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1月 04 2023

当事務所の報酬等も含めて全額回収できた事案

債権回収に際してかかった費用のうち、裁判所に納めた訴訟費用や強制執行の費用に加えて法律(民事訴訟費用等に関する法律)で定められた裁判所への出廷のための日当や交通費については認められますが、それ以外の費用(弁護士や司法書士などの専門家に対する報酬、探偵等を使った場合の費用など)については基本的には回収の対象外となります。

したがって、訴訟等で専門家に対する報酬を含めて請求したとしてもこの点は認められず、例外的に不法行為に基づく損害賠償請求の場合においては、判決で認められた損害賠償額の1割程度(専門家の報酬の1割ではありません。)が専門家に対する報酬分として認められる場合があるに過ぎません。

 

ただし、相手方との間で話がまとまり、その金額が常識外れの金額でなければ、専門家等に対する報酬を含めた金額を回収できる場合があります。今回、大変珍しいケースですが、相手方との間で当事務所の報酬も含めた全額の返還で話がまとまり回収できましたので、この点についてまとめたいと思います。

なお、事案の特定を避けるため、一部フィクションが入っています。

 

 

1 事案

(1)ネット上で知り合った男性から頼まれ、分割で返済する約定で数十万円を送金して貸し付けました。

(2)貸し付けるに際して、相手方から免許証の画像を送信してもらうことに加えて、郵送で借用書を送って借用書のやり取りも行いました。

(3)一度も返済が無いため督促したものの連絡が取れなくなり、当事務所にご相談がありました。

(4)当方も連絡を試みましたが一切連絡が取れない状況だったため訴訟を提起し、証拠も揃っていましたのですんなりと勝訴しました。

(5)動産執行の申立てをしたところ相手方から連絡があり、当事務所の報酬や訴訟費用等の実費も含めて親族が立て替えて全額返還する内容で和解し、実際に一括で全額回収いたしました。

 

2 和解が成立した理由

まず、上記(2)で免許証の画像が送られてきていましたが、こちらで確認したところ免許証の一部に変造が疑われたため警察への相談をお願いいたしました(当方は弁護士では無いため、基本的には刑事手続には関与できません。)。

そして、動産執行のタイミングと上記の変造に関する警察の事情聴取のタイミングが重なり、さらに相手方の家族が知るところになったため、もう逃げられないと悟ったのかこちらに連絡があった次第です。

警察から連絡があるということ自体かなりインパクトがありますし、動産執行において執行官が自宅を訪問し、さらに家族を巻き込むとなると相当なプレッシャーにはなったと思います。

 

3 まとめ

今回のケースでは、依頼者は元金+和解日までの利息を全額回収しており、かつ、実質的に当事務所の費用の負担も無くなったため、ご依頼いただいたことにより完全にプラスで終えることができました。しかも、和解時に判明したことですが、相手方はもともと無職だったようで、そのような方から回収できたのは大成功だったと思います(返済金は親族が立て替えています。)。

もっとも、大多数のケースでは当事務所の費用まで含めて回収するというのは難しいですし、今回は相手方の家族が立て替えてくれるという協力があって一括で回収できましたが、ひとり暮らしの場合だとここまで上手くはいかないことも多いのでご留意ください。

 

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12月 28 2022

年末年始の業務について

本日をもって今年の業務がすべて終了となります。今年もご依頼いただきましてありがとうございました。

 

 

年末年始の業務時間は下記のとおりとなり、12月29日以降にご連絡いただきましたメールについては、1月4日以降に順次返信させていただきます

 

 

令和4年12月28日(水)18時まで 通常営業

 

令和4年12月29日(水)~令和5年1月3日(火) 冬期休業

 

令和5年1月4日(水)9時から 通常営業

 

以上、よろしくお願いいたします。 


12月 12 2022

家賃を滞納した場合に自動的に明渡したことになる条項の有効性(最高裁判決)

アパートのなどの賃貸借契約において、「1か月でも滞納した場合は契約を解除し、すぐに明け渡す。」という趣旨の条項が入っていたとしても、法律上は認められないことになっています。

居宅に関する賃貸借契約はコンビニなどで商品を購入するような一時的な契約ではなく、短くても数か月、長ければ数十年にも及ぶ契約となりますので当事者の信頼関係が重要視されており、居宅は生活の本拠となる場所であるため、そう簡単に解除することは認められていません

なので、賃貸人側から契約を解除するためには、賃借人が生活の本拠を失ってもやむを得ないと思える程度に信頼関係が破壊されているような事情が無ければならず、簡単に契約を解除することができません。

この点、家賃に関して言えば、一般的には3か月分を超える滞納があると信頼関係が破壊されたと考えられる傾向にあります。ただし、あくまで総合的に判断であるため、一概に3か月を超えていれば解除できるというものではありませんし、逆に賃借人に他の悪い事情があれば1か月の滞納でも解除が認められることがあります。

この点の事情については、下記をご覧いただければと思います。

→ 契約違反による賃貸借契約の解除(その1)

→ 契約違反による賃貸借契約の解除(その2)

 

 

さて、本日(令和4年12月12日)、賃貸人ではなく保証会社と賃借人との契約にはなりますが、下記の2つの条項について差止めが認められるかどうか(適格消費者団体が原告となって、上記のような条項を使うことについての差止請求)について最高裁判決がありました。

①賃借人が支払を怠った賃料等及び変動費の合計額が賃料3か月分以上に達したときは、無催告にて原契約を解除することができる。

②賃借人が賃料等の支払を2か月以上怠り、被上告人が合理的な手段を尽くしても賃借人本人と連絡がとれない状況の下、電気・ガス・水道の利用状況や郵便物の状況等から本件建物を相当期間利用していないものと認められ、かつ本件建物を再び占有使用しない賃借人の意思が客観的に看取できる事情が存するときは、賃借人が明示的に異議を述べない限り、これをもって本件建物の明渡しがあったものとみなすことができる。

→ 最高裁サイト

→ 判決全文(PDF)

 

上記のとおり、居宅に関する賃貸借契約は賃借人が保護されることが多いため認められる可能性は低いと思っていましたが、やはり認められませんでした。

その理由はざっくり申し上げると次のようなものです。

①賃借人が支払いを怠った賃料等の合計額が3か月分以上になった場合、賃貸借契約の当事者ではない保証会社が何の限定もなく賃貸借契約を無催告で解除権できるものとしている点において、賃借人が重大な不利益を被る可能性があり、消費者契約法違反により無効である。

②明け渡したとみなされた場合、賃借人は建物に居住することが一方的に制限されることになる上、賃貸借契約は解除されていないから建物の明け渡す義務を負っていないのに、法律に定める手続によることなく強制的に明渡しが実現された状態に置かれるのであって著しく不当というべきである。

明け渡したとみなすことができる要件のうち、「建物を再び占有使用しない賃借人の意思というものが客観的にみなすことができる事情がある」という要件は、その内容が明らかでないため、賃借人はどのような場合に適用があるのかを判断することができず不利益を被るおそれがある。

賃借人が異議を述べた場合には、保証会社が本件建物の明渡しがあったとみなすことができないものとしているが、賃借人が異議を述べる機会が確保されているわけではないから、賃借人の不利益を回避する手段として十分でない。

以上の理由により、消費者契約法違反により無効である。

 

したがいまして、判決でこのような条項が入った契約書は破棄しなければならないとされており、仮にみなし明渡しの条項が入っていたとしても、通常の明渡手続が必要になることになります。

仮にみなし明渡し条項が入っているからと言って勝手に室内の動産を処分した場合、相当なトラブルになる可能性があります。この点、通常の明渡手続を踏めば、室内の動産を処分することについて裁判所のお墨付きが得られますので、トラブルになる可能性はかなり低いことを考えると、費用も時間もかかるため大変ではありますが、やはり真っ当な方法で進められた方が良いと思います。

なお、判決自体は賃借人保護になりますが、賃貸人側(保証会社側)としては従前より審査が厳しくなって契約に至らないケースが増えることになると思われますので、下記のようなケースがより社会問題になっていくと思います。

 

毎日新聞「入居6回断られ…シングルマザーが直面する「住まいの貧困」とは」2022/12/11 08:00(最終更新 12/12 12:20)

以下、引用

「やっぱり貸せない」。神戸市の女性(43)は2年前、アパートの賃貸契約を交わす直前で、大家から入居を断られた。女性はパート従業員で、小学生から高校生までの3人の子どもを育てていた。家を探していたのは、元夫のドメスティックバイオレンス(DV)から逃れるためだが、断られるのは6回目だった。元夫は定職に就かず、家事や育児は女性任せ。子どもが泣くと、壁をたたいたり暴言を吐いたりした。女性は知人から支援団体を紹介され、別居を決意した。20カ所以上の物件にあたり、ようやく家賃5万2000円のアパートに移り住むことができた。母子4人には狭いが、我慢するしかなかった。「金銭的な不安もある中、心と体を守れる安全な場所にたどり着くための負担が大き過ぎる」と女性は振り返る。

以上で引用終わり

 

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11月 21 2022

不動産以外の担保で保全する(①自動車抵当)

「担保」というと、まず最初に思い浮かぶのは不動産だと思います。一般的に不動産は価値が高いですし、「不動」となっているとおり財産が逃げることが無いので、担保として一番確実性が高いです。

不動産は、法務局にある登記簿にて権利関係が公示されていますので、不動産の登記事項証明書を取得すれば「その不動産が担保に入っているかどうか」、「入っているとしていくらの担保になっているか」等を確認することができます。

 

また、あまり担保というイメージは無いかもしれませんが、保証人を取るという事も多いかと思います(保証人は「人的担保」と呼ばれます。)。ただし、保証人の場合は、保証人自体に資力が無ければ結局回収できませんし、人間である以上逃げてしまう可能性もありますので、確実性という点では不動産には劣ると思います。さらに、保証人の資力は公示されていませんので、保証人が実は多重債務者となっていて回収が困難ということもあり得ます。

 

さて、今回はその中間という訳ではありませんが、先日、自動車を担保に取る自動車抵当の手続を行いましたので、今回はこの点についてまとめてみたいと思います。

 

 

1 自動車抵当とは

 

不動産に対する抵当権は民法に規定がありますが、自動車に対する抵当権の設定は自動車抵当法という特別法によって定められています。

基本的には、不動産に対する抵当権と同様であり、次のような特徴があります。

 

(1)所有者(設定者)が占有したまま使用可能

住宅ローンを組んで家を購入する場合、その家は銀行の住宅ローンの担保に入っていますが銀行が家を占有している訳ではなく、家はそのまま所有者が使うことができます。自動車抵当も同様に、抵当権が設定されても所有者がそのまま使用し続けることが可能です。

 

(2)役所で抵当権の有無を確認することができる

不動産に対する抵当権自体は当事者の合意のみで成立しますが、当該抵当権の存在を第三者に対抗できませんので通常は登記を行います。登記をすることで、第三者に対しても抵当権があること(担保として取っていること)を対抗することができます。同様に、自動車抵当の場合も自動車登録ファイルに抵当権設定の登録をしなければ第三者に対抗できませんので登録を行います。

抵当権が設定されていることは、不動産であれば登記事項証明書を法務局で、自動車であれば登録事項等証明書を運輸支局で、それぞれ取得することで誰でも抵当権の存在を確認することができます。

 

(3)優先弁済を受けることができる

不動産や自動車が競売などで売却される場合、当該売却代金から優先して債権を回収することができます。

抵当権が設定されたまま不動産や自動車を売却することができますが、買主としては抵当権が設定されたままの不動産や自動車を購入したくありませんので、通常はその時点で弁済してもらい、抵当権を抹消することになります。

 

2 不動産に対する抵当権等の違い

 

不動産と動産である自動車では性質が異なりますので、下記のような違いもあります。

 

(1)不動産より回収できない可能性が高い

不動産の場合、建物が火事等で焼失してしまうことがありますが、土地は地震で地面が崩れるなど特段の事情が無い限り、価値がゼロになってしまうということは考えにくいです。

一方、自動車は高速で動く動産ですので、事故等により価値が無くなってしまい、結果として回収が難しくなる場合があります(保険に入っている自動車であれば、保険金から優先的に回収できる「物上代位」が可能です。)。また、盗難等により所在不明になる可能性もあります。

 

(2)そもそも価値が低いことが多い

不動産は安くても数百万円、高ければ億単位になりますので、担保として大きな効果があります。一方、一般的な乗用車の場合は、新車時点ではそれなりの価値があるものの年々価値は下落していきますので、それほど多額の融資を受けるための担保にはなりにくいです。ただし、運送会社等が所有しているトラック等の大型車両は価値が大きいため、担保としての価値は十分あると思います。

 

(3)滅失・廃車の可否

不動産の場合は抵当権が設定されていても滅失登記ができますが、自動車の場合は抵当権が設定されていると廃車手続ができません

 

3 手続について

 

(1)必要書類

申請書等を除けば、不動産における抵当権設定登記とほとんど同じです。自動車の所有者の印鑑証明書、抵当権者の資格証明書(個人であれば住民票)が必要となります。

異なる部分としては、不動産の抵当権設定登記だと抵当権設定契約書は必要となるものの被担保債権に関する書類は不要です(例えば、金銭消費貸借契約書)が、自動車抵当の場合は抵当権設定契約書が必要になることは当然のこと、被担保債権に関する書類も必要となります。

 

(2)登録免許税

不動産の場合は債権額の0.4%を登録免許税として納める必要がありますが、自動車の場合は0.3%と少しだけ低くなっています。ただし、3万円を超える場合は収入印紙での納付ができませんので注意が必要です。

 

(3)完了までの時間

不動産の場合は、各法務局の執務状況によって異なりますが、概ね1週間前後で登記は完了します。一方、自動車の場合は、数十分から1時間程度で即日完了します。

 

(4)報酬

各専門家によって異なりますし、債権額によっても変わりますので一概に申し上げることができませんが、当事務所の場合は不動産よりも自動車の方が高くなります

というのは、不動産は事務所からオンラインで申請すれば良いだけですので申請に関する手間がそれほどかかりませんが、自動車の場合は運輸支局に出向く必要がある上、完了するまでその場で待つ必要があるため実質的な拘束時間が長くなること、及び上記のとおり必要書類として抵当権設定契約書等が必要になるところ、不動産の場合は通常は金融機関が書類を準備するのに対して、自動車の場合は当方で抵当権設定契約書や被担保債権に関する書類を作成する必要があるためです。

なお、不動産に関する抵当権設定登記は基本的には司法書士の業務であり、自動車に対する抵当権設定登録は行政書士の業務となります(当事務所は両方の資格を有しております。)。

 

4 まとめ

 

ということで、不動産と比べると担保価値としては大きくありませんが、トラックなど比較的高額な自動車について担保として取るという方法は十分選択肢の1つにはなるかと思います。

 

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10月 28 2022

ご相談ができない、または難しい場合について

当事務所にご相談いただく際に、下記のような金額または内容の場合、なかなか当事務所ではご相談やご依頼をお受けすることが難しいため、念のためお知らせいたします。

1 相手方とトラブルになっている金額が140万円超のご相談

 

当事務所に限らず、司法書士は相手方とトラブルになっている金額が140万円以下のものしかご相談やご依頼をお受けできないことになっております。

したがいまして、140万円を超えるご相談については、申し訳ございませんが弁護士さんにご相談いただきますようお願いいたします。

なお、当事務所にご相談いただいた場合は、当事務所でご相談をお受けすることはできませんが、トラブルの内容に応じた弁護士さんをご紹介させていただくことも可能です。ただし、弁護士さん全員が愛知県内に事務所がある方のみであるため、他の都道府県の方の場合はご紹介させていただくことができません。

 

2 相手方とトラブルになっている金額が数万円~10万円前後のご相談

上記と異なり、当事務所でもご相談やご依頼をお受けすることは可能です。また、ご相談のみであれば費用はかかりませんので、ご相談のみで解決するようであればまったくもってご利用いただいて構いません

しかし、何らかの手続を行うことになった場合、少なくとも着手金として33000円の費用がかかりますし、回収した場合には成功報酬がかかりますし、訴訟や強制執行等の法的手続を行えば、請求額を超えてしまう可能性が高くなってしまいます

もちろん、損得関係なくしっかり手続をされたいという理由であれば問題ありませんが、そうでない場合は費用対効果を考えると現実的にはご依頼をお受けすることは難しいと思います。

 

3 刑事事件が絡むご相談

ご相談の内容が明らかに詐欺被害(例えば投資詐欺など)の場合、単に民事的に手続をすれば回収できるというものではなく、内容によっては刑事的な手続も絡めて進めていただいた方が良い場合があります。

私ども司法書士では、基本的に警察等の刑事的な対応はできませんので、そのような場合は弁護士さんを紹介させていただくことになります。

 

4 遠方の方のご相談

当事務所では、メール等でご相談いただいた場合、メールや借用書など資料を拝見している訳ではありませんので、あくまで一般論での回答となってしまいます。

より詳しく具体的に回答させていただくためには、関係資料をお持ちの上、直接事務所にお越しいただく必要があります。そうすると、当事務所にお越しいただける方に限られますので、事実上、遠方の方のご相談は難しいのが実情です。

もっとも、遠方だからという理由でお断りする趣旨ではありませんので、当事務所にお越しいただけるようであれば遠方の方からのご相談、ご依頼をお受けすることは可能です。実際に、関東や関西の方からもご依頼をいただいております。

 

以上、ご相談に関する注意点についてでした。

 

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8月 19 2022

財産開示拒否、起訴相当

相手方に支払いを請求し、それに応じなかったら訴訟等の手続を行います。
訴訟を行い、「〇〇万円支払え」という判決が出ても、相手方が支払いに応じなければ相手方の財産を差し押さえて現金化し、回収することになります。

しかし、そのような相手方には財産が無いことが多く、仮に財産があってもなかなか見つけることは難しいです(だからこそ、預貯金等の差押えよりも、給与を差し押さえた方が回収できる可能性は高まります。)。

 

これに対応し、民事執行法では「財産開示手続」といって、相手方に対して自らが保有する財産を開示してもらう手続がありますが、裁判所からの出頭に応じなかったり虚偽の事実を陳述する等の違反したとしても従前は「30万円以下の過料」という行政罰しかなかったため、あまり実効性がありませんでした。
というのは、違反しても必ずしも過料が課されるとは限りませんし、多額の支払いをするくらいなら30万円を払った方がマシと考える人もいたからです(30万円は国が回収するだけで債権者には分配されません。)。

 

さらに、令和2年に民事執行法が改正され、財産開示手続に違反した場合には懲役または罰金という刑事罰が科されることになりました。これにより、財産開示に違反することで刑事事件となってしまい、逮捕や起訴されることもあれば、最悪の場合は収監される可能性が出てきましたので、従前と比べれば実効性は増したと思われます。
もっとも、「虚偽の事実」(例えば、実際は財産があるにもかかわらず、無いと陳述する)については、そう簡単に見破ることはできないので、そういう点ではどこまで実効性があるかとも思われます。

 

 

 

さて、このような事件に関して、先日いったん不起訴になったものの、検察審査会によって「起訴相当」の議決がなされました。
これにより、検察官が再度捜査を行い、恐らく起訴されるものと思われます。

 

~~~~以下、読売新聞オンラインからの引用~~~~~

暴行でけがを負わせた相手方への賠償金支払いに応じず、裁判所の財産開示手続きに出頭しなかったとして民事執行法違反の疑いで書類送検され、大阪地検が不起訴とした加害者の男性に対し、大阪第4検察審査会が「起訴相当」と議決したことがわかった。賠償金支払いの「逃げ得」を防ぐため、同手続きには2020年4月から刑事罰が導入されており、議決は今回のケースでは刑事責任の追及が妥当と判断した。
(中略)
6月9日付の議決は、男性には地裁から期日の呼び出しの書類が届いていたことなどを指摘し、「不起訴には疑義があり、国民の常識で考えると刑事責任は厳しく追及されるべきだ」とした。刑事罰導入の目的は手続きの実効性を高めるためだったと言及し、「法が適用されなければ、改正の意義が損なわれる」と述べた。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20220817-OYT1T50067/

~~~~以上、読売新聞オンラインからの引用~~~~~

 

もっとも、上記のとおりいったんは検察は不起訴にしており、財産開示手続に違反したとしても必ずしも起訴されるわけではありません。さらに、30万円以下の過料のときと同様に、相手方が逮捕されても、罰金が科されても、懲役で収監されても、それによってお金が返ってくるわけではありません(もちろん、示談を持ちかけられて回収できることはあると思います。)。

やはり、財産開示手続はあくまで最後の手段であり、ここまで手続を行わなくても回収できるよう進められるのがベストかと思います。

 

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8月 08 2022

夏季休業のお知らせ

 

当事務所では、下記の期間について夏季休業とさせていただきます。休業期間にお問い合わせいただきましたメール等につきましては、休業後に順次回答させていただきます。

 

8月10日18時まで  通常業務

 

8月11日から8月14日まで 夏季休業

 

8月15日から  通常業務

 

以上、よろしくお願いいたします。


7月 08 2022

あまり苦労せずに回収できたケース

当事務所が記事にするのは、どうしても色々と手続を行ったり大変だったようなケースが多いのですが、あまり記事として書くことが無くスムーズに終わる事件もあります。

 

今回の記事のケースのように、あっさり完了してもらえると依頼者はもちろんのこと私としても大変助かるのですが、実際にはそれほど多くはありません。

とはいえ、今月だけでも下記のようにそれほど手続を執ることなく回収できているケースもありますので、念のためまとめておきたいと思います。

 

1 施設利用料に関する請求

 

年配の方が施設に入所される場合、多くのケースで親族が連帯保証人になっており、実際は入所されている方ご本人ではなく、親族が支払いの管理をしていることが多いと思います。

もちろん、多くの方が問題なく支払ってくれるのですが、一部の入所者の方が支払ってくれないことがあります。

このような場合に、当事務所で内容証明郵便にて連帯保証人である親族に督促の通知を送ったところ、特に交渉の連絡もなく全額が支払われました

私としては和解書等の書類作成もなく、あっさり終わってしまいました。

 

2 友人への貸金請求

 

職場の同僚に対してお金を貸したところ、返ってこないというご相談でした。

このような場合、職場が分かっているので最終的には訴訟手続を行い、給与を差し押さえれば、退職しない限り全額の回収は可能です。ただ、同僚であるためあまり事を荒立てたくないとのご要望もあり、訴訟等の法的手続はあまり執りたくないと考えておりましたが、督促の通知書を郵送したところ普通に相手方から連絡があり分割払いでの和解となりました。

分割払いの場合は今後のために和解書や合意書などを作成し、あとは期日に支払っていただくこととなります。そして、今月が最終回の支払いだったのですが、問題なく支払われて終了となりました。

 

 

上記のように、訴訟手続や強制執行の手続を執らなければ余計な費用もかかりませんし、私としてもそれほど手間なく回収できるので良いことだらけなのですが、ほとんどのケースはこうも簡単にいかないんですよね…。

以上、特に波乱も無く回収できたケースでした。

 

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6月 28 2022

お金を貸すときにやっていただきたことベスト3

個人間のお金の貸し借りにおいて、「こういった情報があれば回収できるのに…」、「この書類があれば裁判をやっても勝てそうなのに…」など、ご相談いただいた時点ではなかなか手続が難しいケースがあります。

 

もちろん、相手方の事情がありますので、どれだけ対策をしていても回収できないということはありますが、1つの情報があるだけで一気に好転することもあります

そこで、お金を貸すに当たってこれはやっておいてほしいという点について3つにまとめてみました。

必ずしもすべてを満たすことはできないかと思いますし、そもそも当事務所のサイトをご覧いただいた時点ではすでに貸した後、ということが多いかと思いますが、それでも将来お金を貸すことがあった場合には思い出していただければ幸いです。

 

 

第1位 相手方の勤務先を聞いておく

完璧な証拠があり、仮に訴訟を行えば勝てるような状況にあったとしても、相手に財産が無ければ強制的に回収することはできません

強制執行と言うと、不動産を差し押さえられたり、預貯金を差し押さえられたりというイメージがあるかと思いますが、実際には一番回収できるのは給与です。

というのは、不動産は持ってない人の方が多いですし、預貯金についてもあくまで差押えた時点での口座残高しか回収できませんので、なかなか回収できませんが、多くの方が働いていらっしゃると思いますので、勤務先さえ分かれば時間はかかるものの給与から回収できる可能性が高くなりますし、場合によっては「会社に迷惑をかけたくない」ということで一括で返済してもらえることもあります。

したがって、相手方の勤務先の情報はかなり重要です。

 

ただし、下記のような場合だと勤務先が分かっても回収できないこともあります。

①派遣社員

この場合、実際の勤務先ではなく、派遣元から給与を支払ってもらっていますので、派遣元の会社を調べる必要があります。

 

②水商売・風俗店など

あくまで経験上ですが、水商売等の給与を差し押さえようとしても、お店が従業員をかばって他の店に移籍ことにしたり、退店したように偽装するケースがあります。また、給与ではなく、業務委託などの個人事業として契約している場合もあり、そうなると給与の差押えでは回収できません。

 

③退職している場合

差押えをすることによって退職してしまうことがあり、そうなると給与からは回収できなくなってしまいます。もちろん、次の勤務先が分かれば改めて差押えをすることは可能です。

 

第2位 借用書を書いてもらう

 

一番確実なのは、「金銭消費貸借契約書」を取り交わすこととなりますが、個人間のお金の貸し借りでそこまでやっていることは多くはなく、あっても借用書程度です。とはいえ、借用書があればかなり大きな証拠となりますし、手書きやメモ程度であっても貸したことが分かる何らかの書面はもらった方が良いです。

なお、通常はお金を貸すときに書いてもらうことが多いかと思いますが、貸したあとに事後的に書いてもらっても問題ありません。

 

借用書については情報が多ければ多いほど良いですが、最低限、下記の内容が分かれば大丈夫です。

 

①貸主及び借主の氏名

誰が誰に貸したか(借りたか)が分からないと意味がありませんので、最低限当事者の氏名は必要です。

また、借主については、最低限署名(サイン)をしていればハンコは無くても大丈夫であり、ハンコがあれば尚良いという感じです。また、住所は合った方が良いですが、絶対条件ではありません。

 

②金額

いくら貸したかが分からないと何もできないので、金額は絶対に必要です。

 

③貸金(借金)であることが分かる文言

単に当事者の氏名と金額しか書いて無いと、それが貸したお金なのか、あげた(贈与した)お金なのか分かりませんので、貸金であることの記載は必要です。

例えば、「BはAから100万円を借りた」という文言でも良いですし、返済日の記載があれば貸金だということが分かります。

 

④日付

いつ貸したかが分からないと債権を特定することが難しくなりますので、必ず日付は記載してください。

 

第3位 メールやLINEなどの記録を残しておく

本当は上記のとおり借用書等の書面があれば良いのですが、それすらも無い場合も結構あります。

そのような場合は、借金の依頼に関するメール等返済について交渉をしていることが分かるメール等が必要です。

ご相談でよくある内容として、「送金した銀行の明細があります。」というお話しがあるのですが、これはあくまで「送金した」という事実が分かるだけであって、もし相手から「確かにお金を送金してもらったけど、これはもらったお金だから返す必要は無い。」と反論されてしまう可能性があります。

なので、貸したお金なんだということが分かるものが必要となります。

 

 

ベストの状況としてはそもそもお金を貸さない方が良いですし、仮に貸したとしてもトラブルなく返済されれば何も問題ありません。

しかし、借金をしなければならないような人にお金を貸す場合、どんなに良い人であっても現実的に返済されないことは起こり得ますので、万が一そうなったときのためにも上記のように対策していただければと思います。

 

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4月 27 2022

報酬体系について

当事務所にご相談いただく際に、「完全成功報酬で進めていただくことは可能ですか?」とご質問いただくことがございます。

詳細は下記に記載いたしますが、端的な回答としては完全成功報酬ではございません

 

 

当事務所にご依頼いただく場合、「着手金0円プラン」または「成功報酬減額プラン」のいずれかからお選びいただくことができます(ただし、30万円以下の請求の場合は成功報酬減額プランのみとなります。)。

これは、回収できる可能性が高くない場合は、着手金を0円で進めさせていただく代わりに、回収できた場合の成功報酬が高めに設定されております。仮に回収することができないまま終わったとしても、報酬はまったくかからないことになりますので費用を抑えることができます。

一方、成功報酬減額プランの場合は着手金をいただくものの、成功報酬が着手金0円プランよりは低く設定されておりますので、建物の明渡事件など成功する可能性が高いような場合はこちらをお選びいただくことが多いです。

 

なお、内容証明郵便の郵送料や住民票の調査に関する費用などの実費は報酬とは別に費用がかかることとなり、これは着手金0円プランでも変わりません。したがいまして、仮に着手金0円プランをお選びいただき、かつ、回収することができなかったとしても完全に0円で手続を進められるということではありません

 

また、いずれのプランにおいても訴訟手続や強制執行手続等の法的手続きを進めた場合は回収の有無に関係なく費用がかかってしまいます。もちろん、当事務所で勝手に手続きを進めることはなく、事前に説明させていただいたうえで費用にご納得いただいてから手続を進めさせていただきます。

 

したがいまして、いずれのプランにおいても実費がかかりますし、法的手続きを進めた場合は回収の有無に関係なく報酬もかかりますので、「完全成功報酬」という費用体系ではないことになります。

 

この点、先日お問い合わせいただいたことがございますので、念のためまとめさせていただきました。


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