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1月 17 2020

消滅時効に関する改正

債権回収をするに当たって,当然確認する点としては消滅時効です。

令和2年4月1日から施行される民法の改正に当たり,時効に関する点も改正されることとなり,中には用語自体も変わったりしているので,まとめておきたいと思います。

 

 

消滅時効とは

 

以前この点についてまとめておりますので,こちらをご覧いただければと思います。

→ 時効についての注意点

 

改正の内容

1 消滅時効の期間を一律に

時効によって権利が消滅するための期間は,原則として10年になります。ですので,友人にお金を貸した場合,返済予定日から10年経過すると時効になってしまいます。

これに対し,銀行が融資をしたように,商売としてお金を貸した場合には5年で時効になってしまいます。現実的に銀行ではあまりありませんが,消費者金融や信販会社からの借金について,5年が経過したことで消滅時効の通知を送ることが結構あります。

さらに,債権の種類によっても時効の期間が個別に定められており,工事の請負代金は3年間,弁護士の報酬は2年間,飲食代(いわゆる「ツケ」)は1年間というようにややこしい規定になっておりました。

今回,この短期消滅時効について一律に「権利を行使できると知ったときから5年間(もしくは権利の行使ができるとき10年間)」に改正されます。

したがって,今までは飲み屋のツケは1年支払わなければ時効となりましたが,改正後は5年間となりますので,飲食店の経営者や工事業者としては請求できる期間が長くなり良い改正ということになりますが,個人間の貸し借りの場合は5年になってしまいますので良くない改正ということになります。

なお,不法行為に基づく損害賠償請求は基本的に従前どおりとなりますが,生命身体に対する侵害については「損害及び加害者を知ったときから3年」だったものが「損害及び加害者を知ったときから5年」になりました。

 

2 用語の変更(更新と完成猶予)

債権者としては時効が完成してしまっては困りますので,債権者側から時効の進行をリセットする「中断」という手続きがありました。具体的には訴訟を提起したり,債務者に債務の存在を認めてもらう(債務承認)と方法です。

この「中断」が「更新」になりました。文字として,中断だと一旦停止というニュアンスがありますが,中断はリセットという意味ですので,更新の方がより分かりやすいかと思います。

また,一時的に時効の進行をストップさせる「停止」という制度がありました。これは,大地震などが起こり,現実的に時効の中断ができないようなときには,地震が収まってから2週間は時効が完成しないという制度です(民法161条)。この停止も「完成猶予」という用語に変わり,期間も3か月に伸びました

 

具体的に説明させていただくと,令和2年12月31日の経過をもって時効が完成してしまう場合に,令和2年11月30日に債務者が承認して時効が更新された場合は改めてこの日から5年が経過するまでは時効が完成しないことになります。

また,同じ状況で令和2年11月30日に地震が起こり,令和3年1月10日に影響が無くなった場合には,ここから3か月が経過するまでは時効の完成が猶予されることになります。

 

3 改正の影響を受ける債権

 

民法が改正されるのは今年の4月1日からですが,前日までに発生した債権については従前のままとなります。

ですので,令和2年1月17日に発生した個人間の貸し借りに関しては,5年ではなく10年ということになります。

 

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12月 26 2019

回収が大変な「売掛金」と「未払い賃料」

今月に入り,売掛金の回収及び未払い賃料の回収(建物明渡請求)のご依頼が続いております。

この2つの債権回収は,経験上うまくいくとすぐに回収できるものの,すぐに解決できない場合は最後まで回収できないケースが多いです。

以下,この点についてまとめたいと思います。

 

 

売掛金の回収

 

売掛金というのは,端的に言えば商売上の取引によって生じたものです。今後とも引き続き取引を行う意思があるようであれば,できる限り滞ることはなく支払うのが通常です。ですので,相手によっては,単に通知を出しただけで100万円単位の金額をすぐに支払ってくれることもあります。

しかし,相手が払いたくても払えないような経済状況まで来てしまっているよう場合,通知書を出しただけで回収できるどころか,訴訟をしたとしてもお金がないので回収するのが大変ということになります。

この点,個人間の金銭トラブルであれば,相手方が給与を得ていることが多く,その給与を差し押さえれば時間はかかるものの少しずつ回収ができます。しかし,売掛金の場合だと,相手が法人だと法人そのものの財産を差し押さえなければならないものの,法人成りしたような会社だとあまり財産がありませんで差し押さえられる財産がほとんどありません。また,相手が個人事業主だった場合は給料を差し押さえるということが考えられませんので,この点から回収が難しくなります。

とはいえ,手続をしても無駄かというとそういう訳でもありません。例えば,預金口座にほとんどお金が入っていなかった場合はその口座を差し押さえても現実的にはまったく回収できませんが,相手がその預金口座がある銀行から融資を受けているような場合,差押えが入ると取引を切られることになりますので大問題になります。すると,どこからか返済金を用立てて支払ってくれるということもあります。その他,資金繰りをどうにかして,分割で支払ってくれるというケースもありますので,手続を進める意味はあるかと思います。

 

未払い賃料の回収

ご依頼いただく際にいつもお話しするのですが,未払い賃料について現実的な解決方法は「すぐにでも入居者を退去させたうえで,新しい入居者から賃料を得る。」だと思います。

自宅というのは生きてくうえで絶対に必要な場所であり,入居者の誰もが賃料を支払わなければ最終的に追い出されるということは認識しています。それすらも払えないような状況にあるのであれば,今後の家賃に加えて,延滞している賃料を分割で回収するというのは現実的ではありません。特殊な事情(例えば,交通事故などで一時的に働けなかった。)があるようであれば別ですが,特に何もないのに支払えないようであれば回収は難しいと思います。

ですので,その方からの家賃は諦めたうえで早く正常な家賃を別の方からもらう方が結果としては良い方向に進むと思います。

なお,入居者自身からの回収は難しいですが,保証人がいる場合は比較的早期に解決できる場合があります。過去にも,入居者は年配の方で,そのお子さんが保証人でしたが,保証人に連絡しただけで100万円単位の未払い賃料を回収したこともあります。また,数年かけて全額回収したケースとなりますが,こちらも入居者本人ではなく保証人から支払ってもらいました。

 

ということで,売掛金の回収や未払い賃料について,一般論としては全額を回収することはなかなか難しいと思いますが,当事務所は着手金なしで進めることもできますので,諦める前に一度ご検討いただければと思います。

 

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10月 21 2019

相手方からの質問

貸金請求などで相手方に対して郵便で督促などを行うと,その際に相手方から質問を受けることがあります。

私は依頼者側の立場ですので,当然ながら依頼者の不利益になるようなことは話しませんが,かといって相手方を騙すようなこともしませんので,可能な限り回答できることは回答しています。

 

 

「遅延損害金も支払う必要があるか」

督促をしているということはすでに期限を過ぎていますので,遅延損害金に関する約定がなかったとしても,法的には当然に請求することができます。したがって,請求することには何ら問題はないのですが,依頼者によっては「一括であれば離縁損害金は請求しなくても良い」と仰っていただけることがありますので,この点は質問してもらった方が良いかと思います。もっとも,当然には放棄はできませんので,依頼者が納得できるほどの条件が必要になってきます。

 

 

「自分も弁護士や司法書士に依頼すれば良いのか」

この点は,私は判断する立場にないためご自身でお考えいただくしかない旨を伝えておりますが,一般論としては弁護士や司法書士を入れていただいた方が交渉がスムーズに進みますので,本音としてはぜひ依頼してほしいと思っています。

なお,訴訟手続を無視し続け,すでに判決が確定した後に同様の質問を受けることがあります。もちろん,依頼されるのはご自身の自由ですのでどのようにされても構わないのですが,判決が確定した後に当該判決をひっくり返すのは特別な事情が無い限り不可能ですので,あまりお勧めしません。

 

 

「払わなかったらどうなるのか」

一般論としては,法的手続に進む旨を伝えますが,こちらが想定している具体的な手続(例えば「判決を取って〇〇銀行の預貯金を差し押さえる予定」など)をお伝えすることはありません。

ただ,明渡請求の場合は,はっきりと「このままの状況が続くと,法的手続を執って最終的には強制的に明け渡していただくこととなります。」と伝えます。これにより,自ら退去してもらえる可能性が大きくなるためです。

 

「時効ではないのか」

それほど多くはありませんが,長期間家賃を滞納されている場合に,一部の家賃について消滅時効が完成していることがありますが,このような場合でも当事務所では全額請求します。というのは消滅時効は,あくまで債務者(賃借人)の時効の援用があって初めて効果が生じますので,消滅時効完成分についても請求することは問題ないからです。当然ながら,相手方から消滅時効の援用がされればその分は請求しませんが,今のところそのような事例に該当したことはありません。

では,いつ聞かれるかというと,貸金の返済を数年放置した後に請求した際に「時効ではないのか」と聞かれることがあります。個人間の貸金は10年間時効にはなりませんので,この質問を受けて実際に時効だったことは一度もありません。したがって,「時効は完成しておりません」と回答しています。

なお,本当に時効が完成している場合に,援用ではなく質問を受けた場合には「私は回答する立場ではないので,お近くの弁護士や司法書士にご相談ください。」と回答すると思います。

 

相手方と無用なケンカをする必要はないためできる回答いたしますが,いずれにしてもこの点は依頼者の方の要望次第となりますので,回答しにくい質問については適宜相談させていただきます。

 

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9月 18 2019

賃貸借契約における保証人に関する改正

先日,平成28年から建物明渡及び賃料請求の手続を進めていた件について,無事全額回収して終了いたしました。

 

 

この判決文に記載のある「被告ら」となっているのは,賃借人と保証人の双方を含んだ表現であり,約92万円を支払う内容になっていますが,実際には遅延損害金なども含めて保証人から150万円近く回収しております。

このように,現状では賃貸借契約についての保証人となってしまうと,契約から生じる様々な債務について際限なく負担しなければならないことになっております。大家さんとしてはその方が回収可能性が高まるので良いのですが,実はこのような保証契約に関して法律の改正が予定されております。

今日はこの点について,まとめたいと思います。

 

現在の規定

 

現在の保証に関する条文は,以下のとおりとなっております(一部抜粋)。

 

【民法446条】

保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。
保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない

【民法447条】

保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。
保証人は、その保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定することができる。

 

つまり,保証契約は書面でする必要があり,利息や違約金,損害賠償債務なども丸っと負担することになっています。

 

したがって,上記の判決にあるように,滞納している家賃に加えて,明渡しまでに発生する賃料相当損害金についても保証人についての支払い命令が出ています。こうすることで,例え賃借人が逃げてしまっても保証人から回収する道が残されています。もちろん,保証人にも逃げられてしまった場合には,なかなか回収は難しくなります。

 

改正の内容

 

実は民法の改正は近時たくさん行われており,つい先日も相続に関する改正がなされたばかりです。

→ 令和元年7月1日からの相続法改正の施行について

 

そして,今回は債権法と呼ばれる分野の改正法が令和2年4月1日から施行されることになっております。この改正法は保証だけでなく,瑕疵担保責任から契約不適合責任などたくさん改正があるのですが,今回は賃貸借契約に関する保証の部分だけ記載いたします。

 

1 上限の定めのない根保証契約は無効!

根保証とは,一定の取引から生じるすべての債務について保証するというものです。一番分かりやすいのは上記のとおり賃貸借契約から生じる保証契約であり,滞納した賃料だけではなく,建物の原状回復費用や損害賠償債務なども保証することになるので,保証人としては保証契約をした時点ではどれくらいの金額を保証しているのか確定しません

 

一方,例えば住宅ローンの保証人となった場合,最大でも借りた金額+利息等となりますので,ある程度保証する金額が確定します。このような通常の保証契約は今回の改正の対象には含まれておりません。

 

これまでと同様に,上限金額を決めないで根保証契約をした場合には根保証契約自体が無効になります。つまり,保証人が存在しない状態になるということになりますので大問題です。

 

ということで,根保証契約を締結する場合は,具体的な上限金額を決めなければなりません。

例えば,「100万円を限度に保証する。」,「月額家賃の10か月分(総額100万円)を限度に保証する。」などと定める必要があります。なお,法律上上限額に関して定めはありませんが,仮に「月額家賃の1万年分」などと定めてしまうと,事実上上限がないので無効になってしまう可能性があります。当然ながら裁判例などはありませんので具体的な金額は難しいのですが,最大でも月額家賃の2~3年分程度くらいにしておいた方が良いかと思います。

 

2 上限を超えた場合は保証が及ばない

当たり前の規定となりますが,極度額を超える金額については保証人に請求することはできません。上記の例で言うと,仮に120万円の滞納家賃があったとしても,20万円については保証人に請求できないということになります。

 

3 特別な事情による保証契約の終了

現行法においては,保証人が死亡した場合,保証人の相続人が保証債務を相続することになります。本件とは直接関係ありませんが,過去に当事務所では,ご自身は一度も借金をしたこともないし,誰かの保証人にもなったことがないのに自己破産の手続を進めたことがあります。これは,ご自身の父親が保証人になっており,その父親が亡くなったことから,保証債務を相続したことによるものです。

 

話を戻し,このように「保証人の死亡」というものは保証契約の終了事由にはなっておりませんし,金額を確定する事由にもなっておりません。

しかし改正法においては,保証人が死亡した場合,保証債務を相続することは変わりがないものの,保証する金額が死亡時点で確定することになっています

例えば,保証人が死亡した時に,賃借人に3か月分の家賃の滞納があった場合は,保証人の相続人は3か月分の滞納家賃は支払う必要がありますが,それ以降の分については支払う義務がありません。

 

また,上記については,保証人の死亡のみならず賃借人の死亡にも該当します。つまり,賃借人が死亡した時に3か月分の滞納があった場合,それ以降の家賃については保証人は支払い義務を負いません。なお,勘違いしそうになりますが,賃借人が死亡した場合,賃借人の相続人が賃借権を相続することになりますので,原則として賃貸借契約はそのまま継続することになります。もっとも,上記のとおり,保証契約は賃借人の死亡時点で保証額が確定することになりますので,別途保証人の追加を求められることになると思われます。

 

4 賃借人の情報提供義務

事業用(店舗や事務所等)の賃貸借契約に限定されますが,賃借人は保証人に対して財産の状況や他の債務の有無などについて情報提供する義務があります。

もし,正確な情報提供をせずに保証人が保証契約を締結した場合は,保証契約を取り消される可能性があります。したがって,大家さんとしては,保証契約書の中に,「債務者が保証人に対して適切な情報提供を行い,保証人は当該情報提供に納得した上で保証契約を締結した」というような文言を入れておくべきだと思います。

なお,保証人が会社(例えば,家賃保証会社など)の場合には適用されません

 

5 経過措置

上記の改正法は,施行日(令和2年4月1日)時点で有効な契約については,従前のままとなります。したがって,現在契約中のものについて契約書を作り直す必要はありません。しかし,一般的には契約は数年に一度更新の時期を向かえますので,その時に上記のような改正法を踏まえた契約書に変更しておかないと,保証契約が無効になるなど大変なことになってしまう恐れがありますので注意が必要です。

 

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8月 10 2019

少額訴訟について

数年前までは少額訴訟は,デメリットの方が大きいと思っており,少額訴訟が使える事件でも通常の訴訟で進めていたのですが,最近は少額訴訟を選ぶことも多くなってきました。

ということで,今回は少額訴訟についてまとめてみたいと思います。

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少額訴訟とは

 

少額訴訟については民事訴訟法366条以下に規定されており,簡易裁判所の訴訟手続における特則となります。少額訴訟を提起するためには,次の2つの条件を満たしている必要があります。

 

(1)60万円以下の金銭請求であること

金銭請求でなければなりませんので,一番分かりやすいのは貸金請求になるかと思いますし,未払い賃料の請求や請負代金の請求なども金銭請求になります。しかし,賃料の未払いに基づいて明渡を求めることはできませんし,物の引き渡し(例えば「車を引き渡せ」)などは通常の訴訟にて行う必要があります。

 

(2)同じ裁判所では1年に10回まで

個人が利用することを想定した手続であるため,1年間に10回までしか少額訴訟はできません。もっとも,1年に10回以上行うのはサラ金等の貸金業者くらいかと思いますので,個人の方にはあまり関係がありません。また,あくまで同じ裁判所での上限が10回というだけですので,別の裁判所に管轄があるのであれば,10回以上少額訴訟を提起することは可能です。

 

少額訴訟の特徴(メリットやデメリットも含む)

少額訴訟を選ぶに際してメリットやデメリットがありますし,また少額訴訟特有のものもありますので,この点についてまとめてみます。

ピンク色がどちらかというと原告にとってメリットであり,紫色がどちらかというと原告にとってデメリットになり,黒のままなのはどちらでもないものになります。

 

①1期日審理の原則

裁判と聞くと,場合によっては何年もかかるイメージがあるかと思いますが,少額訴訟は1回の期日で終わりますのでかなり迅速に進みます。ただし,1回の審理で終わってしまうということは,あとで証拠を追加するということもできませんので,しっかり準備をしたうえで訴訟を提起することになります。

 

②反訴の提起ができない

これは被告側の立場になりますが,通常の訴訟の場合,訴えられた場合に訴えし返すという反訴が認められています。例えば,交通事故で治療費などの請求を受けた場合に,逆にこっちが支払ってほしいということで反訴をするというようなケースがあります。少額訴訟ではこのような反訴が認められていません。ただ,少額訴訟の手続上反訴が認められていないだけで,通常の訴訟手続で請求することは可能です。

 

③通常訴訟への移行されることがある

被告は特に理由なく,少額訴訟ではなく通常訴訟で審理すべき旨を求めることができ,その場合は必ず通常訴訟に移行します。

 

④公示送達はできない

相手が行方不明でも訴訟を行うことができ,その場合は公示送達という裁判所の掲示板に呼び出し場を貼る方法で相手方に通知をします(事実上,相手が知ることはありません。)。しかしながら,少額訴訟に関しては公示送達が認められておらず,相手が行方不明の場合は少額訴訟は選択できません。

 

⑤勝手に分割弁済にされることがある

通常の訴訟において,和解が成立しなければ一括で支払えという判決が出されますが,少額訴訟の場合は相手方の経済事情などを考慮して分割によって支払っても良い,もしくは遅延損害金は免除するというような,完全に原告が勝訴するような事案でも被告に有利な判決が出されることがあります。この判決には不服を申し立てることができません。

 

⑥控訴ができない

通常の訴訟においては,判決に不服があるときは,上級の裁判所に対して控訴することができます。しかし,少額訴訟は控訴ができないことになっており,異議の申し立てのみ認められています。異議の申し立ては,上級の裁判所ではない,判決をした当該裁判所に出すものであり,同じ裁判所が審理をします。ただし,異議後の判決についても控訴は認められておりません。

 

⑦必ず仮執行宣言が付く

強制執行をするためには判決後に判決が確定しなければなりませんが,例外的に仮執行宣言が付いている場合は判決後すぐに強制執行ができます。通常の訴訟でも仮執行宣言が付くことが多いのですが絶対ではありません。それが少額訴訟の場合は必ず仮執行宣言が付くので,迅速に強制執行に進むことができます。

 

⑧少額訴訟債権執行制度が利用できる

通常の訴訟の場合,強制執行は地方裁判所の管轄となりますが,少額訴訟債権執行については判決をした裁判所がそのまま強制執行の手続ができます。もっとも,手続の時間が早くなるかというとそれほど変わらないように思いますし,費用も特に変わりませんので,そこまでメリットがあるかというと微妙です。司法書士の立場としては,通常の強制執行は書類作成にすぎませんが,少額訴訟債権執行は完全に代理人として手続を進めることができるという違いがあります。

 

当事務所では

もちろん,個々の事件によって適切な手続がありますので一概には言えませんが,上記をご覧いただくとお分かりになるとおり,少額訴訟のメリットというのは1期日で終わるということくらいで,それ以外はあまりメリットはありません。むしろ,公示送達が使えなかったり,分割弁済の判決が出される可能性があるなどデメリットの方が大きいと思っていたのでほとんど利用していませんでした。

ただ,実際には通常訴訟への移行を求められたことはなく,判決も分割になったことはないので,やはり1回で終わるというメリットは大きいと思い最近はよく選んでいます。

また,少額訴訟は弁護士や司法書士などの専門家に依頼しなくても,ご自身でも進められるよう制度設計されており,専用の用紙も裁判所に備え付けられています。

もし,ご自身で進めたいということであれば,少額訴訟を選んでみるのもいかがでしょうか。

 

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5月 30 2019

ハンコについてあれこれ

日頃何気なく使っている,「ハンコ」や「印鑑」,重要な時に使う「実印」や「認印」,はたまた契約書などの書類にハンコを押すときの「押印」や「捺印」,複数のページになる場合の「割印」や「契印」など,ハンコに関して実は本来の意味とは違う意味で使っていることがあります。

今日は,ハンコに関する情報をまとめてみたいと思います。

 

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ハンコは印鑑ではなく印章

 

朱肉を付けて書類にポチっとするハンコ。あれは正式には「印章」と言います。もちろんハンコでも構いません。この点,「印鑑」と呼ぶこともあるかと思いますが,実は「印鑑」は誤りです。

「印鑑」というのは,名前が彫ってあるハンコの事ではなく,朱肉を付けて押したときに映る「印影」を登録している紙のことを言います。その紙が役所に保管されておりますので,「役所に登録してある印影(印鑑)の証明書」が印鑑証明書ということになります。もっとも,現在は紙で登録されていることはなく,データとして登録されています。

ただ,実際にはハンコのことを印鑑と呼ぶことが多いので,私もハンコのことを印鑑と呼んでいます。

 

実印と認印は登録の有無

 

上記のとおり,役所に印影を登録してあるハンコのことを俗に「実印」と呼び,そうでないハンコのことを「認印」と呼びます。したがって,すごく立派なハンコを作成しても役所に登録していなければ認印ですし,100円ショップで買ってきたハンコを登録すればそれが実印となります。なお,実印,認印ともに法律用語ではなく俗称となります。

また,重要な契約のときに実印での押印を求められることがあるかと思いますが,法的な効力としては実印でも認印でも効力が変わることはありませんし,もっと言えばハンコでの押印がなくても署名があれば有効な書面となります(民事訴訟法228条4項)。よく,「今日ハンコを忘れたので指で押します。」みたいなことがありますが,法的にはあってもなくても効力は同じです(ただし,本人が署名したことを否認した場合に指印で立証することはあると思います。)。

ただ,署名の場合は本当に本人が書いたのかどうかの判断が難しく,認印だと第三者が押印したものも同じ印影であるため,本人しか持っていないだろう実印を押印した方が本人の関与を立証しやすくなるため,重要な契約では実印での押印を求めることが多いと思います。

なお,法的な効力は別問題として,手続的にご本人が関与していることを証明するために必ず実印での押印を求められることがあり,その場合は必ず印鑑証明書(通常は発行から3か月以内)の添付を求められます。例えば,不動産の売買に関する登記申請の際には売主さんの印鑑証明書が必要書類となっておりますし,自動車の売買だと当事者双方の印鑑証明書の提出を求められます。

 

押印と捺印は基本的に同じ

 

ハンコを押すことを「押印」と言ったり「捺印」と言ったりしますが,どちらもハンコを押すという意味は同じでありどちらでも正しいです。両方の頭文字をとって「押捺」と呼ぶこともありますが,これも同様です。

ただ,使い方として押印は「記名押印(ゴム印やすでに印字してあるものにハンコを押す)」として使われることが多く,捺印は「署名捺印(自ら署名をしたうえでハンコを押す)」として使われることが多く,押捺は「ハンコを押すことに加えて指印を押すことも含む」と微妙に違いがありますが,いずれも「ハンコを押す」という意味としては同じですので,結局はどれでも良いということになります。

 

割印と契印は複数の紙に跨って押印

 

契約書が2ページになるときに,1ページ目の裏と2ページ目を重ね合わせてハンコを押すことがあります。一般的に「契印」や「割印」と呼ばれていますが,これは「契印」となり「割印」は誤りとなります。

契印は当事者が知らぬ間に契約書の一部が抜き取られたり加えられることを防ぐためにハンコで痕跡を残しておくことに加えて,一連一体の契約書等であることの証明にもなり,契印がないと役所での申請が通らないことがありますので結構重要な行為です。

一方,割印とは正副など同じ書類がある場合に,どちらも同じ内容の書類であることを示すために正副の書類に重なるように押印したり,関連する書類について重なるように押印することを指しますので,実生活上では割印をするケースというのはあまり多くないと思います。

なお,切手や収入印紙などが使用済みであることを示すためにハンコを押すことを「割印」と呼ぶことがありますが,これも誤りであり正しくは「消印」と呼びます。

 

ということで,雑学的な内容になってしまいましたが,この仕事をしていると間違って使ってしまうと恥ずかしいケースがありますのでまとめてみました。

 

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4月 04 2019

差押の競合

先日,給与差押えの手続を行ったところ,競合してしまいました。預貯金の競合は結構あるのですが,給与差押えでの競合はあまり無かったので,今回は競合についてまとめてみたいと思います。

 

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差押えの競合とは

 

原則として,債権を差し押さえた場合,一定期間経過後は直接取り立てて良いこととなっております(民事執行法155条1項)。したがって,預貯金を差し押さえた場合は金融機関と,給与を差し押さえた場合は債務者の勤務先と直接交渉をして支払ってもらうこととなります。

このように差し押さえが1件だけであればその債権者が独占すれば良いため特に問題とはなりませんが,複数人が同一の債権を差し押さえをすることがあります。この場合に,複数人の差押債権額の合計が債務者が有する債権額を超える場合を「競合」といいます。

 

具体的に記載すると,債権者である甲さんが,債務者である乙さんの預金を差し押さえようと考え,A銀行の預金を差し押さえたとします。ところが,丙さんも乙さんに対して債権を持っており,同一のA銀行の預金を差し押さえました。

この場合に,

(1)甲さんの債権100万円,丙さんの債権50万円,乙さんの預金が200万円という場合であれば,A銀行は甲さんと丙さんにそれぞれ全額支払えば良いだけですので競合とはなりません。

 

しかし,

(2)甲さんの債権100万円,丙さんの債権50万円,乙さんの預金が120万円という場合,A銀行は甲さんと丙さんに全額弁済することができませんので競合となります。

 

なお,租税債権等の例外を除き,「債権者平等の原則」により,早い者勝ちとなるわけではなく,金額,支払時期等に関係なく債権者は平等に扱われますので,先に差し押さえた甲さんが全額弁済を受けるということにはなりません。

 

競合した場合の処理

 

競合した場合,乙さんの預金があるA銀行は甲さん及び丙さんに弁済することはできなくなります。この場合,A銀行は法務局に預金120万円を供託しなければなりません。これを執行供託といいます。

その後,供託された120万円は裁判所の配当手続によって甲さんと丙さんに配当され,差押手続は終了となります。

 

ということで,通常の預貯金であればこれで終わるのですが,給与債権の場合は,これが毎月生じることになります。

つまり,債務者の勤務先は競合している以上,毎月手取り給与の25%(民事執行法152条1項)を法務局に供託し,裁判所は毎月配当手続を行うことになります。もっとも,現実的に毎月配当手続を行うことは大変であるため,3~4か月分の給与が供託される度に配当手続を行う裁判所が多いと思います。ただ,3~4か月に一度で良いのは配当手続であって,勤務先が毎月供託することには変わりはありませんので,勤務先は本当に大変だと思います。

 

ただでさえ,給与の差し押さえとなると手取り給与の25%しか差し押さえができず回収までにそれなりの期間を要するのに,さらに競合したとなるとさらに期間を要することになるので,やはり競合した旨の書類が届いたときはがっくりきます・・・。

なお,競合になるかどうかは差し押さえによる回収が終わるかどうかで決まります。給与の場合は給料日の問題がありますのでなかなか難しいですが,預貯金の差押えの場合は債務者に裁判所から差押えの書類が送達されてから1週間後に直接取立権が生じ,すぐに銀行に連絡して回収することができますので,競合する前に迅速に進められた方が良いかと思います。

 

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2月 19 2019

離婚に伴う慰謝料請求(最高裁判決)

本日,債権回収に関する最高裁判決が出たので,簡単にまとめておきたいと思います。

なお,当事務所では,離婚に伴う慰謝料請求などの不法行為に基づく損害賠償請求に関する債権回収は行っておりませんので,そのようなご相談をいただいた際にはその分野に長けている弁護士さんを紹介させていただきます。

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前提事情

 

・甲さん(夫)は,Aさん(妻)と婚姻し,2人の子どもをもうけました。

・Aさんは,とある会社に入社し,その会社でBさん(浮気相手)と親密な関係になりました。

・約1年後,上記の事情を甲さんは知りましたが,すでに上記の関係は解消されており,甲さんとAさんは離婚することなく夫婦関係を継続していましたのでAさんとBさんには慰謝料の請求はしませんでした

・その約4年後,Aさんは甲さんと別れることを決意し,離婚調停が行われた結果,甲さんとAさんは離婚しました。

・甲さんは,Bさんに対して離婚に伴う慰謝料の支払いを求める訴えを提起しました。

・地裁及び高裁は甲さんの主張を認めてBさんに対して支払うよう判決を出しましたが,それを不服としてBさんが上告しました。

 

前提知識

1 慰謝料の種類

一口に離婚に伴う慰謝料といっても,実は2つの慰謝料があります。

(1)離婚自体慰謝料

離婚によって,配偶者(夫や妻)という立場を失うことになってしまうことに対する慰謝料です。離婚しなければ当然この慰謝料は発生しません。

ですので,浮気した夫に対して慰謝料を請求したいけど離婚はしないという場合,離婚していない訳ですからこの離婚自体慰謝料は請求できないことになります。

また,この離婚自体慰謝料を第三者に請求できるかどうかについては,いろんな考え方があったわけですが,地裁と高裁は請求できると考えており,本日この点についての最高裁判決が出ました

 

(2)離婚原因慰謝料

離婚の原因を作った人に対して請求できる慰謝料です。一番わかりやすいのが浮気ですが,それ以外にもDVだったり,性交渉の不存在だったりします。

これは必ずしも離婚することが必要なのではありませんので,浮気した夫に対して慰謝料を請求したいけど離婚はしないという場合であっても請求できますし,配偶者が第三者とともに原因を作っている場合は当該第三者(例えば浮気相手)に対しても請求できます

 

2 消滅時効

離婚に伴う慰謝料は,不法行為に基づく損害賠償請求ですので,被害者(浮気されたり,暴力を受けた配偶者)がその加害者や被害の事実を知ってから3年間またはその事実があってから20年間が経過すると時効により消滅してしまい請求できなくなってしまいます民法724条)。

したがって,上記の離婚自体慰謝料については離婚のときから3年間,離婚原因慰謝料は浮気の事実や浮気相手を知ってから3年間経過後には慰謝料は請求できなくなってしまいます。

 

最高裁判決

さて,これを受けて最高裁は,ざっくりというと以下のとおり判示しました(ただし,私の解釈ですので誤っている可能性もあります。)。

最高裁サイト

判決全文(PDF)

 

離婚原因慰謝料(不貞行為による慰謝料)については,当然ながら浮気相手にも請求できる

・一方で,離婚にするかどうかは当該夫婦の間で決められるべき事柄であって夫婦にも様々な事情があるのだから,浮気相手が直ちに当該夫婦を離婚させたことを理由とする不法行為責任(離婚自体慰謝料)を負うことはない

・もっとも,例外的に浮気相手が配偶者と浮気するだけでなく,夫婦を離婚させることを意図してその婚姻関係に対する不当な干渉をするなどして当該夫婦を離婚させたと評価できるような特段の事情があれば第三者も離婚自体慰謝料を負うことはある。

・本件では,AさんとBさんの浮気が発覚した時点ではすでに浮気関係は解消されており,Bさんが甲さんとAさんを敢えて離婚させたような事情は無い。

・よって,Bさんは甲さんに対して慰謝料を支払う必要は無い。

 

大事なところ

本判決では,浮気相手については,離婚自体慰謝料については原則として支払う必要は無いと言っているだけで,離婚原因慰謝料(不貞行為による慰謝料)については当然支払義務はあります。ただ,本件においては,甲さんがAさんとBさんの浮気を知ってから4年後に離婚しているため,「浮気の事実と浮気相手を知ってから3年」が経過していることから,消滅時効により請求できないだけです。

決して,浮気の慰謝料について,浮気相手が支払わなくても良いという判決ではありませんのでご注意ください。

この点,浮気しておいて結局支払わなくても良いのかと思われる方も多いと思いますが,もし離婚自体慰謝料を第三者に請求できるとなると,離婚自体慰謝料の消滅時効の起算点は離婚のときですから,仮に20歳のときに浮気をしたもののすぐに解消したが80歳の時に離婚したような場合,浮気相手は一度の浮気で60年前の責任を取らされることになってしまい,殺人の慰謝料ですら最長20年で時効(除斥期間)になってしまうことと比較すると責任が重すぎてしまいます

繰り返しとなりますが,離婚原因慰謝料は第三者にも請求できるわけですから,こちらで解決していただければ良いのではないかと思います。

 

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2月 14 2019

ご相談いただく紛争について

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当事務所では,「個人間の金銭トラブル」「売掛金」「滞納家賃の回収・明渡し」「管理費滞納」「診療報酬」に関する債権回収業務を行っており,基本的にその他の債権回収業務については行っておりません

よくご相談いただくのが,「不法行為(交通事故・不貞行為・詐欺等)に基づく損害賠償請求」,「債務不履行による損害賠償請求」などの損害賠償請求なのですが,一般論として損害賠償請求は簡易裁判所における定型的な紛争解決にはなじみにくく,弁護士さんにご依頼いただくべきものと考えております。

したがいまして,せっかくご相談いただいたのに申し訳ないのですが,損害賠償請求に関するご相談に関しては,弁護士さんにご相談いただきますようお願いいたします。なお,当事務所では損害賠償請求に関するご相談をいただいた際には,各分野に応じた弁護士さんをご紹介させていただいております。もちろん,ご紹介に際して,当事務所の費用は一切かかりません。

 

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1月 08 2019

分割弁済の完走(完済)

ご依頼いただく債権回収のほとんどが分割弁済による解決になります。事前の交渉を試みても一切連絡が取れずに訴訟となり,強制執行を行うケースもありますが,それでも一括で回収できるケースはあまり多くなく,その後に連絡をいただいて分割弁済になることが多いです。

 

今回は,あくまで当事務所が関与しているだけでの話となりますが,分割弁済の完済率についてまとめたいと思います。

 

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1 全体の80~90%が分割弁済

相手方に金銭の支払いを求めた場合,本当の実情は分かりませんが,やはりお金が無いことを理由に分割弁済を求められることが多いです。こちらとしても,分割とはいえ全額返済してもらえるのであれば,不合理な長期間で無い限り分割弁済で合意しています。

 

すべての事務所に当てはまるものではありませんが当事務所では以下のような感じです。

 

(1)話が出来て一括で回収できるケース → 10%程度

(2)こちらからの連絡は完全無視で一切連絡が取れず交渉もできないケース → 5%程度

(3)相手方から連絡があり交渉するか,訴訟手続を行った後に和解して交渉するなどして分割弁済となるケース → 85%程度

 

2 分割弁済の和解の方法

分割弁済の和解(合意)には,訴訟提起前に任意で和解書のやり取りを行うケースと訴訟提起後に裁判上和解が成立するケースがあります。

前者の場合はあくまで私文書であるため強制力はないものの,書類を作成するだけですので費用は抑えられます。少なくとも,当事務所ではご依頼いただいたうえで合意が成立した場合の書面の作成自体は無料なので費用はまったくかからないことになります。

一方,後者は分割弁済が滞った場合には預貯金や給与などの強制執行ができるため強制力が強いですが,そのためには訴訟手続を行うことになるため,それなりの時間と費用がかかります

 

なお,中間の方法として公正証書で和解書を作成すれば訴訟等を行うことなく強制力が強い書面を作成することも可能ですが,当事務所はあまりこの方法は執りません。

 

3 分割弁済の完走率

一般論としては,強制執行ができる裁判上和解の方がちゃんと完済してもらえそうな気がしますが,それほど変わらないように思います。どのような書面で和解が成立したとしても,結局は相手方次第だと思います。

ただ,1つだけ確実に完走率が確率が上がる場合があり,それは強制執行後に和解をした場合です。

 

裁判上の和解が成立し,「返済に遅れた場合は強制執行をされるかもしれない」という状態であっても,普通の方は強制執行を受けたことが無いので強制執行をされることの実感がありません。ところが,実際に強制執行をしてみると,勤務先に通知が届いたり(給与の債権執行),突然自宅に執行官が来たりします(動産執行)ので,以降のレスポンスは早くなりますし,遅れることなく返済してくれることが多くなります。

 

これまた,あくまで当事務所の感覚ですが,和解後にしっかり完済するのは概ね以下のような割合です。

(1)訴訟に和解が成立した場合 → 60%程度

(2)訴訟(裁判上)の和解が成立した場合 → 70%程度

(3)強制執行後に和解が成立した場合 → 90%程度

 

つまり,強制執行後に和解が成立したのに,それでも支払いが滞る方がいらっしゃるということです・・・。もうこうなると再度強制執行するしかありませんが,そのような方は差し押さえられるような財産がなく,現実的な回収は難しくなります。

 

以上,どの程度参考になるか分かりませんが,債権回収手続をご検討いただく一助となれば幸いです。

 

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