愛知・名古屋・岐阜・三重の方の債権回収・未払い家賃・売掛金・立ち退きに関するご相談ならはなみずき司法書士事務所

お問い合わせ

お気軽にご相談ください。(相談無料)電話番号0561-61-1514 ファックス番号0561-61-1535

トップページ » ブログ

ブログ

個人間トラブル

5月 20 2014

お金を貸す際の金利の上限

昨今,弁護士や司法書士のCM・広告などで「消費者金融などに払い過ぎた利息を取り戻します!」というのがよくあります。

当事務所でも,そのような業務を行っており,これまで10億円以上回収してきました

過払金返還請求とは?

 

過払金が返還される根拠を端的に言えば,「消費者金融は法律で認められている金利よりも高い金利をお客さんから取っていたので差額については返しなさい」というものです。

 

db1bb33f29437c56e291a163c32079e9_m

 

法律の規定を超える利息の契約は無効

 

上記の例は消費者金融や信販会社(クレジット)に関する話ですが,個人間の貸し借りについて,法律ではどのようになっているのでしょうか。

 

利息の上限に関する法律として,「利息制限法」という法律があります。

利息制限法

この法律の第1条に下記の最大利率よりも高い利率については,その超過部分は無効とされています。

 

10万円未満(1桁万円)→最大年利20%

10万円以上100万円未満(2桁万円)→最大年利18%

100万円以上(3桁万円以上)→最大年利15%

 

例えば,50万円を年利30%の利率で貸した場合,18%分についてはもらえますが12%分については無効となりもらうことはできません。さらに,この利息制限法は強行法規とされており,この内容に違反する内容でいくら当事者が納得していたとしても法律の舞台に上げられた場合には強制的に利息制限法利率に計算し直すことになります。

 

お金を貸しただけで逮捕されてしまう?!

 

利息に関しては上記の通り利息制限法がありますが,実は利息に関する法律として出資法という法律が存在します。

出資法

この出資法という法律は略称であり,本当の名前を「出資の受け入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律」といい,文字通り取り締まりのための法律です。

この法律の5条に年利109.5%を超える利息の契約をしたときは5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金(または併科)に処すと規定されています。109.5%と聞くと中途半端な感じがしますが,1日当たり0.3%と考えてもらえれば良いかと思います(0.3%×365日=109.5%)。

つまり,109.5%超の契約をしてしまうと,超過利息が無効になるどころか,刑事罰の対象になり,場合によっては逮捕→有罪となる可能性もあります。

 

個人間の貸し借りは結局どうなるのか

 

利息制限法はその対象を,消費者金融などの金融業者に限っていませんので個人間の貸し借りについても適用されます。また,出資法も金融業者か個人かによって上限利率の差はありますが,いずれにしても制限を超えると刑事罰の対象となります。

以上からまとめると,個人間の貸し借りについては,下記の通りとなります。

 

(1)利息制限法所定の利率内の契約→利息を全額請求することができる。

(2)利息制限法所定利率は超えるけど109.5%以下の契約→利息制限法内の金利を請求することができるが,超過分は請求できない

(3)109.5%超の契約→利息制限法内の金利を請求することができるが,超過分は請求できない。さらに,刑事罰の対象となり,逮捕・起訴されて有罪となる可能性がある

※あまりにも高金利(例えばトイチ・トゴなど超高金利)の場合は,貸付行為自体が不法行為となり,利息を請求できなくなるどころか元本すら返還されない可能性もあります民法708条)。

 

ということで,個人間の貸し借りであり,互いに納得していたとしても利息制限法所定利率内で契約するようにしてください。

 

【司法書士の債権回収最前線】目次はこちら


3月 12 2014

再び財産開示手続をやってみる。

以前,強制執行をしてみたところ回収できずに財産開示手続をしてみたら回収できたということがありました。

ブログ記事

 

再び,別の相手に対して財産開示の申立てをしたところ無事開始されました。

 

kaiji

 

以前も書きましたが,財産開示手続というのは,

 

相手の財産を差し押さえようにも差し押さえる財産が無いもしくは見つからない

このままだと回収できないので裁判所に財産の有無などを聞いてもらう

本人が素直に出頭して正直に話してくれれば良いけど,出頭しない可能性もあるし,出頭しても正直に話さない可能性もあるし,本当に財産が無いかもしれない

出頭しない,もしくは正直に話さないという場合は制裁があるけど30万円以下の過料(罰金みたいなもの)なので制裁が軽いし,本当に財産が無かったらどうしようもない

したがって,効果が薄い

 

という感じですので,世間的にはあまり使われていないと思います。

しかし,あくまで当事務所に限っての話ですが,なぜか財産開示をやると効果が高く回収できる印象があります。

 

さて,今回はどうなることか。


2月 07 2014

期限の利益喪失条項

銀行や信用金庫のような金融機関のみならず,信販会社や消費者金融に至るまで,契約書に必ず入っている大事な条項があります。

しかし,個人間でのお金の貸し借りではそもそも契約書が無いことも多いのですが,仮に契約書があったとしてもこの条項が入っていることはまずありません

 

それは「期限の利益喪失条項」というもので,債権者側としては非常に大事な条項となります。

 

sozai_8589

 

 

【期限】=【返済しなくて良い期間】

 

通常,金融機関等からお金を借りる場合,一括で返済するということはほとんど無く分割で返済しますよね。例えば住宅ローンなんかは35年ローンなんてザラにありますし,自動車ローンでも5年くらいはよくあると思います。また,一括で返済する場合でも,借りた翌日に一括で返済するということはなく,例えば1か月後とか1年後とかある程度の期間返済が猶予されますよね。

この,「一定期間返済しなくて良い期間」というのが「期限の利益」というものです。つまり,債権者側の事情により,「ちょっとお金が必要になったから貸したお金すぐに返して」と言われたとしても,債務者側としては「いやいや,期限までは自由に使って良いことになってるんだから一括では返さないよ。」と言って断ることができる権利です。

 

ちなみに,この期限の利益を債務者側から説明しましたが,債権者側にとっても期限の利益はあります。それは利息です。

例えば,債権者は年利10%で100万円を貸せば,1年後には10万円の利息をもらうことができます。しかし,債務者側の都合により「ちょっとお金の都合ができたから1か月しか経ってないけど100万円と1か月分の利息を返すよ。」と言われてしまった場合,債権者としては本来は利息として10万円がもらえるはずだったのに,1か月分の利息しかもらえないことになってしまいます。

そこで,債権者としては「期限の利益があるのだから,一括で返しても良いけど1年分の利息を支払ってね。」という権利があります(民法136条2項)。

もっとも,一般的には早期に返済した場合はそれまでの分の利息しかもらわないことになっていることが多いと思います。

 

期限の利益を喪失する場合

 

さて,最初に記載した期限の利益の喪失条項ですが,具体的には下記のような条項です。

 

「乙(債務者)が第1項の分割金の支払いを一度でも怠ったときは期限の利益を喪失し,乙は甲に対し,第1項の金員から既払額を控除した残金を直ちに支払う。

 

大事なところは,赤くなっている「分割金の支払いを一度でも怠ったときは期限の利益を喪失し」,「残金を直ちに支払う」という部分です。

 

これがないと分割のときに大変困ります。

 

例えば,100万円を貸して,10万円を10回分割で返してもらう契約をしたとします。

しかし,最初から返済をせず,2回,3回と返済がされません。とすると,全額返せという訴訟を提起したいのですが,期限が到来している3回分の30万円は返せと請求できますが,残る7回分の70万円については相手に期限の利益があるため請求できません。とすると,毎月毎月滞納するのを確認するごとに請求しなければならなくなり大変です。2回も3回も滞納する人が今後ちゃんと返済してくれるとは到底思えないので早急に手続を進めなければならないのに,期限が到来していない分については指をくわえてみているしかありません

 

しかし,期限の利益の喪失条項が入っていれば「残金を直ちに支払う」となっているため,その滞納した時点で残っている全額について期限が到来していなくても請求することができます

 

「借用書」ではなく「契約書」にすべき

 

証拠としては,書面である必要はないので,メールなどでも大丈夫です。ただ,証拠としてはやはり借用書等の書面があった方が良いです。

さらに,借用書だと「いくら借りた」程度のことしか記載されていないので,一括弁済であれば良いのですが,分割弁済の場合だと債権者側としては債権回収手続きをしようにもスムーズに進まないこともあります。

したがって,知人間ではなかなか言い出しづらい部分もあるかと思いますが,できれば契約書を作成するようにしてください。

契約書のサンプルをアップロードしておきますので,こちらを参考に作成していただければと思います。また,契約書の作成に関するご依頼もお待ちしております

金銭消費貸借契約書(サンプル)

 

【司法書士の債権回収最前線】目次はこちら


12月 12 2013

貸したことがわかれば何でも良い

先日,東京都知事が医療法人から多額の資金を無利息で借りていたとしても問題になっていました。

 

その際に,借用書の有無が問題になり,都知事が借用書を報道陣に公開したところ,その内容が杜撰だということで更に問題になっていました。

 

tovhiji

 

借用書に必要なこと

 

端的に言えば,誰が,誰から,いつ,いくら借りた,ということが載っていれば,とりあえず借用書としては問題ありません。

上記都知事の借用書を見ると,

 

①誰が

→猪瀬直樹氏が

②誰から

→徳田毅氏から

③いつ

→平成24年11月20日に

④いくら借りた

→5000万円借りた

 

ということが載っていますので,借用書としてとりあえずは問題ありません。

この点,印紙が貼っていない,徳田氏の署名が無い,なんで借用書を借主である都知事が持っているんだ,などのクレームがあるようです。

まず,印紙が貼っていないことと契約が有効か否か,もしくは借用書として成立しているか否かはまったく関係ありません。印紙が貼ってないと,税務署に知られたときに,1.1倍もしくは3倍の過怠税を課されるかどうかだけの問題です。

貸した側の署名が無いことについても,通常「借用書」というものは借りた側が貸主に差し入れるものですので,借用書に関して言えばむしろ貸主の署名が無い方が一般的です。

そして,借用書を借主が持っていることについては,すでに返済したとのことですので,通常は返済と交換で借用書は返還してもらいますし,法的にも返済したら借用書等の債権証書を返還するのが原則となっています(民法487条)。返済したのに借用書が貸主の手元の残っていたら再度請求されるかもしれませんからね。

 

 

署名等は証拠力の問題

 

5000万円という多額の金銭の貸し借りの場合,このような借用書という形式ではなく,ちゃんとした金銭消費貸借契約証書という書面を作成するのが一般的ですし,利息の有無,返済期限,返済方法,遅れた場合の措置(遅延損害金や失期約款等),当事者(少なくとも借主)の署名に加えて実印で捺印し,印鑑証明書までつけると思います。さらに,間違いの無いように現金ではなく銀行振り込みによると思います。

上記のうち,利息や損害金の規定は,元本だけでなくそれ以外の金銭をもらう根拠となるものですが,署名や実印での押印というのは別にパソコンで印字したものに,100円ショップで売っているような認印を押したものでもちゃんと有効な書面となります。それでも,署名を求め,さらに実印での押印を求めるのは証拠力を高めるためです。

つまり,パソコンで印字したものでは本当に本人が関与したものなのかさっぱりわかりません。さらに,認印なんてどこでも買えるので他人が押印している可能性も十分あります。しかし,署名は基本的に本人しか書けないものですし,実印+印鑑証明書があれば極めて高い確率で本人が関与していると裁判所も認定しやすくなりますよね。これが「証拠力を高める」ということです。

 

今回の都知事の持っているような借用書しかない場合,数十万円程度の借金であれば問題にしないでしょうが,5000万円もの多額の借金だと裁判所もおいそれと簡単には認めてくれない可能性が出てきますので,そうならないように貸主は借主に対し署名に加えて実印+印鑑証明書を求めると思います(それでも都知事の署名があるので認められる可能性は高いと思います)。

 

借用書じゃなくたっていい

 

もっと言えば,借用書なんていう書面が無くても良いんです。

知人間の貸し借りで借用書を作っている方が珍しいくらいですよね。あくまで,上記の①誰が,②誰から,③いつ,④いくら借りた,ということが分かれば良いので,以前も書きましたが,

 

1か月前貸した10万円だけどいつごろ返してもらえそうかな?」

 

 

「遅くなってごめんね。来月になればボーナスが入るからそれで返せると思うよ。」

 

というメールのやり取りがあれば,①誰が,②誰から,③いつ,④いくら借りた,ということがわかりますので,十分証拠となります。

 

とはいえ,証拠があるに越したことはありません。下記のような,本当に簡易な借用書でもあると無いとでは段違いですので,できればもらうようにしてください。

syakuyou(PDF)

 

【司法書士の債権回収最前線】目次はこちら

 


11月 14 2013

何はともあれ原資の確保

ここ数日,立て続けに個人間の金銭トラブルに関するご相談をいただいております。

 

個人間の金銭トラブルは様々な理由があるため一概にどのようなケースが多いうということはありませんが,ご心配されている内容の一つとして「借用書が無い」というような証拠が無いことのご心配が多いようです。

もちろん,借用書や念書といった証拠があればそれに越したことはありませんが,そういったバシッとした証拠が無くてもその他の証拠があれば十分戦うことができます。

例えば,メールなんかはかなり有効です。

 

mail

 

証拠はどうにかなることが多い

 

メールのやり取りで,

 

「【11月25日】月末の支払いが難しいんで,10万円貸してもらえないかな?」→「【11月28日】今日はありがとう。これで今月何とか乗り切れるわ。」

 

なんてメールが残っていれば,11月28日に10万円貸したんだな,ということが推認できますよね。これに加えて,現金で貸したのではなく振込とかで貸していれば振込の明細や通帳のコピーも有力な証拠となります。

 

先日,ご相談に来られた方はメールではなくLINEでのやり取りをプリントアウトされてこられましたが,これでも十分証拠となります。

LINEのトークの印刷方法→【ソーシャル完全バックアップ術】「LINE」のトーク履歴をEvernoteに保存する

 

ただ,こういったメール等の記録もなく,さらに振込の明細もなく,貸した時に第三者が立ち会っていないというようなまったく何も証拠が無い状況となると,裁判になった場合にはかなり厳しいと思いますが,事後的に証拠を作ることができる場合もありますので,まったく証拠がなくてもどうにかなる場合もあります。

 

無い袖は振れない

 

例え裁判に勝ったとしても裁判所がお金を立て替えてくれるわけではありません。勝訴判決は,あくまで「強制執行手続をして強制的に取り立てても良いよ」というお墨付きをくれたに過ぎません。

 

逆に言えば,強制執行をしようにも相手に強制的に回収できるような財産が無ければ勝訴判決はまったく意味が無いことになります。やはり無い袖は振れません。

 

ただ,現時点ではお金が無くても将来的にお金が入ってくるのであればそのお金を押さえて回収することができます。それがまさに給与です。なので,お金を貸す際には,雑談の一つとして,相手が勤めている会社の情報をしっかりメモにとっておくということが重要になります。

 

 

思いのほか効果のあった財産開示

 

強制執行をしても回収できない場合,基本的にはそこで諦めてしまうケースも多いと思います。

ただ,先日それでも諦めずに財産開示手続をやった事件がありました。

ブログ記事

 

 

実は,この財産開示は最終的には取り下げて終了しています。

というのは,相手から,「全額支払うから財産開示を取り下げてほしい」という打診があったためです。

 

財産開示手続自体は正直なところ全然強制力は無いと思います(相手が完全に無視したとしても最大で30万円の過料(罰金みたいなもの)でしかありません。)。ただ,あくまでケースバイケースですが,財産開示までやると相手が払ってくれることもありますので,やってみる価値は十分あると思います!

 

【司法書士の債権回収最前線】目次はこちら


11月 06 2013

相手方不出頭の判決は味気ない

先日の件で判決があり,無事完全勝訴となりました。

Scan0115 Scan0116

 

相手方が何も反論をせず,かつ不出頭の場合は,それだけでこちらの請求をすべて認めたことになってしまうため,判決書の内容も味気ないものになっています。

 

さて,次は強制執行です。

 

【司法書士の債権回収最前線】目次はこちら


10月 18 2013

相手が来なければ,まず間違いなく勝訴

これまで何度も記載していますが,提訴しても相手に書類が届かなければ裁判は始まりません。これは,相手の知らないところで勝手に裁判をしてしまうと反論の機会が与えられないことになり,不当な結論になることがあるためです。

したがって,相手の書類が届いた時点で初めて裁判は開始されることになっています。逆に言うと,書類が届いた時点で相手は反論をする機会が与えられているため,反論をしないと自動的にこちらの言い分を認めたことになってしまいます。これを擬制自白といいます(民事訴訟法159条)。

 

ただし,これは事実に関するものだけであり,法律問題に関しては適用されません。

 

例えば,AさんがBさんにお金を貸したけど返してもらえないということで提訴し,Bさんが訴状を受け取ったにも関わらず特に反論をしない場合,Bさんはお金を借りたということについては,自白が成立するためAさん勝訴が確定します。しかし,AさんがBさんに貸した際の利率が仮に年利25%だったとしても,この利率は法律違反であるため25%分の利息を付けて支払え,ということにはなりません。

 

さて,本日こちらの事件についての裁判でしたが,やはり相手は出頭せず,かつ反論の書面も提出しませんでしたので即日結審となりました。これで,まず間違いなく勝訴となります。ただし,裁判官と利息が付く元本の部分について議論になったため,もしかしたらこの部分についてはこちらの請求分全部は認められないかもしれません。

 

いずれにしても,結論として勝訴は間違いありませんので,次の強制執行手続きに進むことになりますね。

 

【司法書士の債権回収最前線】目次はこちら


9月 27 2013

借金と詐欺

借りるときには「絶対に迷惑かけないから大丈夫!」と言われ,返済を督促すると「○○日にまとまったお金が入る予定があるからもうちょっと待って」と言われたものの,まったく返済されない。

こんな場合,「詐欺だ!!」と思われるかと思います。

 

実際に,当事務所でも返済されない方について詐欺罪での刑事告訴の手続を進めたことがあります(司法書士は検察庁に,行政書士は警察署に提出する告訴状をそれぞれ作成することができます。)。

 

しかし,「返済しない=詐欺罪(刑法246条)」になるのではなく,例外的な場合に限って詐欺罪が適用されるに過ぎませんので,正直なところなかなかハードルが高いのも事実です。

 

詐欺かどうかは借りる時点で決まる

 

基本的に問題になるのは返済が滞っているタイミングだと思いますが,実は詐欺になるかどうかは返済のタイミングではなく借りるタイミングが重要です。

詐欺罪というのは,端的に言えば,相手を騙して財産を受け取ることです。借金の場面に当てはめると,「返すつもりが無いのに適当な理由を言って借金をした」となると,その借りた時点で詐欺罪が成立します。

なので,その後に借金を返済したかどうかは実は関係ありません。ただし,借金が返済されたのであれば,現実的に誰にも被害が無いので問題になることはありません。

 

ポイントは「返すつもりがないのに」

 

つまり,最初から返す意思がないのに借りたということが重要なので,最初は返す意思があったけど,その後の理由(職を失ったなど)により借金が返済できなくなったという場合には詐欺罪は成立しません。「迷惑はかけないから」という発言と比べると,結果としては確かに騙していることになるのですが,騙そうとして騙しているわけではないので詐欺ではないわけですね。

 

返済の時点での詐欺もある

 

ということで,基本的には借金の返済をしないことそれ自体は詐欺ではなく,あくまで最初から騙すつもり(返済しないつもり)で借金したのでなければ詐欺罪は成立しませんが,実は借金返済の時点で詐欺罪が成立することがあります。それは詐欺利得罪(いわゆる二項詐欺)です。

この詐欺利得罪というのは,通常の詐欺罪と異なり,相手を騙して何らかの財産(物)を受け取るのではなく,何らかの利益を得た場合に適用されるものです。

借金をするときには返す意思があったものの,返済の時点でお金がなく払えなくなってしまった場合には,上記の通り詐欺罪は成立しません。しかし,返済時点になって「実は,父親がガンになったからその手術代を支払わなければならない。だから申し訳ないんだけど返済ができなくなってしまった。」という嘘をつき,相手が「そういう事情ならしょうがないね。もう返済はいいよ。」となったとします。そうすると,借金をした人は相手を騙して返済義務を免れるという利益を得ています。この場合は,詐欺利得罪が成立いたします。

 

それでもなかなか難しい

 

実は,当事務所で関与した事件も詐欺利得罪の成立に関するものです。

というのは,通常の詐欺罪はあくまで借金をする時点での話なので,本当は返すつもりがあったのかなかったのかということを後になって立証するのは極めて難しいですが,返済の時点での嘘だと調べれば大体嘘かどうかはすぐわかりますし,すでにその時点では借金をした方について不信の目で見ていますので,録音等によって証拠を集めることができるからです。

こういった証拠がバッチリ揃っていたので詐欺利得罪での告訴を進めていましたが,担当の警察官によっても見解が異なり,なかなか告訴状の受理まで進まないのが実情です。

 

受理され,捜査まで進むと効果は大きい

 

借金の返済について,相手を騙すような人なので,そのような方は大概お金を持っていません,

しかし,告訴が受理され,もし逮捕,勾留まで行った場合,多くのケースで相手は示談を持ちかけてきます。示談が成立することによって,起訴を免れたり,もし起訴されても執行猶予が付くなど有利に作用するからです。とすると,相手がお金を持っていなくても,相手の周りの人が支払ってくれることがあります

ただし,これは諸刃の剣でもあります。周りの人がお金を持っていて返済してくれるのであれば良いのですが,そのような方がいない場合,本人は逮捕,勾留などにより職を失ってしまうこともありますので,ますます返済に窮することが考えられ,最悪の場合は自己破産の申立てをされる可能性もあるためです。そのような恐れがある場合は,例え詐欺罪が成立しそうでも,告訴はしない方が回収の可能性は高くなると思います。なので,この点をしっかり見極めるために,相手の状況を綿密に調べてから行動しなければなりません。

 

ということで,借金の返済をしないこと自体は詐欺罪にならない可能性もありますし,仮に成立したとしても逆に回収可能性が低くなることがありますが,場合によってはうまく行くこともありますので,可能な限り証拠は残しておいた方が良いと思います。

 

【司法書士の債権回収最前線】目次はこちら


9月 20 2013

付郵便の上申書で解決!

先日の件の続きです。

 

このままだと裁判が進まないため,相手が住民票の住所地に住んでいるのか現地に行って調査をし,それに基づき付郵便送達の上申をすることになります。

送達について

 

 

現地調査に必要なモノ

 

とりあえず,必要なものは下記の3つがあれば十分です。

・スマホ(カメラ)

・身分証明書

・裁判所から送付されてきた指示書

 

【スマホ】

調査をする以上,当然ながらカメラで撮影したり,隣家の方に聞き込みをすることがあります。また,相手の家に行かなければなりませんので,地図なども必要になります。

このいったものはすべてスマホがあれば解決しますよね。大体カメラ機能や録音機能は付いていますし,ネットに繋がっていれば地図アプリで現地まで行けますからね。

 

【身分証明書】

これは,写真を撮影していると不審がられることがありますし,隣家の人にお話を伺うにもどこの誰だかわからない人に話してくれる方は多くはありません。そこで,身分証明書が役に立ちます。

 

【裁判所から送られてきた指示書】

これを使ったケースはこれまで一度もありませんが,万が一,警察に通報された場合などのために写真撮影をする正当な理由があることを証明するために必要です。なお,指示書には事件名などもかかれており個人情報が詰まっているため,隣人の方などに見せることはありません。

 

調査のポイント

 

では,現地まで行って何を調査するかです。

 

①相手方の家に突撃

あくまで住民票の住所地に住んでいるのかを調査しにきたのであり,回収をしに来たわけではありませんから,インターフォンを押して相手が出てきてくれればそれで調査完了です。こんな楽なことはありませんが,残念ながら今まで相手が出てきたことは一度もありません・・・。

 

②表札やポスト,マンション名等を撮影

表札やポスト(郵便受け)に相手の名前が書いてあればほぼ確実に住んでます。これはばっちり写真に収めましょう。ただ,最近はあまり表札が出ていないことも多いため,その場合はとりあえず訪ねたことを立証するため,マンション名が書かれている部分なども撮影しておきます。

 

③現状住んでいるかどうかの調査

電気メーターや水道メーターが回っていたり,ベランダに洗濯物が干してあれば住んでいる可能性が極めて高いです。また,ポスト付近に水道メーターの検針表などが落ちていることもあります。この検針表には住所・氏名,いつからいつまでの水道利用などの情報が書いてありますので,もし落ちていたらとりあえず写真に収めます。なお,あくまで「落ちていたら」というだけであり,ポストを開けて取り出したりすると犯罪ですのでおやめください。

 

④隣人等に聞いてみる

最近は近所付き合いも薄くなってきているので,アパートやマンションだと隣人が誰か知らない場合もあります。そんなときは,そのマンション等を管理している管理会社や管理人に相手の事を聞いてみるのも一つの方法です。管理人等であれば当然住人の名前を知っているでしょうし,隣人の方も名前までは知らなくても性別や背格好などの情報から相手に繋がる情報が聞き出せることがあります。

 

 

これらの調査を行い,相手が間違いなく住んでいるということがわかれば,その旨の調査報告書を作成し,付郵便の上申書を裁判所に提出することとなります。

 

CYMERA_20130920_095436

 

裁判所書記官が実際に相手の住所地まで行くわけではありませんので,しっかり調査をして「確かにそこに住んでいるな」と,いかに書記官に認識してもらうかが勝負の決め手です。

なお,これまで何度も付郵便の上申をしていますが,今のところ一度も却下されたことはありません

 

ということで,今回の件も無事認められました。これで,相手は次回裁判所から送られてくる郵便を受け取らなかったとしても,届いたことになり,もし裁判所へ出頭しなければ問答無用でこちら側の勝訴となります。あとは,ここからどうやって回収するかです。

 

【司法書士の債権回収最前線】目次はこちら


8月 06 2013

住所を特定するもの反応なし

先日の件ですが,住所を特定し,そこに居住していることを確認して督促状を送付したものの残念ながら連絡がありませんでした。

 

念のため,再度法的手続きを行う旨の通知もしましたが回答がありませんでしたので,本当に法的手続きをすることとなります。

 

先日,記載した法的手続きのメニューがあるわけですが,今回は通常訴訟を選択することとなりました。

というのは,

まったく回答がないため,調停を申し立てて話し合いを希望しても応じない可能性が高い

相手の住所が依頼者の住所地から結構離れているため,異議を出された場合のことを考慮すると支払督促は避けた方がよい(支払督促は相手の住所地を管轄する裁判所に申し立てならず,異議が出た場合はその裁判所で裁判を続けなければならなくなってしまう。)。

そもそも60万円を超えているため,少額訴訟は使えない。

という理由によるものです。

 

友人に保証人になることを依頼しておきながら,支払いをせずに逃げて保証人に返済させ,債務者本人は悠々自適に暮らしているなどということは許しませんよ。法律上,某直樹さんのように「やられたら倍返しだ!」とはいきませんが,少なくとも立て替えた分については返してもらわないといけませんもんね。

 

【司法書士の債権回収最前線】目次はこちら


« 前のページ - 次のページ »

個人間の金銭トラブル

売掛金の回収

診療報酬

未払い賃料・立ち退き

管理費滞納

保全・強制執行

ブログ。司法書士の債権回収最前線。

名古屋債権回収相談室

〒480-1116
愛知県長久手市杁ヶ池106番地2
1階

はなみずき司法書士事務所

お気軽にご相談ください。(相談無料)電話番号0561-61-1514 ファックス番号0561-61-1535

対応地域

名古屋市、岐阜県、愛知県、三重県

このページのトップへ