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12月 28 2021

年末年始の業務について

本日をもって今年の業務がすべて終了となります。今年もご依頼いただきましてありがとうございました。

 

 

年末年始の業務時間は下記のとおりとなり、12月29日以降にご連絡いただきましたメールについては、1月4日以降に順次返信させていただきます

 

 

令和3年12月28日(火)18時まで 通常営業

 

令和3年12月29日(水)~令和4年1月3日(月) 冬期休業

 

令和4年1月4日(火)9時から 通常営業

 

以上、よろしくお願いいたします。 


10月 22 2021

SNSの情報から給与を差し押さえて全額回収

個人間の債権回収において、相手方と話し合いがまとまり、一括または分割にて回収できるのであればこれに越したことはありません。

訴訟等の法的手続を行う必要がありませんのでその分の費用が節約できますし、手続上は、和解書や合意書等を作成いたしますので平和的に完了することも多いです。

 

しかし、話し合いがまとまらない場合は訴訟等の法的手続を行わなければならず、そのような場合は判決後に強制執行まで進むことが多いです。

強制執行の方法としては、預貯金の差押え、不動産競売などたくさんの方法がありますが、一番多く回収できるのは給与の差押えです。給与の場合は、一度に手取り金額の25%しか回収できませんが、相手方が退職しない限りは毎月定期的に回収できるので、時間はかかるものの最終的には全額回収できることも多いです。

今回、給与差押えを複数回行ったもののSNSの情報により全額回収できたので、この点についてまとめたいと思います。

なお、事件の特定を防ぐ趣旨で、一定程度フィクションが入っておりますことをご了承ください。

 

 

1 前提事情

同棲していた男女間のトラブルであり、交際が終わる際に貸金の返済を求めたものの返済されないまま連絡が取れなくなったというご相談でした。

同棲していたくらいですので、相手方の住所や氏名などは確実に分かっていますし、借用書も作成していたので、法的に請求できることは間違いありませんが、相手方が派遣社員だったため給与の差押えをしても実際に回収できるか微妙な事案でした。

 

2 訴訟提起

相手方に対して書面を送りコンタクトを試みたもののまったくリアクションがありませんでしたので、訴訟を提起しました。相手方から一括では無理なので分割で支払いたいとの趣旨の回答がありましたが内容的に難しいため判決となりました。

 

3 差押え

派遣先及び派遣元の会社の情報は依頼者がご存知でしたので、派遣元の会社に対して給与差押えの申立てを行いました。無事、差押えは成功し、毎月の給与から少しずつ返済されました。ただ、派遣社員ということもあり、毎月の回収額はそれほど多くなく、全額回収までには数年かかるような状況でした。

 

4 退職

相手方は派遣先の会社に住み込みで働いていたのですが、その派遣先及び派遣元との契約も解除してしまい、当然ながら給与が支払われなくなりました。

定期的に住民票の調査も行いましたが、判決時の住所から変更はなく、勤務先どころか住んでいるところもまったく分からなくなりました。

 

5 SNSでの発見、そして全額回収

上記から約2年後、とある会社の広報として実名でインスタグラムにて会社の情報を発信しているのが発見されました。相手方の写真も載っており、ほぼ相手方に間違いないと思われる状況であり、いろいろと調べてみると派遣という形態はとっていないようでしたので、雇用形態は別としても当該会社に直接雇用されていることが分かりました。

そこで、当該会社の給与差押えの申立てをしたところ、無事成功しました。差し押さえた当初はアルバイトだったようですが、差押え後もしっかり仕事をこなされていたようで、その後に正社員に登用さえ毎月の支払額も多くなりました。

それから約1年後に無事全額回収となりました。

 

 

上記のとおり、給与差押えの場合は退職しない限り定期的に回収できるため、回収可能性が高い手続です。ただ、いったん退職されてしまうと次の職場を発見するのが難しいのですが、今回は偶然見つけることができてラッキーな事案でした。

また、給与の差押えを契機として退職させられてしまうこともあるのですが、上記のとおり退職どころか正社員に登用されていたので、相手方の人生を壊してしまうこともなく、こちらとしても安心できました。

 

 

以上、SNSの情報から全額回収できた事案でした。

 

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9月 18 2021

未払い賃料を保証人から全額回収。でも今後は注意。

賃貸借契約を締結される際、最近だと家賃保証会社との契約が必須になっているところもあり、そのような場合には個人の保証人は無しで契約できるとことも多いかと思います。

一方で、昔ながらのところだと親族や知人を保証人にしてもらい、賃貸借契約を締結することもまだまだ多く存在すると思います。

 

先日、賃借人本人が支払わらず、数年分の未払い賃料の支払いを求めて賃借人本人及び保証人も合わせて訴えを提起し、最終的には保証人から数年分の未払い賃料全額を回収することができました。

従前であれば特筆すべきことは特に無いのですが、法律改正によって変わった部分もありますので、この点についてまとめたいと思います。

 

 

1 従前の契約は青天井

上記のとおり賃貸借契約を締結する際に保証人をつけてもらった場合、賃借人本人が賃料を支払わない場合は、保証人に対して全額請求することができます。また、賃料に限らず、明渡しの際の原状回復費用なども請求することができますし、賃貸借契約の中で特別な定めがない限り、金額も関係なく全額請求することができました。

また、通常は賃貸借契約は短いと1年程度、長くても4年程度になっていることが多いと思いますが、ほとんどのケースで契約期間満了後も自動的に更新するような内容になっていると思います。その場合も、特に保証人と改めて契約をしなくても、引き続き請求できるような内容になっております。

 

2 民法改正

昨年(令和2年)4月1日に民法の一部が改正され、保証人に関することについて大きく変更されました。

大きな枠組みとしては、こちらにまとめております。

→ 令和2年4月1日の民法改正について

 

また、賃貸借契約の保証に関する部分については、こちらにまとめております。

→ 賃貸借契約における保証人に関する改正

 

端的にまとめると、

根保証契約に関する保証人が保証すべき金額の上限(極度額)を定めなければならず、その定めがない場合は保証自体が無効になってしまう。

極度額を定めた場合は、極度額を超える金額は保証されない

賃借人や保証人が死亡した場合には、その時点で保証契約が終了し、その後の賃料等は保証されない。

賃貸借契約が自動的に更新される場合は、従前の保証契約は有効ですが、合意による更新(更新に当たって再度書類を作成する場合等)については、改正後の民法が適用される。

となります。

 

このうち、一番重要なのは①であり、定めが無ければ保証人自体が不存在となってしまいますので、かなり大きな問題になってしまいます。

また、④については現在契約中のすべての契約に関わってくる話ですので、すぐに問題にはならないかと思いますが、自動更新ではない場合は改正後の民法が適用されますので、更新の際に極度額を設定しなければなりません。

 

最初に記載した保証人から回収した事案については、令和2年4月以降に更新されているものの更新に当たって特に書面を交わしておらず自動更新だったため、保証人に対して数年分の未払い賃料を請求することができました

このように、更新によって保証人に対して請求できなくなる可能性もありますので、この点は十分確認をしていただき、お取引のある管理会社や仲介会社にご確認いただいた方が良いと思います。

 

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8月 06 2021

相手が偽名だったケースで全額回収

先日、相手が偽名を使っていた事件について、無事全額回収できました。

もちろん、すべての事件で回収できるというものではありませんが、このような回収もあるということでまとめたいと思います。

ただし、実際の事件の特定を防ぐために、下記の内容にはフィクションが入っております。

 

 

1 前提

ネットで知り合った女性(A子さん)に、病院の治療費や両親の葬儀費用、生活費などの名目でお金を貸していました。ただ、A子さんは過去に債務整理を行っていて銀行預金が持てなくなっていることから、姉であるB子さんの名義の口座に送金してほしいとのことで、依頼者はB子さん名義の口座に送金していました。

また、A子さんの自宅の住所を聞いており、亡くなった両親名義の自宅になっているとのことでした。

その後、返済期日になっても返済されないため、話し合いのために会う約束をしても、子どもの病気だったり、急な仕事だったりで、直前にドタキャンされてばかりで、返済期日経過後には一度もA子さんと会えていませんでした。

 

2 当方で執った手続

(1)A子さんの住所の調査

A子さんのお名前と住所で住民票の調査を行いましたが、存在しませんでした。そこで、B子さんのお名前で住所の調査をしたところ、住民票を取得することができました

 

(2)自宅への訪問

B子さんの住所は確定しましたので、B子さんの自宅を訪ねてみました。すると、B子さんは不在だったものの年配の方が対応され、B子さんは外出していてすぐには戻ってこない旨の回答がありましたので、少なくともB子さんがここに住んでいることは分かりました。また、対応された方はB子さんの母親でした。

さらに、A子さんについても質問してみましたが、そのような人は知らないとの回答でした。

とりあえずは事情を知っているであろうB子さんと話をしてみないと始まらないので、私の名刺をB子さんの母親に渡し、できればご連絡をいただきたい旨をお伝えいただくこととなりました。

そもそも「債務整理を行っているため銀行口座を持てない」との言い訳があったようですが、実際にはそのようなことはなく債務整理をしていても口座の開設は可能ですし、「亡くなった両親名義の自宅に住んでいる」とのことでしたが、実際にはB子さんの母親が対応されていましたので、A子さんはかなりの嘘をついており、A子さんの姉とされているB子さんが実はA子さん本人ではないか、つまり「A子」というのはB子さんの偽名でないか、との疑いが強くなりました。

 

(3)B子さんからの連絡

その後、B子さんから当事務所に対して、連絡がありました。当方としては直球で「A子さんというのはB子さんあなたではありませんか?」と確認したところ、意外にもその事実をすんなり認めました。

 

(4)分割弁済の和解

全額一括での返済は難しいとのことで、分割弁済の和解をすることとなりました。また、A子さんなのかB子さんなのかも確定しておかなければなりませんので、直接お会いして免許証などを確認し、さらに家族構成や勤務先等を聞いたうえで和解書にご署名等をいただくこととなり、実際に確認したうえで和解しました。

 

(5)和解の不履行及び法的手続

残念ながら一度も和解に基づく返済をしていただくことができず、訴訟を行いましたが一切対応されることなく勝訴となりました。

その後、勤務先の情報を得ていたため、給与を差し押さえるための強制執行の申立書を当方で作成して提出したところ、無事給与の差押えができました。

給与の差押えは、いわゆる手取り給与の25%しか回収できませんので、満額回収するのに3年近くかかりましたが、先日無事全額を回収することができました。

 

今回は、「A子」という名前は偽名であったものの、実際の住所は本当であったことや、姉の名前と言っていた「B子」が実際はA子さんの本名だったため人物の特定ができましたが、虚偽の住所や名前だった場合には回収は難しかったと思います。

 

以上、相手方が偽名だった場合の事案でした。

 

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6月 03 2021

勤務先の同僚への請求

「以前同僚だった人にお金を貸したが、約束の日には返してもらえず、相手方が転勤になってからは連絡も取れない」というご相談から始まりました。

 

ご相談いただく内容の中に、同僚への貸金というのは結構あるものの、「会社に迷惑を掛けたくない」、「大事にしたくない」等の理由で実際に手続をされないケースもあり、また、同僚であるがゆえに借用書などの証拠がないケースも多いです。

さらに、それほど多額の貸金ではないことも多く、費用倒れとまではいかないものの法的手続きを行うとあまりメリットがないケースもあります。

 

上記のご相談に関しては、同じ会社ではあるもののすでに転勤しているため職場では会うことが無いため人間関係的にはまったく問題ありませんでした。加えて、借用書を取っており、最大の良かった点としてはともに大きな会社にお勤めだったため任意での回収ができなくても、最終的には給与を差押えて回収できる見込みが高いものでした。

ただ、貸金の額があまり大きくなかったため、費用対効果が低い旨の説明をさせていただきましたが、「お金ではなく、逃げたことが許せない。最悪赤字になっても構わない。」ということでしたので、最終的には強制執行まで行うことを前提に手続を開始いたしました。

 

こちらについては、次のような流れで解決しております。なお、事件の特定を防ぐため、一定程度のフィクションが入っています。

 

 

1 住所の調査及び督促の通知

これは全件に共通することですが、通知書を送付する前に住所の確認を行い、その住所宛に督促に関する通知書を発送します。その通知書の中には、「〇月〇日までに支払いがない場合は法的手続きを執る」旨の記載がされており、それまでに連絡が来るケースもたくさんあります。

ただ、本件に関しては期限までに連絡がなく、相手方が遠方だったため訴訟を提起しました。

 

2 訴訟及び判決

証拠書類として借用書がありましたので反論されても十分勝訴できる内容でしたが、相手方は裁判所の呼び出しもすべて無視しており、すぐに勝訴判決が出ました。

 

3 強制執行の申立て

上記判決には仮執行宣言が付されていたため、判決の確定を待つことなく給与を差し押さえる旨の強制執行の申立てを行いました。

 

4 競合

給与の差押えをしたのが、1人であれば手取り給与の25%を毎月支払ってもらうことができます。

しかし、2人以上が差し押さえた場合、債権額に応じて配当を受けることになります。この複数名が差し押さえている状況を「競合」と言います。

今回の相手方は自動車ローンなども滞納していたようで、差押えが競合してしまいました。これにより、数か月に一度の割合で配当を受けることになります。

 

5 全額の回収

実は、上記の手続開始は平成時代に始まったものでしたが、何度かの配当を経て最終的には回収することができました。

 

当初のスタートは「お金ではなく、逃げたことが許せない。最悪赤字になっても構わない。」ということで、費用対効果は度外視で手続を進めさせていただきましたが、当事務所の報酬等をいただいても、貸金の半分程度はお手元に返ってきています。逆に言えば、手続をしても半分しか返ってきていないということですので、果たしてこれで良かったのかは分かりませんが、何はともあれ赤字になることなく手続が終えられて良かったです。

 

今回のポイントは、

①同僚とは言え、転勤により人間関係を気にする必要が無かった。

②借用書があった。

③大手企業にお勤めだったため、強制執行での回収可能性が高かった。

の3点にあると思います。もちろん、これらの条件を満たしていなくても回収できないことはありませんが、特に②と③は他のご依頼においても重要です。

 

以上、勤務先の同僚への貸金請求についてでした。

 

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5月 27 2021

駐車場代の滞納で不動産を失う…

先日、駐車場の滞納による、賃料の回収及び明渡し手続が完了いたしました。

約1年に渡る手続きとなりましたが満額以上の回収ができ、最高の結果になったと思います。すべてのご依頼がこのように上手く行くわけではありませんが、こういうケースもあるということで記載してみたいと思います。ただし、事件の特定を防ぐため、フィクションも入っています。

 

 

1 未払い賃料の請求及び明渡の催告

 

賃貸借契約に限った手続ではありませんが、賃料未払いを理由として賃貸借契約を解除するためには、未払い賃料の請求及び支払いがない場合は契約を解除する旨の催告をする必要があります(民法541条)。

さらに、賃貸借契約における特殊事情として、一般的には1か月分の延滞では解除はできず、最低でも3か月以上は滞納していないと解除は難しいとされています。

詳細はこちら → 賃料未払いの場合の解除の基準

 

今回は、3か月どころか年単位で延滞していたため、この点はまったく問題ありませんでした。

 

2 訴訟提起及び判決

催告をしたものの反応は無かったため訴訟を提起しました。さらに、相手方は裁判所の呼び出しに応じることは無く裁判を欠席したためすぐに勝訴判決が出ました。

なお、賃貸借契約書に、「契約解除後の賃料相当損害金は通常の賃料の2倍になる」旨の規定があり、こちらも認められました。つまり、賃料が仮に5万円だった場合に、契約解除後も明け渡しをしない場合は毎月10万円を請求できることになります。

 

3 明渡しの強制執行

住居の明渡しに関する強制執行は、生活の本拠を強制的に奪うことになるため慎重に進められるのですが、今回は駐車場の明渡しであったため初回の期日で明渡しが完了しました(ただし、一定期間に限り自動車を取りに来た場合は引き渡せるよう保管をしました。)。

駐車してあった自動車は数年前に車検が切れており、執行官からは無価値と判断されたため、保管期間経過後はこちらで処分して良いこととなりました。

自動車の処分については無料で引き取ってくれる業者さんがいるため、こちらについては費用を気にする必要はあまりなく、裁判所に納める強制執行の費用の数万円だけで済むこととなります。

 

4 執行費用額確定処分

あまり大きな金額ではありませんが、それでも数万円の費用がかかるため、自動車の明渡しに関する費用を確定するための手続を行います。これをしておくと、相手方の財産を差し押さえたときに、明渡しの強制執行に関する費用も回収することができます

 

5 不動産競売の申立て

実は訴訟を行っている時点で、相手方には相続で取得した不動産があることを突き止めていました。また、税金の滞納による差し押さえが入っており、すぐには売却されないであろうこともわかっていました。

これを受けて、知り合いの任意売却等を行う不動産業者に相談したところ、税金の滞納分を差し引いても全額回収できる可能性が極めて高いということで不動産競売の申立てを行いました。

不動産競売は、申し立てをする時点で70万円以上の費用を立て替える必要がありますし、申し立てをしてから回収できるまでに半年以上の時間がかかってしまいますが、資産価値さえあればかなり高い確率で回収できるため、不動産を見つけたときはすぐに依頼者に連絡しました。また、すべてではないものの70万円以上の費用も大部分は回収できますので、実質的な費用負担はそれほど大きくありません。

 

6 開札直前での任意売却

不動産競売の手続が着々と進んでおり、すでに入札も始まっていました。あと数日で開札というタイミングで、とある不動産業者が買い取り、全額を支払うので差し押さえを取り下げてほしいとの連絡がありました。これを受けて、上記のとおりの裁判所に納めた費用、明渡しの強制執行の費用、滞納していた賃料、さらには解除から明渡しまでの2倍の賃料相当損害金に至るまで完全に回収し、競売は取り下げました

 

 

当初は、未払いの賃料の回収はかなり難しいということで手続が始まっており、数十万円の赤字になることを想定してスタートしたのですが、賃料どころか賃料相当損害金まで回収できたことによって、当事務所の費用を控除しても80万円以上のお金が手元に入りましたので手続としては大成功だったと思います。

ところで、駐車場の賃料となると通常のアパートやマンションと比べるとそれほど大きな金額ではありませんので、滞納が年単位になったとしても100万円単位にはなりません。そんな金額なのに、相手方はなぜ不動産を失うまで放置していたのか今でも謎のままです。

 

最後に、訴訟手続や相手方との交渉は司法書士の代理権の範囲内ですが、明渡しの強制執行や不動産競売の申立てについては書類作成のみでの関与となります。このうち、明渡しについては私は代理人ではありませんので、賃貸人(依頼者)の方に立ち会っていただく必要がありますが、不動産競売は申立てをしてしまえばあとは裁判所が手続を進めてくれるので書類作成だけでも特段不都合はありません。

 

以上、未払い賃料の回収についてでした。

 

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3月 17 2021

総額表示について

消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法」という長い長い法律の規定により、特例により令和3年3月31日までは消費税込みの総額表示をする必要がありませんでしたが、令和3年4月1日から総額表示が義務付けられることとなりました。  
 

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それに伴い、(税別)と表示していた当事務所の報酬等についてすべて税込み表示に変更いたしました。 

なお、あくまで消費税のみの変更であり、純粋な当事務所の報酬については変更はございません

以上、お知らせでした。


2月 03 2021

専門家への報酬を相手方に請求したい(最高裁判決)

債権回収のご依頼をいただく場合、多くのケースでは相手方の責任において支払いがなされていないため、やむを得ずご依頼いただいております。当初の予定どおり支払いがされるのであれば、わざわざ費用をお支払いいただいてまで弁護士や司法書士にご依頼されることはありませんからね。

もちろん、相手方にも言い分があり、内容によっては相手方の主張の方が法的に正しいということもありますので、必ずしも全件相手方に責任があるというわけではありません。

 

さて、相手方の責任において支払いがされない場合、専門家への報酬の支払いや訴訟になった時に裁判所に納める収入印紙等の実費については本来支出しなくてもよ良かった費用な訳ですから、かかった費用についても相手方に支払ってほしいという要望をいただくことがあります。

この点、お気持ちについては十分理解できるのですが、実際にはほとんど請求ができません。こちらについて簡単にまとめたものがありますので、こちらをご覧いただければと思います。ざっくり申し上げると、「裁判所に納める実費等についてのみ請求でき、不法行為の場合に例外がある。」となります。

→ 相手に求めることのできる必要経費

 

先日、弁護士報酬を相手方に請求できるかどうかについて争われた訴訟の最高裁判決がありましたので、今回はこちらをまとめたいと思います。

 

 

1 不法行為に基づく損害賠償請求の場合

 

弁護士や司法書士等との契約は請求する方が自ら選び、当該弁護士等の間で報酬に関する契約をしているため、この費用を相手方に請求することは原則としてできません。

しかし、不法行為(例えば交通事故)によって生じた損害について相手方に損害賠償請求をする場合、弁護士等の報酬の一部を請求することができます

→ 最高裁サイト

→ 判決全文(PDF)

 

その理由としては、「相手方の故意又は過失によつて自己の権利を侵害された者が損害賠償義務者たる相手方から容易にその履行を受け得ないため、自己の権利擁護上、訴を提起することを余儀なくされた場合においては、一般人は弁護士に委任するにあらざれば、十分な訴訟活動をなし得ないのである。そして現在においては、このようなことが通常と認められるからには、訴訟追行を弁護士に委任した場合には、その弁護士費用は、事案の難易、請求額、認容された額その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる額の範囲内のものに限り、右不法行為と相当因果関係に立つ損害というべきである。」

 

となっており、端的に言えば、自己の権利を守るために訴訟を提起することを余儀なくされた場合、一般的には弁護士等に依頼しなければ十分な訴訟手続を行うことができないから、諸般の事情を考慮して相当と認められる額を相手方に請求することができるということになります。

そして、この金額はほとんどのケースで損害賠償額として認められた金額の1割となっております。

例えば、1億円の損害賠償請求を行い、判決では6000万円が認められ、弁護士報酬として1000万円を支払ったとします。この場合、弁護士報酬分の損害として認定されるのは6000万円の1割である600万円ということになり、差額の400万円については自己負担ということになります。

 

2 債務不履行に基づく損害賠償請求の場合

お金を貸した相手方が返済してくれない、土地の売買契約を締結したものの相手方が払ってくれない、請負契約で工事を行ったものの請負代金を支払ってくれないなど、契約した相手方が約束を守ってくれずに損害が生じる場合があります。

 

つい先日最高裁判決がされたものについては、正確には事案は異なるものの、概ね下記のような内容です。

 

(1)Aさんが、売主であるB社から土地を購入する旨の売買契約を締結した。

(2)契約の条件として、B社がAさんに引き渡す前に、B社の責任において①土地上にある建物は事前に取り壊しておく、②担保権について抹消しておく、③土地の測量を終えておく、などが定められておりました。

(3)契約して数日後にB社の代表者が行方不明になり、土地の引き渡しはもちろんのこと、上記①~③について何もされておりませんでした。

(4)Aさんは、上記問題を解決するため、弁護士に依頼し、すべての問題を解決しましたが1000万円近い報酬を支払いました

(5)Aさんは、B社の不履行によって弁護士に頼しなければならなくなり、約1000万円もの支出をしなければならなくなったのであるから、その分は売買代金と相殺する旨を主張しました(弁護士費用の約1000万円はB社が負担すべき)。

 

以上の点について、最高裁は以下のとおり判示しました。

→ 最高裁サイト

→ 判決全文(PDF)

 

契約当事者の一方が他方に対して契約上の債務の履行を求めることは,不法行為に基づく損害賠償を請求するなどの場合とは異なり,侵害された権利利益の回復を
求めるものではなく,契約の目的を実現して履行による利益を得ようとするものである。また,契約を締結しようとする者は,任意の履行がされない場合があることを考慮して,契約の内容を検討したり,契約を締結するかどうかを決定したりすることができる。加えて,土地の売買契約において売主が負う土地の引渡しや所有権移転登記手続をすべき債務は,同契約から一義的に確定するものであって,上記債務の履行を求める請求権は,上記契約の成立という客観的な事実によって基礎付けられるものである。そうすると,土地の売買契約の買主は,上記債務の履行を求めるための訴訟の提起・追行又は保全命令若しくは強制執行の申立てに関する事務を弁護士に委任した場合であっても,売主に対し,これらの事務に係る弁護士報酬を債務不履行に基づく損害賠償として請求することはできないというべきである。

 

端的に言えば、誰が請求の相手方(加害者)となるのか分からない不法行為の場合と異なり、債務不履行に基づく損害賠償請求の場合においては、契約の時点で相手方の状況などを踏まえて、契約の内容等を決めたり、そもそも契約するかどうかの判断をすることができるのであり、また、契約の内容によって相手方がなすべきことは確定しているのであって必ずしも弁護士に依頼しなければならないようなものではないから、弁護士報酬については請求できないということになります。

なかなか厳しいようですが、契約の相手方を見極める責任は契約当事者双方にあるのであるから、契約どおりに支払い等をしてくれなかったとしても、ある程度は自己責任ですよということになってしまいます。だからこそ、金融機関や消費者金融等においては、お金を貸したとしても支払ってくれないと困りますので、審査がありますよね。また、請負契約等においても、会社の状況を調べる調査機関なども存在しており、自己防衛するしかないということになります。

 

3 契約の内容において弁護士費用を相手方が負担することになっていた場合

 

契約をする際に、特約等において「債務不履行があった場合に、当事者の一方が弁護士等に依頼した場合、その費用は相手方が負担する。」というような相手方が弁護士費用を条項が定められている場合があります。

特に、マンションの管理規約において、管理費の滞納に関する請求において弁護士費用は滞納者が負担するような規定が定められていることがあります。

 

実は、この点については確定的な見解がなく、無効となる考え方もあれば有効とする考え方もあります

まず、無効とする考えについては、以下のような点が理由となります。

・必ずしも契約時において対等な立場ではなく(例えば、「金銭消費貸借契約」、「事業者と消費者との契約」等)、一方が無理やりまたは知らないうちに契約している可能性がある。なお、事業者が消費者に対して請求する場合は、消費者契約法によって無効となる可能性が高いと思います。

・弁護士報酬は、請求者と弁護士等との間の契約によって決まるので、損害は1万円しか出ていないのに、弁護士報酬が100万円という損害と弁護士報酬の関係がおかしな状況が出てくる可能性がある。

 

有効とする考えについては、以下のような理由となります。

請求された側の不履行によって請求者が費用を負担したのだから、その分は負担すべき。

・契約時において、不履行の場合の違約金(違約罰)を定めることが認められているのだから、その中に含めれば良い。

 

あくまで私見とはなりますが、ある程度合理的な金額を請求するのであり、請求された側にかなりの落ち度がある場合には有効となり、損害額と比べて弁護士費用があまりにも過大となるような場合には無効と判断されるのではないかと思います。

 

なお、高裁判決とはなりますが、相手方への請求(管理費の滞納をした人への請求)を認めた裁判例があります。

→ 平成26年 4月16日東京高裁判決(PDF)

 

判決理由として、

区分所有者に管理費等の滞納がある場合において、被控訴人が弁護士に法的手続を依頼することが必要になったときは、その費用を他の区分所有者に負担させるのではなく、当該区分所有者に負担させることを予め定めておくことにより、迅速かつ公正な問題解決を図るものである。この趣旨からすれば、被控訴人が委任契約に基づき弁護士に対し支払義務を負う一切の費用を当該区分所有者に負担させるものと解するのが相当であって、弁護士費用の額が著しく合理性を欠くなど特段の事情がない限り、当該区分所有者がその全額の支払義務を負うものというべきである。

としており、弁護士費用を相手方に請求することを認めています。

 

4 まとめ

 

以上から、弁護士報酬等の相手方への請求については以下のとおりです。

①原則として請求できない。

②不法行為に基づく損害賠償請求の場合は、訴訟において認められた損害額の1割程度を請求できる。

③契約において特約がある場合は、認められる場合がある。

 

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1月 21 2021

付郵便送達や公示送達における調査

任意の交渉がまとまらず、または交渉すらできない場合、最終的には訴訟等の法的手続を行うことになります。

訴訟を提起する場合、請求する側である原告が訴状等の関係書類を作成し、裁判所に提出することから始まります。ただ、この時点で裁判所に受付はされているものの裁判が開始されている状態にはなっておらず、訴状等の関係書類が請求される側である被告に到達したときに正式に始まることになります。これを係属といいます。

したがって、被告に訴状等が送達される(被告が書類を受け取る)ということはかなり重要なことなのですが、大企業であればそのような心配は無いものの、被告が個人だったり、社員数名の小さな会社だと留守などで送達されないことが結構あります。特に建物の明渡請求における被告は夜逃げしている場合もあり受け取らない可能性が高い傾向にあります。

 

このように被告に訴状等が送達されて初めて訴訟が正式に始まることになるので、故意に被告が受け取らないような事態を想定して、送達にもいくつかの方法が定められています。

送達の種類については過去にまとめていますので、こちらをご覧ください。 → 想いよ届け!【書類の送達】

 

いくつかある送達の中でも付郵便送達公示送達は、実際には被告が受け取っていないのに受け取ったことにしてしまうというかなり強力な手段であるため、それなりの調査をしなければなりません。

今回は、この調査についてまとめたいと思います。

 

 

1 役所での調査

基本的には被告の戸籍謄本や住民票の調査となります。

私ども司法書士等の士業については、ご依頼いただいた事件に関するものに限り、第三者の戸籍謄本や住民票等を取得することができますので、現住所や前住所等が分かれば比較的容易に調査できます(なお、あくまでご依頼いただいた事件に関するもに限って取得できるだけであり、無制限に取得できるものではありませんし、「住所の調査のみ」というご依頼をお受けすることもできません)。。

 

この点、士業以外の方であっても、正当な理由があれば、第三者の戸籍謄本や住民票を取得することができます(戸籍法10条の2住民基本台帳法12条の3)。

ただし、請求者の本人確認ができる書類(運転免許証等)のほか、請求する理由がわかる疎明資料(貸金請求であれば借用書、賃料請求であれば賃貸借契約書、売掛金請求であれば請求書など)が必要となります。

なお、一般的に貸金請求等で戸籍謄本が必要になるケースは少ないので、通常は戸籍謄本等は取得できませんが、相手方が亡くなっている場合には相続人に請求することになりますので、そのような場合に限り戸籍謄本は取得できることになります。

 

2 現地調査

実際に被告が当該住所にいるのかを確認するために現地調査を行います。

一番確実なのは、訪ねて行って被告と実際に出会えれば、それで終わりです。過去に何度か被告本人がいたことがあり、「裁判所に提出する必要があるので」と説明し、承諾を得たうえで写真撮影をしています。そのときに、「後日、改めて裁判所から書類が届くので、今度は受け取ってくださいね。」と説明するのですが、それでも受け取らない人が多いです。

 

ただ、実際には会えないことが多いため、住所地周辺を調査します。具体的には、電気メーターやガスメーターの状況、郵便受の状況(郵便物が溢れていないか等)、洗濯物の有無、夜間であれば明かりの有無などになります。オートロックのマンションだと建物内には入れませんので、集合ポストや洗濯物、夜間の明かりくらいしかできないことになります。これだと1日では判断できないので、何度か現地調査をする必要が出てきます。

 

また、戸建て住宅の場合は隣家の方にお話しを伺うこともありますし、アパート等であれば管理会社に電話して確認することもあります。

戸建て住宅だと、「〇〇さんと連絡を取りたいのですが、最近隣家の〇〇さんはご自宅に戻られていますか?」という感じで聞くと「いつもは何時頃帰ってきてるよ。」なんて教えてくれることがあります。

賃貸の管理会社においては個人情報の関係もありますので、なかなか詳細は教えてくれないことの方が多いですが、「〇〇〇号室は入居者の募集はされてますか?」みたいな聞き方であれば状況を教えてくれることもあります。

 

いずれにしても、確実な方法がありますので、その都度判断して調べるしか無いですね。

 

3 調査報告書

上記のとおり調査が終わった後に、調査結果を報告する書類を作成します。

裁判所のフォーマットは比較的簡素なものになっていますが、実際にはかなり詳しく記載しています。というのは、この報告書をもって「居住しているか・いないか」を裁判所が判断することになりますので、その判断ができる程度に情報提供をしなければならないからです。

したがって、報告書に加えて写真や取得した資料なども併せて提出する必要もあります。

あとは、裁判所の判断次第となりますが、場合によっては追加調査を指示されることもあります。

 

4 調査会社

ちなみに、このような現地調査等を行う業者さんも存在します。私は依頼したことはありませんが、場所によって3万円から15万円とのことですので、被告が遠方に居住している場合は依頼するメリットがあるかと思います。

 

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1月 04 2021

不動産の強制競売について

債権回収を行う際、当然ですが、まずは相手方と交渉を行い、話し合いによって一括または分割で支払ってもらうことがベストです。結果として、回収できる金額が一番大きく、訴訟費用や強制執行に関する費用がまったくかからないためです。

 

しかし、相手方が交渉に応じない、または交渉をしても合意できない場合は残念ですが、訴訟等の法的手続を執らざるを得ません。訴訟提起後にも訴訟上の和解をすることはありますが、当事務所でお受けしている事件の多くは、相手方が訴訟手続自体を無視して判決まで至ります。

 

ここまで来てしまうとあまり良くありません。

財産があれば、差押えて回収することができますが、訴訟手続を無視するような方に差し押さえができるような財産があるケースはほとんど無いからです。

この点、財産が無かったとしても勤務先が分かるようであれば給料を差押えて回収することができます(ただし、概ね手取り給与の25%です。)。一方、預貯金の口座を差押えても口座にお金が入っていることはほとんどなく、動産執行をしてもめぼしい財産はまずありません。

あとは、繰り返し強制執行を行うか、どうにかして財産を見つけていただくか、粘り強く交渉を続けるか、という話になってしまいます。

 

ところで、上記のとおり判決まで行ってしまうとなかなか全額回収が難しくなるのですが、ほぼ確実に回収できるケースがあります。それが不動産執行(不動産の強制競売)です。

財産価値がある不動産であれば少なくとも数百万円は配当に回ります。そして、当事務所の業務の性質上、数百万円、数千万円の債権回収を行うことはありませんので、まず間違いなく全額回収ができます。

とはいえ、100万円前後の負債のために不動産を失っても良いと考える人は多くありませんので、不動産を持っている人を相手に訴訟手続をする場合は、その時点で和解ができることがほとんどなのですが、稀に不動産をお持ちなのに訴訟手続を無視し、競売手続に進んだケースが何度かあります。当事務所でも、現在進行形で競売手続が進んでいる案件があります。

 

ということで、今回は不動産競売の流れ等についてまとめたいと思います。

 

 

競売申立の前提

 

競売申立を行う前提として、判決等の債務名義を取得している必要があります。

また、当たり前ですが、相手方名義の不動産があることが必要です。

この点、相手方の親族や会社などの第三者名義になっているものは差し押さえることができません。売掛金など会社が相手の場合に社長個人の不動産を差押えたいというお話がありますが、名義が法人と個人では別であるためこちらも差押えることはできません。このような状況で社長個人の財産を差押えるためには、会社に対する債務について社長個人に連帯保証をしてもらっており、かつ、社長個人に対する判決等の債務名義が必要になります。

 

さらに、実質的な問題として、不動産に価値があることが必要です。

例えば、山奥にある土地や建物については、競売になっても価値が無いと判断されることがあり、競売費用にも満たない場合は裁判所の職権で競売が取り消されてしまいます。競売申立の際に70万円以上の予納金等の実費を納めていますので、逆に損失が増えてしまいます(ただし、予納金等の大部分は還付されます。)。

 

また、担保権者等がいる場合も注意が必要です。

もし、不動産の価値が2000万円あったとしても、住宅ローンに関する抵当権や税金の差し押さえなどがあり、抵当権者や差押債権者の債権額が2500万円あるのであれば、結果として1円も入ってこないことになりますので無意味です。もっとも、不動産の価値を正確に算出することは難しいですし、住宅ローンの残債額や税金の滞納額などを事前に調査することはできませんので、不動産業者に相談したり、借入時期や差し押さえの内容を見て推測するしかありません。

例えば、住宅ローンを組んだのが20年前であれば返済によりかなり減っていると思いますが、数年前だとほとんど減っていないと思います(返済方式の主流である元利均等払だと借入当初の数年はほとんどが利息に充当されています。)。また、税金の差押えについても、役所が県税事務所であれば自動車税や県民税、商売をされている方であれば事業税や消費税になり、商売をされている方だとかなりの額になることが予想されます。市税事務所であれば、固定資産税や市民税等であり、かなりざっくりですがある程度推測することができます。

 

このような担保権や差し押さえの有無に関する情報は不動産の登記事項証明書を取得することによって調べることができます。

なお、当事務所では、任意売却や差押関係に強い不動産業者と提携しておりますので、こちらを相談しながら進めていきます。

 

申立てから配当まで

 

競売手続のキモは上記がほとんどであり、いったん申立てをしてしまえば、あとは裁判所(及び執行官)が主導して進めてくれますのであまりやることはありませんが、不動産を強制的に売却してしまうという相手方にとってかなりのダメージとなる手続ですので、極めて慎重に手続は進むこととなり時間がかかります。

ざっくりとした流れとしては、①申立て → ②開始決定 → ③現況調査と評価 → ④入札や開札 → ⑤代金納付 → ⑥配当 となり、早くても半年程度、長いと1年程度かかります

配当の時点で利息等を計算した「債権計算書」を裁判所に提出し、あとは競売申立に要した費用などを含めて配当され、終了となります。

 

なお、申立ての時点で少なくとも70万円の予納金に加えて、登記事項証明書等の必要書類の取得費用や差し押さえの登記のための登録免許税などの実費もかかりますので、予納金と合計すると申立て時点で72万円~75万円程度の費用がかかりますが、大部分は配当の中で返ってきます。

 

和解による取下げや任意売却による終了

 

競売の申立てをしたとしても、必ず強制的に売却されるわけではなく、途中で終わることもあります。

①取下げ

競売手続中に相手方から全額を一括で支払う等の打診があり、和解して取り下げることがあります。上記のとおり最低でも半年以上はかかりますので、和解で解決できるのはベストですし、相手方としても不動産を失わなくて済むのでどちらにとっても良い結論になります。なお、競売手続に要した費用も合わせて支払ってもらわないと和解しませんので、債権者が損をすることはありません。

 

②任意売却

任意売却とは、競売ではなく通常の売買で不動産を処分することを言います。一般的に競売だと価格が低くなる傾向がありますので、任意売却によって少しでも高く売りたいというケースもありますし、競売だと誰が落札するかは分からないので、相手方が今後も使用するために相手方の親族等が買い、その親族から賃借して居住し続けたいとの理由で、競売申立後に任意売却になることがあります。

この場合も、上記の和解と同様に、任意売却の際に競売申立費用も含めて全額を一括で支払ってもらいますので、競売手続が進むよりもこちらの方が良い結果となります。

 

 

 

そもそも当事務所が行う業務の相手方が不動産を持っていること自体が少なく、さらには競売になっても配当が得られるようなケースは極めて少ないため、なかなか不動産競売まで進まないのが実情ですが、もし該当する場合は、ある程度時間がかかるというデメリットがあるものの、手続に乗せられるようであればほぼ確実に全額回収できるのでかなり良い結果が期待できます。

 

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