットになり,黒のままなのはどちらでもないものになります。

 

①1期日審理の原則

裁判と聞くと,場合によっては何年もかかるイメージがあるかと思いますが,少額訴訟は1回の期日で終わりますのでかなり迅速に進みます。ただし,1回の審理で終わってしまうということは,あとで証拠を追加するということもできませんので,しっかり準備をしたうえで訴訟を提起することになります。

 

②反訴の提起ができない

これは被告側の立場になりますが,通常の訴訟の場合,訴えられた場合に訴えし返すという反訴が認められています。例えば,交通事故で治療費などの請求を受けた場合に,逆にこっちが支払ってほしいということで反訴をするというようなケースがあります。少額訴訟ではこのような反訴が認められていません。ただ,少額訴訟の手続上反訴が認められていないだけで,通常の訴訟手続で請求することは可能です。

 

③通常訴訟への移行されることがある

被告は特に理由なく,少額訴訟ではなく通常訴訟で審理すべき旨を求めることができ,その場合は必ず通常訴訟に移行します。

 

④公示送達はできない

相手が行方不明でも訴訟を行うことができ,その場合は公示送達という裁判所の掲示板に呼び出し場を貼る方法で相手方に通知をします(事実上,相手が知ることはありません。)。しかしながら,少額訴訟に関しては公示送達が認められておらず,相手が行方不明の場合は少額訴訟は選択できません。

 

⑤勝手に分割弁済にされることがある

通常の訴訟において,和解が成立しなければ一括で支払えという判決が出されますが,少額訴訟の場合は相手方の経済事情などを考慮して分割によって支払っても良い,もしくは遅延損害金は免除するというような,完全に原告が勝訴するような事案でも被告に有利な判決が出されることがあります。この判決には不服を申し立てることができません。

 

⑥控訴ができない

通常の訴訟においては,判決に不服があるときは,上級の裁判所に対して控訴することができます。しかし,少額訴訟は控訴ができないことになっており,異議の申し立てのみ認められています。異議の申し立ては,上級の裁判所ではない,判決をした当該裁判所に出すものであり,同じ裁判所が審理をします。ただし,異議後の判決についても控訴は認められておりません。

 

⑦必ず仮執行宣言が付く

強制執行をするためには判決後に判決が確定しなければなりませんが,例外的に仮執行宣言が付いている場合は判決後すぐに強制執行ができます。通常の訴訟でも仮執行宣言が付くことが多いのですが絶対ではありません。それが少額訴訟の場合は必ず仮執行宣言が付くので,迅速に強制執行に進むことができます。

 

⑧少額訴訟債権執行制度が利用できる

通常の訴訟の場合,強制執行は地方裁判所の管轄となりますが,少額訴訟債権執行については判決をした裁判所がそのまま強制執行の手続ができます。もっとも,手続の時間が早くなるかというとそれほど変わらないように思いますし,費用も特に変わりませんので,そこまでメリットがあるかというと微妙です。司法書士の立場としては,通常の強制執行は書類作成にすぎませんが,少額訴訟債権執行は完全に代理人として手続を進めることができるという違いがあります。

 

当事務所では

もちろん,個々の事件によって適切な手続がありますので一概には言えませんが,上記をご覧いただくとお分かりになるとおり,少額訴訟のメリットというのは1期日で終わるということくらいで,それ以外はあまりメリットはありません。むしろ,公示送達が使えなかったり,分割弁済の判決が出される可能性があるなどデメリットの方が大きいと思っていたのでほとんど利用していませんでした。

ただ,実際には通常訴訟への移行を求められたことはなく,判決も分割になったことはないので,やはり1回で終わるというメリットは大きいと思い最近はよく選んでいます。

また,少額訴訟は弁護士や司法書士などの専門家に依頼しなくても,ご自身でも進められるよう制度設計されており,専用の用紙も裁判所に備え付けられています。

もし,ご自身で進めたいということであれば,少額訴訟を選んでみるのもいかがでしょうか。

 

 【司法書士の債権回収最前線】目次はこちら


5月 30 2019

ハンコについてあれこれ

日頃何気なく使っている,「ハンコ」や「印鑑」,重要な時に使う「実印」や「認印」,はたまた契約書などの書類にハンコを押すときの「押印」や「捺印」,複数のページになる場合の「割印」や「契印」など,ハンコに関して実は本来の意味とは違う意味で使っていることがあります。

今日は,ハンコに関する情報をまとめてみたいと思います。

 

hanko_natsuin_man

 

ハンコは印鑑ではなく印章

 

朱肉を付けて書類にポチっとするハンコ。あれは正式には「印章」と言います。もちろんハンコでも構いません。この点,「印鑑」と呼ぶこともあるかと思いますが,実は「印鑑」は誤りです。

「印鑑」というのは,名前が彫ってあるハンコの事ではなく,朱肉を付けて押したときに映る「印影」を登録している紙のことを言います。その紙が役所に保管されておりますので,「役所に登録してある印影(印鑑)の証明書」が印鑑証明書ということになります。もっとも,現在は紙で登録されていることはなく,データとして登録されています。

ただ,実際にはハンコのことを印鑑と呼ぶことが多いので,私もハンコのことを印鑑と呼んでいます。

 

実印と認印は登録の有無

 

上記のとおり,役所に印影を登録してあるハンコのことを俗に「実印」と呼び,そうでないハンコのことを「認印」と呼びます。したがって,すごく立派なハンコを作成しても役所に登録していなければ認印ですし,100円ショップで買ってきたハンコを登録すればそれが実印となります。なお,実印,認印ともに法律用語ではなく俗称となります。

また,重要な契約のときに実印での押印を求められることがあるかと思いますが,法的な効力としては実印でも認印でも効力が変わることはありませんし,もっと言えばハンコでの押印がなくても署名があれば有効な書面となります(民事訴訟法228条4項)。よく,「今日ハンコを忘れたので指で押します。」みたいなことがありますが,法的にはあってもなくても効力は同じです(ただし,本人が署名したことを否認した場合に指印で立証することはあると思います。)。

ただ,署名の場合は本当に本人が書いたのかどうかの判断が難しく,認印だと第三者が押印したものも同じ印影であるため,本人しか持っていないだろう実印を押印した方が本人の関与を立証しやすくなるため,重要な契約では実印での押印を求めることが多いと思います。

なお,法的な効力は別問題として,手続的にご本人が関与していることを証明するために必ず実印での押印を求められることがあり,その場合は必ず印鑑証明書(通常は発行から3か月以内)の添付を求められます。例えば,不動産の売買に関する登記申請の際には売主さんの印鑑証明書が必要書類となっておりますし,自動車の売買だと当事者双方の印鑑証明書の提出を求められます。

 

押印と捺印は基本的に同じ

 

ハンコを押すことを「押印」と言ったり「捺印」と言ったりしますが,どちらもハンコを押すという意味は同じでありどちらでも正しいです。両方の頭文字をとって「押捺」と呼ぶこともありますが,これも同様です。

ただ,使い方として押印は「記名押印(ゴム印やすでに印字してあるものにハンコを押す)」として使われることが多く,捺印は「署名捺印(自ら署名をしたうえでハンコを押す)」として使われることが多く,押捺は「ハンコを押すことに加えて指印を押すことも含む」と微妙に違いがありますが,いずれも「ハンコを押す」という意味としては同じですので,結局はどれでも良いということになります。

 

割印と契印は複数の紙に跨って押印

 

契約書が2ページになるときに,1ページ目の裏と2ページ目を重ね合わせてハンコを押すことがあります。一般的に「契印」や「割印」と呼ばれていますが,これは「契印」となり「割印」は誤りとなります。

契印は当事者が知らぬ間に契約書の一部が抜き取られたり加えられることを防ぐためにハンコで痕跡を残しておくことに加えて,一連一体の契約書等であることの証明にもなり,契印がないと役所での申請が通らないことがありますので結構重要な行為です。

一方,割印とは正副など同じ書類がある場合に,どちらも同じ内容の書類であることを示すために正副の書類に重なるように押印したり,関連する書類について重なるように押印することを指しますので,実生活上では割印をするケースというのはあまり多くないと思います。

なお,切手や収入印紙などが使用済みであることを示すためにハンコを押すことを「割印」と呼ぶことがありますが,これも誤りであり正しくは「消印」と呼びます。

 

ということで,雑学的な内容になってしまいましたが,この仕事をしていると間違って使ってしまうと恥ずかしいケースがありますのでまとめてみました。

 

 【司法書士の債権回収最前線】目次はこちら


4月 04 2019

差押の競合

先日,給与差押えの手続を行ったところ,競合してしまいました。預貯金の競合は結構あるのですが,給与差押えでの競合はあまり無かったので,今回は競合についてまとめてみたいと思います。

 

sashiosae_fuda_white

 

差押えの競合とは

 

原則として,債権を差し押さえた場合,一定期間経過後は直接取り立てて良いこととなっております(民事執行法155条1項)。したがって,預貯金を差し押さえた場合は金融機関と,給与を差し押さえた場合は債務者の勤務先と直接交渉をして支払ってもらうこととなります。

このように差し押さえが1件だけであればその債権者が独占すれば良いため特に問題とはなりませんが,複数人が同一の債権を差し押さえをすることがあります。この場合に,複数人の差押債権額の合計が債務者が有する債権額を超える場合を「競合」といいます。

 

具体的に記載すると,債権者である甲さんが,債務者である乙さんの預金を差し押さえようと考え,A銀行の預金を差し押さえたとします。ところが,丙さんも乙さんに対して債権を持っており,同一のA銀行の預金を差し押さえました。

この場合に,

(1)甲さんの債権100万円,丙さんの債権50万円,乙さんの預金が200万円という場合であれば,A銀行は甲さんと丙さんにそれぞれ全額支払えば良いだけですので競合とはなりません。

 

しかし,

(2)甲さんの債権100万円,丙さんの債権50万円,乙さんの預金が120万円という場合,A銀行は甲さんと丙さんに全額弁済することができませんので競合となります。

 

なお,租税債権等の例外を除き,「債権者平等の原則」により,早い者勝ちとなるわけではなく,金額,支払時期等に関係なく債権者は平等に扱われますので,先に差し押さえた甲さんが全額弁済を受けるということにはなりません。

 

競合した場合の処理

 

競合した場合,乙さんの預金があるA銀行は甲さん及び丙さんに弁済することはできなくなります。この場合,A銀行は法務局に預金120万円を供託しなければなりません。これを執行供託といいます。

その後,供託された120万円は裁判所の配当手続によって甲さんと丙さんに配当され,差押手続は終了となります。

 

ということで,通常の預貯金であればこれで終わるのですが,給与債権の場合は,これが毎月生じることになります。

つまり,債務者の勤務先は競合している以上,毎月手取り給与の25%(民事執行法152条1項)を法務局に供託し,裁判所は毎月配当手続を行うことになります。もっとも,現実的に毎月配当手続を行うことは大変であるため,3~4か月分の給与が供託される度に配当手続を行う裁判所が多いと思います。ただ,3~4か月に一度で良いのは配当手続であって,勤務先が毎月供託することには変わりはありませんので,勤務先は本当に大変だと思います。

 

ただでさえ,給与の差し押さえとなると手取り給与の25%しか差し押さえができず回収までにそれなりの期間を要するのに,さらに競合したとなるとさらに期間を要することになるので,やはり競合した旨の書類が届いたときはがっくりきます・・・。

なお,競合になるかどうかは差し押さえによる回収が終わるかどうかで決まります。給与の場合は給料日の問題がありますのでなかなか難しいですが,預貯金の差押えの場合は債務者に裁判所から差押えの書類が送達されてから1週間後に直接取立権が生じ,すぐに銀行に連絡して回収することができますので,競合する前に迅速に進められた方が良いかと思います。

 

 【司法書士の債権回収最前線】目次はこちら


2月 19 2019

離婚に伴う慰謝料請求(最高裁判決)

本日,債権回収に関する最高裁判決が出たので,簡単にまとめておきたいと思います。

なお,当事務所では,離婚に伴う慰謝料請求などの不法行為に基づく損害賠償請求に関する債権回収は行っておりませんので,そのようなご相談をいただいた際にはその分野に長けている弁護士さんを紹介させていただきます。

rikon_tatakitsukeru_woman

 

前提事情

 

・甲さん(夫)は,Aさん(妻)と婚姻し,2人の子どもをもうけました。

・Aさんは,とある会社に入社し,その会社でBさん(浮気相手)と親密な関係になりました。

・約1年後,上記の事情を甲さんは知りましたが,すでに上記の関係は解消されており,甲さんとAさんは離婚することなく夫婦関係を継続していましたのでAさんとBさんには慰謝料の請求はしませんでした

・その約4年後,Aさんは甲さんと別れることを決意し,離婚調停が行われた結果,甲さんとAさんは離婚しました。

・甲さんは,Bさんに対して離婚に伴う慰謝料の支払いを求める訴えを提起しました。

・地裁及び高裁は甲さんの主張を認めてBさんに対して支払うよう判決を出しましたが,それを不服としてBさんが上告しました。

 

前提知識

1 慰謝料の種類

一口に離婚に伴う慰謝料といっても,実は2つの慰謝料があります。

(1)離婚自体慰謝料

離婚によって,配偶者(夫や妻)という立場を失うことになってしまうことに対する慰謝料です。離婚しなければ当然この慰謝料は発生しません。

ですので,浮気した夫に対して慰謝料を請求したいけど離婚はしないという場合,離婚していない訳ですからこの離婚自体慰謝料は請求できないことになります。

また,この離婚自体慰謝料を第三者に請求できるかどうかについては,いろんな考え方があったわけですが,地裁と高裁は請求できると考えており,本日この点についての最高裁判決が出ました

 

(2)離婚原因慰謝料

離婚の原因を作った人に対して請求できる慰謝料です。一番わかりやすいのが浮気ですが,それ以外にもDVだったり,性交渉の不存在だったりします。

これは必ずしも離婚することが必要なのではありませんので,浮気した夫に対して慰謝料を請求したいけど離婚はしないという場合であっても請求できますし,配偶者が第三者とともに原因を作っている場合は当該第三者(例えば浮気相手)に対しても請求できます

 

2 消滅時効

離婚に伴う慰謝料は,不法行為に基づく損害賠償請求ですので,被害者(浮気されたり,暴力を受けた配偶者)がその加害者や被害の事実を知ってから3年間またはその事実があってから20年間が経過すると時効により消滅してしまい請求できなくなってしまいます民法724条)。

したがって,上記の離婚自体慰謝料については離婚のときから3年間,離婚原因慰謝料は浮気の事実や浮気相手を知ってから3年間経過後には慰謝料は請求できなくなってしまいます。

 

最高裁判決

さて,これを受けて最高裁は,ざっくりというと以下のとおり判示しました(ただし,私の解釈ですので誤っている可能性もあります。)。

最高裁サイト

判決全文(PDF)

 

離婚原因慰謝料(不貞行為による慰謝料)については,当然ながら浮気相手にも請求できる

・一方で,離婚にするかどうかは当該夫婦の間で決められるべき事柄であって夫婦にも様々な事情があるのだから,浮気相手が直ちに当該夫婦を離婚させたことを理由とする不法行為責任(離婚自体慰謝料)を負うことはない

・もっとも,例外的に浮気相手が配偶者と浮気するだけでなく,夫婦を離婚させることを意図してその婚姻関係に対する不当な干渉をするなどして当該夫婦を離婚させたと評価できるような特段の事情があれば第三者も離婚自体慰謝料を負うことはある。

・本件では,AさんとBさんの浮気が発覚した時点ではすでに浮気関係は解消されており,Bさんが甲さんとAさんを敢えて離婚させたような事情は無い。

・よって,Bさんは甲さんに対して慰謝料を支払う必要は無い。

 

大事なところ

本判決では,浮気相手については,離婚自体慰謝料については原則として支払う必要は無いと言っているだけで,離婚原因慰謝料(不貞行為による慰謝料)については当然支払義務はあります。ただ,本件においては,甲さんがAさんとBさんの浮気を知ってから4年後に離婚しているため,「浮気の事実と浮気相手を知ってから3年」が経過していることから,消滅時効により請求できないだけです。

決して,浮気の慰謝料について,浮気相手が支払わなくても良いという判決ではありませんのでご注意ください。

この点,浮気しておいて結局支払わなくても良いのかと思われる方も多いと思いますが,もし離婚自体慰謝料を第三者に請求できるとなると,離婚自体慰謝料の消滅時効の起算点は離婚のときですから,仮に20歳のときに浮気をしたもののすぐに解消したが80歳の時に離婚したような場合,浮気相手は一度の浮気で60年前の責任を取らされることになってしまい,殺人の慰謝料ですら最長20年で時効(除斥期間)になってしまうことと比較すると責任が重すぎてしまいます

繰り返しとなりますが,離婚原因慰謝料は第三者にも請求できるわけですから,こちらで解決していただければ良いのではないかと思います。

 

 【司法書士の債権回収最前線】目次はこちら


2月 14 2019

ご相談いただく紛争について

figure_fighting

当事務所では,「個人間の金銭トラブル」「売掛金」「滞納家賃の回収・明渡し」「管理費滞納」「診療報酬」に関する債権回収業務を行っており,基本的にその他の債権回収業務については行っておりません

よくご相談いただくのが,「不法行為(交通事故・不貞行為・詐欺等)に基づく損害賠償請求」,「債務不履行による損害賠償請求」などの損害賠償請求なのですが,一般論として損害賠償請求は簡易裁判所における定型的な紛争解決にはなじみにくく,弁護士さんにご依頼いただくべきものと考えております。

したがいまして,せっかくご相談いただいたのに申し訳ないのですが,損害賠償請求に関するご相談に関しては,弁護士さんにご相談いただきますようお願いいたします。なお,当事務所では損害賠償請求に関するご相談をいただいた際には,各分野に応じた弁護士さんをご紹介させていただいております。もちろん,ご紹介に際して,当事務所の費用は一切かかりません。

 

 【司法書士の債権回収最前線】目次はこちら


1月 08 2019

分割弁済の完走(完済)

ご依頼いただく債権回収のほとんどが分割弁済による解決になります。事前の交渉を試みても一切連絡が取れずに訴訟となり,強制執行を行うケースもありますが,それでも一括で回収できるケースはあまり多くなく,その後に連絡をいただいて分割弁済になることが多いです。

 

今回は,あくまで当事務所が関与しているだけでの話となりますが,分割弁済の完済率についてまとめたいと思います。

 

goal_figure

 

1 全体の80~90%が分割弁済

相手方に金銭の支払いを求めた場合,本当の実情は分かりませんが,やはりお金が無いことを理由に分割弁済を求められることが多いです。こちらとしても,分割とはいえ全額返済してもらえるのであれば,不合理な長期間で無い限り分割弁済で合意しています。

 

すべての事務所に当てはまるものではありませんが当事務所では以下のような感じです。

 

(1)話が出来て一括で回収できるケース → 10%程度

(2)こちらからの連絡は完全無視で一切連絡が取れず交渉もできないケース → 5%程度

(3)相手方から連絡があり交渉するか,訴訟手続を行った後に和解して交渉するなどして分割弁済となるケース → 85%程度

 

2 分割弁済の和解の方法

分割弁済の和解(合意)には,訴訟提起前に任意で和解書のやり取りを行うケースと訴訟提起後に裁判上和解が成立するケースがあります。

前者の場合はあくまで私文書であるため強制力はないものの,書類を作成するだけですので費用は抑えられます。少なくとも,当事務所ではご依頼いただいたうえで合意が成立した場合の書面の作成自体は無料なので費用はまったくかからないことになります。

一方,後者は分割弁済が滞った場合には預貯金や給与などの強制執行ができるため強制力が強いですが,そのためには訴訟手続を行うことになるため,それなりの時間と費用がかかります

 

なお,中間の方法として公正証書で和解書を作成すれば訴訟等を行うことなく強制力が強い書面を作成することも可能ですが,当事務所はあまりこの方法は執りません。

 

3 分割弁済の完走率

一般論としては,強制執行ができる裁判上和解の方がちゃんと完済してもらえそうな気がしますが,それほど変わらないように思います。どのような書面で和解が成立したとしても,結局は相手方次第だと思います。

ただ,1つだけ確実に完走率が確率が上がる場合があり,それは強制執行後に和解をした場合です。

 

裁判上の和解が成立し,「返済に遅れた場合は強制執行をされるかもしれない」という状態であっても,普通の方は強制執行を受けたことが無いので強制執行をされることの実感がありません。ところが,実際に強制執行をしてみると,勤務先に通知が届いたり(給与の債権執行),突然自宅に執行官が来たりします(動産執行)ので,以降のレスポンスは早くなりますし,遅れることなく返済してくれることが多くなります。

 

これまた,あくまで当事務所の感覚ですが,和解後にしっかり完済するのは概ね以下のような割合です。

(1)訴訟に和解が成立した場合 → 60%程度

(2)訴訟(裁判上)の和解が成立した場合 → 70%程度

(3)強制執行後に和解が成立した場合 → 90%程度

 

つまり,強制執行後に和解が成立したのに,それでも支払いが滞る方がいらっしゃるということです・・・。もうこうなると再度強制執行するしかありませんが,そのような方は差し押さえられるような財産がなく,現実的な回収は難しくなります。

 

以上,どの程度参考になるか分かりませんが,債権回収手続をご検討いただく一助となれば幸いです。

 

 【司法書士の債権回収最前線】目次はこちら


12月 27 2018

年末年始の業務について

eto_inoshishi_kakizome

 

12月28日の18時をもって本年の業務は終了となります。今年1年ありがとうございました。

当事務所の年末年始は下記のような予定となっており,当該期間中にいただいたお問い合わせにつきましては,原則として1/4に回答させていただきます。

 

平成29年12月28日18時まで 通常業務

 

平成29年12月28日18時から平成30年1月4日午前9時まで お休み

 

平成30年1月4日午前9時から 通常業務

 

それでは皆様,良いお年をお迎えください<(_ _)>


12月 07 2018

私自身が原告になった話

当事務所では,皆様からご依頼をお受けして債権回収の手続をしておりますが,実は私自身もこれまでに2回原告本人となって法的手続を行ったことがあります。

 

saiban_syouso

 

私どもは,国にいわば特権を与えられて業務を行っている部分がありますので,純粋な商売のみならず公益的な活動をすることも求められています

例えば,ご依頼いただく業務の中に「借金の整理」などがありますが,業務の性質上,報酬をお支払いいただけない方が多少なりともいらっしゃいます。借金の整理をしている以上,経済状況については大変よく分かっておりますので,ある種の公益的な業務を行ったものと考え,依頼者に対して報酬のお支払いに関する法的手続を執ることはありません

 

その他の司法書士の業務としては,不動産登記及び商業登記の手続があります。

このうち,不動産に関しては性質上大金が動きますし,登記に関する費用も踏まえたうえで資金計画を立てていらっしゃいますので,費用をお支払いいただけなかったことは一度もありません。

ということで,残る商業登記が実は曲者なんです。上記の2回の訴訟手続もともに法人さんからご依頼いただいた商業登記の費用となります。

 

一般的に,商業登記の場合はいったんは司法書士が法務局に納める登録免許税を立て替えて登記手続を行い,登記完了後に報酬と立て替えた登録免許税をまとめて依頼者である法人さんにお支払いいただくことになります。ですので,費用がお支払いいただけないと,単に報酬がいただけないのみならず,立て替えた税金分までマイナスになってしまいまうことになります。

商業登記の手続をするということは,法人として存在しており商売をされているわけですので,お支払いいただけないことは通常考えられないのですが,なぜかお支払いいただけないことがあるんですよね・・・。

もちろん,当初はお手紙やお電話などでお話をさせていただくのですが,それでもお支払いいただけない場合は残念ですが法的手続を執ることとなります。

 

1件目に関しては,提訴した後すぐにご連絡いただき,一括でお支払いいただきました。裁判所から送付された書類が大きなプレッシャーになったと思います。

2件目に関しては,残念ながら会社のみならず代表者の方の行方がわからないため,とりあえず判決は取得いたしましたが現時点では回収できておりません。所在が判明すれば強制執行を進めることもできますが,まずは話し合いをしてお支払いいただければと考えています。

 

このように,同じような債権回収でも,1回目は提訴まで行ったもののその後はスムーズに回収できております。しかし,2回目は判決を取得しておりますが,現時点では1円も回収できておりません。つまり,債権回収は相手方の状況によって大きく左右される部分が多く,さらには「やってみないとわからない」ということが多々あります

ということで,当事務所では「着手金無しでとりあえず手続を進めてみる」というプランを設けておりますので,お気軽にご相談いただければと思います。

 

 【司法書士の債権回収最前線】目次はこちら


次のページ »

個人間の金銭トラブル

売掛金の回収

診療報酬

未払い賃料・立ち退き

管理費滞納

保全・強制執行

ブログ。司法書士の債権回収最前線。

名古屋債権回収相談室

〒480-1116
愛知県長久手市杁ヶ池106番地2
1階

はなみずき司法書士事務所

お気軽にご相談ください。(相談無料)電話番号0561-61-1514 ファックス番号0561-61-1535

対応地域

名古屋市、岐阜県、愛知県、三重県

このページのトップへ