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2014年7月

7月 22 2014

会社が知らないうちに無くなっているかもしれません。

※本ホームページの内容とは直接関係ありませんが,司法書士業務的に重要であるため掲載いたします。

 

さて,先日法務省のサイトに下記の情報がアップされました。

法務省サイト

 

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簡単に言うと,現在活動していないと思われる会社について,強制的に解散の登記がさせられてしまうというものです。

細かな条件については,上記サイトをご覧いただく方が良いと思いますが,まとめると下記の通りとなります。

 

対象となる法人 

 

何らかの登記申請を行ってから12年以上登記申請がされていない株式会社または5年以上登記申請がされていない一般社団・財団法人であり,この条件にあてはまる株式会社のことを休眠会社会社法472条),一般社団法人等を休眠一般法人一般法人法149条)と呼びます。

 

なぜ株式会社は12年かというと,会社法上,株式会社の取締役等の役員の任期は最大で10年となっており,さらに例え同じ人が再度役員に就任したとしてもその旨の登記申請を就任から2週間以内にしなければならないことになっています。とすると,少し余裕を見ても12年も何の登記も申請されていないということは,すでに会社としての実態が無い可能性が高いと判断されるからです。また,一般法人については役員の任期は2年となっておりますので,余裕を見て5年となっております。

 

なお,会社法上,株式会社以外の特例有限会社や合同会社などは役員の任期は定められておりませんので,ちゃんと営業実態のある会社であっても12年以上登記申請がされないケースはあります。したがって,あくまで休眠会社は株式会社のみとなります。

 

強制的な解散までの流れ 

 

平成26年11月17日(月)の時点で上記休眠会社及び休眠一般法人に該当するかの判断がされます。 

 

 

休眠会社等に該当すると判断された場合,法務局より上記対象になっている旨の通知が届きます

 

 

平成27年1月19日(月)までに何らかの登記申請または「まだ事業をやっていますよ!」という申請をすれば,対象からは除外され解散登記はされません。

株式会社で12年以上登記申請がされていないということは,間違いなく役員変更登記を怠っていますので,少なくとも平成27年1月19日までに役員変更登記を申請すればOKということになります。

 

 

平成27年1月19日までに何らかの登記申請または事業やってます申請をしない場合,翌日の平成27年1月20日付で解散した旨の登記が職権でなされます。

 

 

もっとも,平成30年1月19日までであれば「会社継続」または「法人継続」の決議をしていただきその旨の登記申請をすることで,会社等を復活させることができます

 

過料の問題 

 

上記の通り,会社に関する登記のほとんどが,登記すべき事由が起こってから2週間以内に登記申請をしなければならないことになっています(会社法915条)。

もし,2週間以内に登記申請を行わなかった場合には,最高で100万円の過料という罰金のような制裁を科せられてしまうことがあります(会社法976条1号)。

とすると,12年も登記申請をしていないということは,最低でも2年,最大で12年もの間登記申請を怠っていたということになりますので,過料の制裁の対象となることは間違いありません。ただし,実際に過料に処せられるのかはケースバイケースであるため何ともわかりません。

あくまで当事務所で申請したケースでは,4年程度会社の役員変更登記申請を怠っていたケースや30年近く役員の死亡の登記申請を怠っていたケースで登記申請を行いましたが,どちらも過料の制裁はありませんでした。しかし,他の司法書士から聞いたケースでは5年程度登記申請を怠っていたケースで10万円程度の過料の制裁があったそうです。

いずれにしても,会社の登記については期間制限がありますので,お忘れの無いようお願いいたします。もちろん,上記のような会社の登記も司法書士の業務ですので,お困りの際はぜひご相談ください!

 

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7月 04 2014

飲み屋のツケ,1年逃げればチャラです→5年にします

先日,読売新聞に時効期間の延長といいますか統一に関する記事がありました。

記事

 

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当サイトにも書いてある通り,債権回収をする前提として債権が現在も請求できるものでなければならず,時効により債権が消滅してしまっていると請求できません。これを消滅時効といいます。

 

この消滅時効という制度は,債権の種類によって期間が細分化されているため,勘違いしてしまって思っていたよりも早く時効になってしまっていたとなると大変なことになってしまいます。

そういったわかりにくい状況があるので,上記記事の通り法務省が統一しようとしているみたいです。ただ,実際に改正されるのかどうかわかりませんし,改正されるとしてもいつになるのかわかりませんので,現在の状況をまとめてみます。

 

消滅時効の原則は10年

基本的に,債権の消滅時効は10年とされています(民法167条)。

したがって,下記に記載の無い場合はすべて10年です。知人間のお金の貸し借りなんかがよくあるケースだと思います。

なお,「債権の」と記載した通り,消滅時効が問題になるのは基本的には債権に関する話であり,物権だと20年になりますが,正直なところ物権で時効が問題になるケースは債権と比べれば多くありません。さらに,物権の中でも所有権は消滅時効にはかかりません。ですので,所有権はどれだけ放置していたとしても時効で権利が消滅してしまうということはありませんので,遠方に持っている土地とかを20年以上放置していてもいつの間にか所有権が消えてしまっていた,なんてことはありません(ただし,第三者が時効取得してしまって,結果的に所有権が無くなることはあります。)。

 

商売上の債権と定期給付債権は5年

10年の次に長いのが5年です。この5年というのも結構使われます。

 

<商売上の債権>

商売上の債権については,5年が原則となります(商法522条)。

上記の通り,私的な個人間の金銭の貸し借りは10年ですが,銀行や消費者金融,信販会社など,商売としてお金の貸付を行っているようなところから借金した場合や貸主は個人でも借主が事業用として借りたのであれば5年で時効となります。

なお,これはかなり細かい点に注意が必要で,銀行ではなく,信用金庫,信用組合や住宅金融支援機構などからお金を借りた場合は5年ではなく10年とされています。その理由は,信用金庫等は営利目的の会社ではないから,ということだそうです。建前はどうあれ信用金庫なんかは銀行と何も変わらないんですけどね。

さらに,これにも例外があり,信用金庫や信用組合などから事業用の資金としてお金を借りた場合はやはり5年になります。

なので,これをまとめると,

 

私的な個人間の貸借→10年

事業目的の個人間の貸借→5年

銀行から借入(使用目的関係なし)→5年

信金等からの借入(目的が住宅ローンなど個人的)→10年

信金等からの借入(目的が事業用)→5年

となります。

 

<定期給付債権>

商売上の債権と同じくらい頻繁に出てくるのが定期給付債権です(民法169条)。

定期給付債権というと難しい感じですが,定期的に決まったタイミングで支払うもので,一番わかりやすいのが家賃マンションの管理費です。

これらの債権は,各締切ごとにそれぞれ時効になります。つまり,家賃を5年間滞納した場合,5年間の家賃が全部時効で消えてしまうわけではなく,5年経過するごとに5年前の家賃分が毎月消滅することになります。

 

そのほか,日常生活に関係ありそうなものとしては,退職金も5年で時効になります(労働基準法115条但書)。

 

 医療,建設工事,不法行為は3年

10年や5年というのは頻繁に出てきますが,3年というのはあまり多くありません。ただ,毎日のように交通事故が起こっておりますので,件数としてはかなり多いと思います。

まず該当するのは,医療に関する債権であり,医師や助産師等の診療・助産報酬や薬剤師の調剤報酬などが該当します。診療報酬の中には診察にかかる費用のみならず入院費なども含まれます。

次に,工事に関する債権です。通常,請負工事などは商売上の債権であるため5年が原則ですが,さらに短くなって3年とされています。

最後が不法行為に関する債権です。一番よくあるのが上記の通り,交通事故の損害賠償債権だと思います。ただ,交通事故に限りませんので,誰かから殴られたとか,騙されたとか,不法行為であればすべてこちらに該当します。注意点としては,不法行為の場合は時効の3年がスタートするのが,被害者が損害の発生と加害者を知ったときから3年と少しほかのものと異なります。例えば,詐欺とかの場合だと騙されてしまっているため詐欺行為があったときは損害が発生しているという認識がありませんよね。その場合は,騙されたとわかったときから3年がスタートします(民法724条)。

その他,手形に関する請求権なども3年です。

 

製造業・小売りなどの売掛金は2年。そして,私たちの報酬も・・・

 工場を営んでいる方や商品を小売りされている場合の売掛金は2年とされています。商売上の債権の時効は5年が原則ですので,かなり短いですよね。

これと並んで大事なのが給料債権です。当事務所でも残業代の未払いに関する訴訟を行ったことがありますが,在職中に残業代の請求をするのは難しく,実際には退職後に請求することが多いのですが,そこから遡って2年分しか請求できません。かといって,在職中に請求すると辞めざるを得ないような状況も出てきてしまうため難しいところです。

そのほか,塾や家庭教師など,教育に関する費用や私たち司法書士など士業に関する報酬も2年となっております。当事務所でも残念ながら何件か時効になっているケースもあります。

 

飲み屋のツケは1年!

実は,仕事上1年の時効が問題になったケースはありません。弁護士さんだと遺留分減殺請求権で問題になることが多いかと思います。

1年の時効で有名なのは,消滅時効の代名詞とも言える飲み屋のツケです。「飲み屋」とは言っておりますが,別に居酒屋とかバーに限った話ではなく,外食した際の飲食費はホテル代なども1年です

ホテルの場合,次そのお客さんがいつくるのかなんてわからないので,よっぽどツケなんてことは無いと思いますけどね。

 

そして10年に戻る

このように時効期間が短い債権でも一律で10年になることがあります。それは,判決や和解など,裁判所で確定した場合は,その確定した日から10年となります(民法174条の2)。

したがって,飲み屋のツケでも売掛金でも家賃でも,訴えて勝訴した場合は,その勝訴判決が確定した日から10年間は請求し続けることができますし,さらに10年経過前に再度訴訟をして確定すれば,そこからまた10年延長しますので,やろうと思えば永遠に時効になることなく請求することができます

 

まとめ

ということで,時効には債権の種類によって期間がまちまちとなっていますが,1年というケースはほぼありませんので,2年をめどに行動された方が良いかと思います。

また,時効間際ということでも,時効の中断をすることによって請求できますので,ギリギリの場合でもお気軽にご相談ください。

 

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