8月 02 2013
貸金回収のハードル
友人・知人等にお金を貸した場合,他のことが問題になることもありますが,基本的に問題になるのは下記の2つです。
①お金がない。
②証拠がない。
■お金がない
お金が無いのが真実であり,現時点では働いていないとか,すでに自己破産をしている,というような場合には確かに回収は難しいかもしれません。
しかし,生活をしている以上,必ずどこかで収入を得ているはずです。この収入を押さえることで,現時点ではお金が無くても将来的に回収できる可能性は十分あります。また,貸金については,消滅時効が10年であるため,将来的に状況が変わるようであればその段階で手続きをしても間に合うと思います。
■証拠が無い
貸した相手が借りたことを認めていて,その返済の猶予などを求めてくる場合は良いのですが,貸した(借りた)こと自体を争われてしまうと,こちらで証拠を用意して裁判等を行わなければなりません。実際,友人・知人等にお金を貸した場合に,借用書を書いてもらうことなんてなかなか無いと思いますので,借用書などの証拠を用意するのは困難なケースも多いです。
しかし,証拠は別に借用書に限られませんので,他の証拠があれば大丈夫です。バシっと直接的に解決できる証拠としては,相手からのメールが考えられます。「こないだ借りた10万円だけど,ちょっと今は厳しいから来月まで待ってくれない?」なんてメールがあれば大きな証拠となります。また,貸した時に同席した方がいればその方の証言や陳述書なども証拠になります。
それだけでは難しいですが,相手に振込みをした際の明細なんてのも十分証拠になります。ただし,この場合は相手にお金を渡したことは立証できますが,それが「貸した」のか「あげた(贈与した)」のかの立証ができませんので他の証拠も必要になります。例えば,貸した以降,何度か相手から返済金が振り込まれているのであれば,従前の振込は貸金だったと認定されやすいです。
ただ,残念ながらまったく証拠が無いような場合もあります。その場合は,証拠を作ることになります。とはいっても,もちろん借用書などを偽造するわけではありません。相手が借金をしていることを認めるような内容の証拠を相手に作ってもらうわけです。
例えば,督促状を相手に送ったあとに,「ごめん,もう少し待って。」とメールで返事が来れば,督促状とメールの合わせ技で貸したことの証拠になりますし,電話で会話したのであれば,その会話を録音したものだって証拠になります。
上記はほんの一例に過ぎませんが,証拠が無くても十分戦えるケースもありますので,諦める前に一度ご相談ください。